報道・広報

世界初の液化水素運搬船の実現に向けた国際ルール作りを推進します 
~ 国際海事機関(IMO)貨物運送小委員会にあわせて液化水素運搬船の安全要件に関するワークショップを開催します ~

平成28年9月2日

 国土交通省は,水素エネルギーの普及を見据え,豪州の未利用エネルギーである褐炭から製造した液化水素を輸送するため,世界初の液化水素運搬船による日豪航路での実証実験*1を行う予定です。
 そのための安全基準作りを日本リードのもと国際海事機関(IMO)にて進めており,9月5日から開催されるIMO第三回貨物運送小委員会(CCC3)において最終化を目指しています。
 多くの国の支持を得るため,CCC3に合わせ,ロンドンにおいて国際ワークショップを開催します。
*1:実証実験を行う実証船は,2020年の完工を目標としており,完成後,荷役機器等の試験,長距離輸送実証試験,積荷・揚荷等の習熟オペレーション等を実施する予定。

【液化水素運搬船の安全要件に関するワークショップ】
  1. 日 時:平成28年9月2日(金)
  2. 場 所国際海事機関(IMO)(ロンドン)
  3. 発表者:海上技術安全研究所,日本海事協会,技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)*2 他
    *2:川崎重工業株式会社,岩谷産業株式会社,シェルジャパン株式会社及び電源開発株式会社の4社により設立された技術研究組合。水素製造,輸送,貯蔵,利用の過程でCO2を排出しないサプライチェーン構築と商用化に向けた技術開発と実証を行っている。
  4. 参加者IMO加盟各国及び団体
  5. その他別紙プログラム参照

【国際海事機関(IMO)第三回貨物運送小委員会(CCC3)】
  1. 日 時:平成28年9月5日(月)~9日(金)
  2. 場 所国際海事機関(IMO)(ロンドン)
  3. 参加者:国土交通省,在英国日本国大使館,海上技術安全研究所,その他海事関係の機関・団体
  4. 主な議題
(1)液化水素運搬船の安全要件
 水素社会の実現のためには,大量の水素の海上輸送が必要とされます。その運搬船の安全要件を策定するため,我が国とオーストラリアは共同で液化水素運搬船の安全要件に係る「暫定勧告」案を提案し,継続的に検討が行われてきましたが,今回のCCC3では,「暫定勧告」の最終案が審議されることとなっております。「暫定勧告」が最終化されるよう努めてまいります。
(2)極低温における高マンガンオーステナイト鋼の適合性
 極低温下で使用される液化天然ガス(LNG)のタンク鋼材は,国際ガスキャリア(IGC)コード及び国際ガス燃料船安全(IGF)コードで定められています。今次会合では,主に韓国製鉄業界が提供しようとしている高マンガンオーステナイト鋼を両コードに追加する提案について審議されることとなっています。しかしながら,同案では,低温での延性破壊特性のデータが示されておらず,安全性の懸念が払拭できないことから,追加データの提供を主張します。
(3)海上輸出コンテナの総重量確定に関する状況報告
 「海上人命安全条約」(SOLAS条約)の改正により,本年7月1日より,荷送人は,同条約が規定する二つの方法のいずれかにより,海上輸出コンテナの総質量を確定し,船長に提出することが義務づけられました。今次会合では,世界海運評議会(World Shipping Council)等から,同規定の履行状況やFAQ等が記載された文書が提出されており,情報収集に努めてまいります。

お問い合わせ先

国土交通省海事局検査測度課 木川,日坂(全般(高マンガンオーステナイト鋼関係を除く))
TEL:03-5253-8111 (内線44-173,44-177) 直通 03-5253-8639 FAX:03-5253-1644
国土交通省海事局安全政策課 平島,枌原(高マンガンオーステナイト鋼関係)
TEL:03-5253-8111 (内線43-562,43-564) 直通 03-5253-8631 FAX:03-5253-1642

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