平成26年4月1日
平成24年2月7日に大阪府阪神港で発生したケミカルタンカー第二旭豊丸の乗組員死亡事故(注1)について、平成25年4月26日に運輸安全委員会から国土交通大臣に対して事故の再発防止に関する勧告(注2)が出されました。
(注1)事故の概要
クロロホルムを荷揚げした後のケミカルタンカー貨物タンク内に、タンククリーニングを行うために入ったと思われる乗組員1名が倒れているのが発見され、救出されたものの死亡した。
(注2)国土交通大臣に対する勧告の概要
内航ケミカルタンカーの運航事業者に対して、乗組員が貨物タンク内に入る際やタンククリーニング作業時の注意事項を徹底させること等を指導すること。
上記勧告を受けて、国土交通省では、同日、ケミカルタンカーを含むタンカー運航事業者の団体である全国内航タンカー海運組合に対し、事故の再発防止策の徹底を図るよう指導しました。
これを受けて、同組合では、国土交通省も参加したワーキンググループを設置して、ケミカルタンカーの運航事業者が講じるべき安全対策(注3)を取りまとめ、各事業者においてこれらを実施することとなりました。
(注3)ケミカルタンカーの安全対策のポイント
・ ガス検知の実施等についての少なくとも年1回の訪船指導
・ 危険区域への立入の際や緊急時の遵守事項の掲示、緊急時の対応方法の教育・訓練の実施
・ 積荷の危険性、許容濃度等の周知、ガス濃度計測結果等の記録
・ 許容濃度を超える有毒ガス検出時の立入制限、タンククリーニング等の実施
・ 安全措置に必要な時間を考慮した無理のない配船 等
国土交通省では、ケミカルタンカーの運航事業者が上記安全対策を確実に実施していること等を確認するため、本年4月以降、各地方運輸局等の担当職員が、船舶検査実施等の機会に、ケミカルタンカー全船を訪船し、安全対策の実施状況の確認、安全対策についての説明・指導を行うこととしました。
国土交通省としては、同様の事故の再発を防止するため、今後ともケミカルタンカーの安全対策を徹底してまいります。
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