令和4年11月16日

令和４年11月２日から11日にかけ、対面形式で国際海事機関（IMO）の第106回海上安全委員会（MSC 106）が開催されました。今次会合では、主に、自動運航船（MASS）の国際ルールの骨子案作成や、洋上風力・掘削施設等の洋上施設上で作業を行う人員を輸送する船舶の安全基準の採択等が行われました。

１．自動運航船（MASS）の国際ルール策定に向けた検討
  自動運航船の国際ルールについては、前回会合において、将来的な義務化を見据えつつ、まずは非義務的なものを作成することが合意されていました。
  今次会合では、我が国の提案等に基づき、ルールの骨子案について、原則合意するとともに、会期間作業部会を設置し、今後、自動運航船にかかるセクションごとに起草作業を進めていくことに合意しました。
 
２．条約等の改正案の採択
（１）燃料油の使用に係る安全対策
  海上人命安全条約（SOLAS条約）では、火災等の防止の観点から引火点が60℃未満の燃料油の使用を原則禁止しています。今般、更なる安全性向上のため、バンカー・デリバリー・ノート（BDN）と呼ばれる燃料供給者から発行される書面に引火点を記載すること、引火点が60℃未満の燃料が供給された際に条約締結国からIMOへの通報義務を課すこと等の条約附属書改正案が採択されました。改正案は2026年１月１日より発効する予定です。
 
（２）洋上施設上で作業を行う人員を輸送する船舶の安全基準
  洋上風力・掘削施設等の洋上施設上で作業を行う人員（IP: Industrial Personnel）を貨物船で13人以上輸送する場合の安全基準を策定するため、SOLAS条約附属書の改正及び同附属書に基づく産業人員を輸送する船舶の安全に関する国際規則（IPコード）案が採択されました。これらは、2024年７月１日より発効する予定です。
 
  上記事項の詳細やその他の審議事項は別紙をご参照ください。