令和7年10月10日
9月23日(火)から10月3日(金)にかけて、第42回国際民間航空機関(ICAO) 総会がICAO本部(カナダ・モントリオール)で開催され、ICAOの次期活動方針等が 承認されたほか、理事国選挙において引き続き我が国が理事国として選出されまし た。 中野国土交通大臣は、9月23 日(火)から24 日(水)にかけて、日本の首席代表 として代表演説を実施するとともに、本年11月に予定されている理事会議長選挙に 我が国から立候補している大沼俊之ICAO特命全権大使の当選に向けて、各国代表に 働きかけを行いました。 また、9月25日(木)からは、米国において、空飛ぶクルマと自動運転技術の視 察を実施しました。 |
1. 第42回国際民間航空機関(ICAO)総会の開催結果について
1.中野国土交通大臣の代表演説について
中野国土交通大臣が代表演説を行い、航空安全・ 保安、航空管制、環境、人材育成、
技術支援等の各分野における日本の取組やICAOへの貢献を加盟国にアピールしました。
2.ICAOの次期3か年の活動方針・計画等について
航空安全、航空管制などの分野における取組の継続的な実施や深化を図るため、ICAOが策定している、
[1]「世界航空安全計画(GASP)」及び[2]「世界航空交通計画(GANP)」について、次期計画が承認されました。
[1] 航空機事故等を減らすため、各締約国に航空安全プログラム(SSP)の確立及び実施状況の評価を求めることや
新たな運航リスクの追加などの内容を含む2026-2028版の「世界航空安全計画(GASP)」が承認されました。
[2] 増大を続ける航空交通量や気候変動対策に適切に対応し、航空交通サービスを安定的に提供するため、
革新性や効率性の追求やレジリエンスの向上を重視しつつ、新たな形態の空の交通手段への対応や
AI技術の活用も盛り込んだ「世界航空交通計画(GANP)第8版」が承認されました。
また、航空保安においては、世界的なテロ等の航空に対する脅威への対応や航空保安の強化を推進するため、
2030年の目標として更新された「世界航空保安計画(GASeP)第2版」に基づき、各締約国が目標達成に向けた
取組を奨励することを改めて決議しました。
加えて、今般の総会では、人材育成・確保に係る議題も扱われ、我が国では航空需要の更なる増加に対応するため、
特に航空整備士やパイロット、空港業務従事者、航空保安検査員、航空管制官などの人材の確保・育成に積極的に
取り組んでいることを説明し、こうした取組の共有の必要性について各国から多くの支持を得ました。
3.理事国選挙について
日本は1956年以降、連続して理事国に選出されていますが、今回の選挙においても第1パート(※)に
立候補し、引き続き選出されました。(得票数は、第1パート10か国中第2位)
(※)選挙は、第1パート(航空運送において最も重要な国)、第2パート(国際民間航空のための
施設の設置に最大の貢献を行う国)、第3パート(その国を指名すれば世界の全ての主要な地理的地域が
理事会に代表されることになる国)に分けて実施。
4.中野大臣と各国との二国間会談
中野大臣は、ICAO総会に合わせてモントリオールを訪問した以下の要人と二国間会談を実施し、
本年11月に予定されている理事会議長選挙において、我が国から立候補している大沼俊之ICAO特命全権大使の
当選に向けて各国代表に働きかけを行ったほか、交通分野における新たな技術等について意見交換を行い、
建設的な協力関係を深めていくことを確認いたしました。ICAO理事会議長・事務局長とも、ICAOとの
継続的な協力関係を確認いたしました。
(1)欧州委員会 アポストロス・ツィツィコスタス 欧州委員(持続可能な運輸・観光担当)
(2)英国 キア・マザー 航空・海事・脱炭素及び電気自動車・貨物・国境並びに安全保障担当大臣
(3)カナダ スティーブン・マッキノン 運輸大臣・下院院内総務
(4)米国 ショーン・ダフィー 運輸長官
(5)米国 ブライアン・ベッドフォード 連邦航空局長官
(6)ICAO サルバトーレ・シャキターノ 理事会議長
フアン・カルロス・サラサール 事務局長
(7)インド キンジャルプ・ラムモハン・ナイドゥ 航空大臣
(8)エクアドル エステバン・クレスポ・ポロ 駐カナダ大使(ICAO代表)
(9)サウジアラビア サレ・アル・ジャッセル 交通物流大臣
(10)ドイツ ヴィルヘルム・エシュバイラー 航空局長
(11)ナイジェリア フェスタス・ケヤモ 航空宇宙開発大臣
(12)赤道ギニア ノルベルト・バルトロメ・モンスイ・アネ・アンデメ 民間航空・空港インフラ大臣
5. JAPAN レセプションの開催について
9月24 日(水)夜には、日本主催により、JAPAN レセプションを開催し、中野大臣は、
レセプションを通じて多くの国の代表にICAO の枠組みにおける我が国との協力関係への感謝をお伝えしました。
会場内では、鏡開き、和太鼓パフォーマンス、大沼大使によるチェロでの国歌演奏といったプログラムを
実施するほか、寿司職人による実演提供、日本酒の試飲、着付け体験に関する特設コーナーを設けるなど、
日本文化の紹介を通じて我が国と各国との交流促進を図りました。また、全日本空輸・日本航空には
企業ブースを出展いただき、環境や安全等に関する本邦航空会社としての取り組みについてPR を行いました。
2.米国における空飛ぶクルマ、自動運転の視察結果について
空飛ぶクルマについては、開発が進む機体メーカーを訪問し、我が国での社会実装に向けて
意見交換を行うとともに、製造現場の視察を行いました。
また、自動運転技術の開発・実用化に取り組んでいる事業者を訪問し、我が国における自動運転の
社会実装の拡大に向けて、自動運転車の試乗、自動運転施設の視察及び意見交換により、
自動運転技術への理解を深めました。
PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。