報道・広報

個人操縦士に対する不利益処分について

令和元年6月18日

 平成30年9月16日に大分空港における胴体着陸事案を発生させた個人操縦士について、当該飛行を含め、航空身体検査証明の有効期間及び特定操縦技能審査の操縦等可能期間を超過して運航していた事実が判明したことから、本日付で当該操縦士に対し、航空法に基づく不利益処分(航空業務停止60日及び操縦技能審査員の取消し)を行いました。

1.事案の概要

 平成30年9月16日、北九州空港を離陸した個人操縦士の運航する小型航空機(ムーニー式M20K型)が大分空港に着陸する際に脚下げ操作を失念したことにより胴体着陸となり、損傷した機体を滑走路から撤去するまでの間、同滑走路が閉鎖された。
 本事案発生後の調査で、当該操縦士の航空身体検査証明の有効期間及び特定操縦技能審査の操縦等可能期間のいずれも超過した状態で当該飛行を行っていたことが判明した。更に調査を進めた結果、当該操縦士は、当該飛行を含め、航空身体検査証明の有効期間を超過した状態での飛行を断続的に計88回、特定操縦技能審査の操縦等可能期間を超過した状態での飛行を断続的に計36回実施したことが確認された。当該操縦士は、これらの違反行為があったことを事後的に把握していたにもかかわらず、その事実を報告せず、有効な対策をとらないまま、長期間にわたって同様な事案を繰り返し行っていた。なお、少なくとも平成28年8月14日の飛行については、特定操縦技能審査の操縦等可能期間を超過した状態であることを認識しながら行ったものと認められた。
 これらは、航空法第28条第1項及び同法第71条の3第1項の規定に違反する行為である。
 また、当該操縦士は、自らが特定操縦技能の審査を行う操縦技能審査員であったが、これらの法違反の事実を報告することなく、平成29年1月10日に審査員の認定を再取得していた。

2.国土交通省航空局による対応

 航空身体検査証明の有効期間及び特定操縦技能審査の操縦等可能期間を超過した状態で長期間にわたって飛行を繰り返した行為は、航空従事者に対する不利益処分の対象となる航空法第30条第1号に規定する航空法に違反する行為に該当するとともに、法令遵守及び安全優先の意識が大きく欠落した非常に悪質な行為であった。
  また、法違反の事実を報告することなく、操縦技能審査員の認定を再取得した当該操縦士の行為は極めて不適切であり、操縦士の航空法令や安全確保を含めた知識及び技能を定期的に審査する操縦技能審査員として、航空法施行規則第162条の7第5号に定める必要な能力を有しているとは認められず、操縦技能審査員としての適格を著しく欠く。
  以上のことから、当該操縦士に対し、以下の措置を行った。

(1)航空法第30条の規定に基づく航空業務停止60日間
(2)航空法第71条の3第4項の規定に基づく操縦技能審査員の認定の取り消し

国土交通省としては、引き続き航空安全講習会などの機会を通じて自家用操縦士等に対し法令遵守・安全優先の意識を徹底するとともに、「小型航空機等の安全推進委員会」において有識者や関係団体等からの意見を踏まえながら更なる安全対策を調査・検討することにより、小型航空機等の安全確保を図ってまいります。

添付資料

個人操縦士に対する不利益処分について(PDF形式:570 KBKB)PDF形式

お問い合わせ先

2.(1)については、航空局安全部運航安全課 小西、奈良
TEL:(03)5253-8111 (内線50104、50312) 直通 03-5253-8737 FAX:03-5253-1661
2.(2)については、大阪航空局保安部運用課 森下、和田
TEL:   直通 06-6949-6591 FAX:06-6920-4041

Get ADOBE READER

別ウィンドウで開きます

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
左のアイコンをクリックしてAdobe Acrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご覧ください。

ページの先頭に戻る