令和5年3月31日
国土交通省では、建設現場の働き方改革や働きやすい職場環境の整備等を推進するため、一般社団法人 日本建設業連合会(以下、「日建連」という。)と定期的に意見交換を実施しており、このたび、令和4年度に実施した意見交換の成果として、直轄土木工事の令和5年度における取組をまとめましたので、公表いたします。 |
地区ごとに地方整備局と日建連とで公共工事の諸課題を意見交換し、その結果を踏まえ、国土交通本省も加わり、公共工事における働き方改革や生産性向上などを議論し、直轄土木工事の令和5年度における取組としてとりまとめました。
<地方整備局(公共工事の諸課題に関する意見交換会)>
開催日 |
地区 |
意見交換のテーマ |
令和4年5月16日 |
関東地整 |
適切な公共工事の実施
(1)適切な予算と発注
(2)適正な工期設定と条件明示
(3)工程の共同管理
(4)建築工事の設計図書の適正化
担い手確保
(1)工事現場における週休二日の実現
(2)技術者の処遇改善
(3)技術者要件の緩和
品確法の的確な運用
(1)入札と契約に関する改善
(2)設計変更に関する改善
生産性向上
(1)施工業務の効率化
(2)プレキャスト工法の活用拡大
(3)新技術とDXの現場実装 |
5月19日 |
近畿地整 |
5月23日 |
中部地整 |
5月25日 |
東北地整 |
6月 1日 |
中国地整 |
6月 3日 |
四国地整 |
6月 6日 |
北陸地整 |
6月 9日 |
北海道開発局 |
6月13日 |
九州地整 |
<国土交通本省(フォローアップ会議>
開催日 |
会議 |
主な意見交換のテーマ |
令和4年6月17日 |
意見交換会報告会 |
意見交換会結果報告 |
7月26日 |
第1回フォローアップ会議 |
フォローアップ会議の実施方針 |
11月28日 |
第2回フォローアップ会議 |
・適切な公共工事の実施
・担い手の確保
・品確法の的確な運用
・生産性向上 等 |
令和5年1月24日 |
第3回フォローアップ会議 |
3月15日 |
第4回フォローアップ会議 |
<意見交換の取組成果>
令和4年度の意見交換を踏まえ、令和5年度には、直轄土木工事の中で以下について取り組んでまいります。
1.適切な公共工事の実施
〇 入札情報の提供
→ 令和4年度には、「公告予定月」や「一括審査方式」対象について、入札情報サービス(PPI)に記載する雛形を作成。
→ 令和5年度には、各地方整備局において「公告予定月」の記載を順次開始するとともに、東北地方整備局等では「一括審査方式」対象についても記載予定。【別紙1】
〇 余裕期間制度(フレックス方式)の活用促進
→ 令和4年度には、全国約100件の工事において、余裕期間制度(フレックス方式)を試行。試行工事について、アンケート調査を行った上で、運用ルールを改善するとともに、仕様書等に記載する内容の雛形を作成。
→ 令和5年度には、引き続き余裕期間制度(フレックス方式)の試行を行うとともに、中部地方整備局において、新たな運用ルール等に基づく余裕期間制度を試行予定。【別紙2】
2. 担い手の確保
〇 技術者の処遇改善(建設キャリアアップシステム<CCUS>の普及等)
→ 令和4年度には、CCUSブロック別連絡会議(各地方整備局建政部等主催)を全国8地区で開催。
令和5年度には、同会議を通じ、企業評価未導入の1都7県に対して、個別に引き続き働きかけを行う予定。【別紙3】
→ 令和4年度には、WTO工事だけでなく、業界サイドの理解が得られた都道府県内や工種においても、モデル工事を推進。
〇
週休2日の実現(時間外労働時間の上限規制への対応)
→ 令和4年度には、九州地方整備局及び四国地方整備局において、受注者の希望に応じて、週休2日の取組内容(現場閉所・交替制モデル)が選択できる試行工事を104件実施。
→ 令和5年度には、九州地方整備局及び四国地方整備局において、受注者の希望に応じて、現場閉所での週休2日が困難となった場合に工期の一部を交替制に途中変更する工事を新たに試行予定。【別紙4】
3.品確法の的確な運用
〇 資材等価格高騰への対応
→ 令和4年度には、資材等価格高騰を踏まえ、スライド条項に関する質問への回答をまとめたFAQの作成や単品スライド条項の運用ルールの改正を行うとともに、業界団体や地方公共団体への説明会を実施。【別紙5】
→ 令和5年度には、引き続き資材等価格の変動状況を注視しつつ、地方整備局等における適切なスライド条項の運用を実施。
4.生産性の向上
〇 施工の効率化(プレキャスト工法)
→ 令和4年度には、VFM(Value For Money)を取り入れた評価手法をとりまとめ、直轄土木工事5現場の設計業務において当該評価手法に基づく工法選定を検証。
→ 令和5年度には、VFMを取り入れた評価の考え方を確立すべく、直轄土木工事で活用するための要領案を策定予定【別紙6】
〇 遠隔臨場の活用促進
→ 令和4年度には、遠隔臨場の本格運用に伴う課題等を踏まえ、遠隔臨場の実施要領(案)を改定するとともに、「建設現場における遠隔臨場の取組事例集」第二版を作成。【別紙7】
→ 令和5年度には、各地方整備局において当該実施要領(案)や事例集の活用を促進しつつ、地方自治体等に当該要領等の活用を働きかける予定。
〇 新技術とDXの現場実装
→ 令和4年度には、四国地方整備局と日建連企業が連携し、最新技術導入に向けた地元建設企業の現場での協力支援を実施。【別紙8】
支援を行った工事現場において、地元建設企業(34社)を対象に、現場見学会を開催するとともに、現場周辺の小学生と保護者を対象に「建設DX参観日」を開催。【別紙9】
→ 令和5年度には、引き続き日建連企業の協力支援を得て地元建設企業が活用した5技術の効果を検証するとともに、そのほかの最新技術も含めて普及促進を行う。また、その他の地域においても、このモデル工事を拡大した上で現場見学会を開催予定。