令和3年8月30日

国土交通省は、「水素燃料電池船の安全ガイドライン」の内容を見直し、改訂しました。これにより、水素燃料電池船の開発・実用化が一層促進されることが期待されます。

　国土交通省海事局では、2015年度～2017年度に水素燃料電池船の安全基準を整備するための調査検討^※１を実施し、その成果を踏まえて2018年３月に小型船舶を対象とした「水素燃料電池船の安全ガイドライン」（以下、ガイドライン）を策定しました。

　その後、旅客船やより大型な船への水素燃料電池の活用を推進するにあたり、旅客スペースの確保や安全な水素供給方法の確立等の新たな課題が出てきたことから、「燃料電池船技術評価FS事業^※２」においてこれらの課題の対策を検討しました。

　また、国際海事機関（IMO）において、燃料電池船の安全要件をまとめた暫定指針^※３について2021年の海上安全委員会での採択が予定される等、国際的な安全基準策定の検討も進んでいるところです。

　国土交通省海事局では、上記FS事業により得られた知見や国際的な暫定指針策定に向けた最新動向を踏まえて、ガイドラインの内容を見直すため有識者や業界関係者を含めた検討を行ってきたところであり、今般、当該検討結果を踏まえてガイドラインの改訂を行いました。この改訂により、船舶の安全性を確保しつつ燃料タンク配置等の設計の自由度が向上するほか、より大型の船舶の設計にも対応可能となります。これにより、水素燃料電池船の開発・実用化が一層促進されることが期待されます。

＜見直しの概要＞
○IMO燃料電池船安全の暫定指針の先行取入れ^※４（より大型の船舶への対応）
○小型船等の安全要件の見直し
○代替設計のリスク評価簡素化など

　※１　国土交通省事業（2015年度～2017年度）
　※２　環境省・国土交通省連携事業「燃料電池船技術評価FS事業」（2018年度～2020年度）
　※３　「Interim guidelines for the safety of ships using fuel cell power installations」
　※４　採択の過程で暫定指針の内容に変更があった場合は、変更内容の取入れを実施予定。

　▼水素燃料電池船の安全ガイドラインの公開ページはこちら
　　https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk7_000040.html