令和3年6月18日

国産SAFを使用した本邦航空会社によるフライトを実施しました
 

航空分野の気候変動対策の観点から、CO2削減効果のあるSAF（Sustainable Aviation Fuel：持続可能な航空燃料）の活用が見込まれています。     今般、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）によるSAFの製造技術に係る研究開発の一環として、本事業で製造した国産のSAFを従来のジェット燃料に混合して、令和３年６月17日のANA及びJALの定期便でのフライトを実施しました。     今後とも、関係者、関係省庁一体となって、SAFの製造技術の確立やその後の普及促進等の課題に取り組んでまいります。

 

１. 背景
・ 経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）では、「バイオジェット燃料生産技術開発事業」によりSAFの技術開発に取り組んでおり、令和2年　　
　度における技術開発の成果として、三菱パワー株式会社、株式会社JERA、東洋エンジニアリング株式会社及び株式会社IHIがSAFを製造しました。
・ そのSAFを、従来のジェット燃料に混合し、全日本空輸株式会社（ANA）及び日本航空株式会社（JAL）が、令和３年６月17日に定期便によるフライトを実施しました。
・ 今回のプロジェクトは、経済産業省資源エネルギー庁及び国土交通省航空局が、将来的なSAFの導入に向けたサプライチェーンの確立、普及促進を見据え、SAFの製造者・利用者　　
　が一体となった取組を実施すべく、関係事業者と連携して企画を行ってきたものです。

２. フライトの概要
（１）  日　　　時 　　令和３年６月17日（木）
　　　　　　　　　　　　JAL JL515羽田発札幌行12:30発
　　　　　　　　　　　　ANA NH031羽田発伊丹行15:00発
（２）  場　　　所　　 東京国際空港（羽田空港、東京都大田区）

（３）

使用するSAF（※1）

航空会社	製造者	原料	燃料量（※2）
JAL （羽田発札幌行の便では、約8.7klの燃料を使用）	IHI	藻類	SAF：938ℓ（11％） うち、ニートSAF：1ℓ（0.01％）
	三菱パワー、JERA、 東洋エンジニアリング	木質バイオマス	SAF：2,195ℓ（25％） うち、ニートSAF：283ℓ（3％）
ANA （羽田発伊丹行の便では、約5.0klの燃料を使用）	IHI	藻類	SAF：988ℓ（20％） うち、ニートSAF：38ℓ（0.8％）

※1　SAFは、ニートSAFと混合用の化石由来のジェット燃料を混合したものを指す。
　　　ニートSAFは、バイオマス原料等を基に製造されたジェット燃料であり、化石由来のジェット燃料に一定割合を混合した上で、航空機に搭載する必要がある。ニートSAFは、原料及　　
　 び製造方法により、化石由来のジェット燃料と混合することが可能な量の上限が定められており、藻類（Annex7）は10%まで、木質バイオマス（Annex1）は50%まで混合することが可　
　 能。
　　　製造されたSAFは、いずれもSAFの国際規格である「ASTM D7566及びD1655」への適合を確認。
※2  カッコ内の割合（％）は、使用した燃料全体のうち、SAF及びニートSAFが占める割合を示したもの。
 
  

（ご参考：各社プレスリリースURL）
 三菱パワー株式会社：https://power.mhi.com/jp/news
 東洋エンジニアリング株式会社：https://www.toyo-eng.com/jp/ja/company/news/
 株式会社IHI：https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/
 ANA：https://www.anahd.co.jp/group/pr/202106/20210618.html
 JAL：https://press.jal.co.jp/ja/release/202106/006098.html
 NEDO：https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101442.html