平成20年8月1日
米国国土安全保障省(DHS)において開発が進められている海上貨物追跡タグシステム(Marine Asset Tag Tracking System : MATTS)について、サプライチェーンにおける実用性検証のため、日本-米国間の海上コンテナ貨物の輸送について本年度の実証実験を開始しました。
MATTSはDHSの総合的な貨物安全戦略の一部として開発中の地球規模の通信および追跡を遠隔操作により可能にするデバイスです。MATTSはサプライチェーン上の多数のポイントから、無線LAN、携帯通信網、衛星無線網など複数の通信プロトコルを用いてコンテナの状況や位置をリアルタイムで送信することにより、総合的な輸送におけるその他のニーズにも応用することが可能です。
本実験は、日米科学技術協力協定における日米安全安心科学技術協力イニシアティブのもと、DHSの要請に基づき国土交通省港湾局が支援して実施しているものであり、昨年は基礎的な輸送実証実験を横浜港発で行っています。
今年の実験では、サプライチェーンへの適用をより重視し、日本国内の工場から米国内陸部の工場までDoor to Doorの追跡実験を行うほか、荷主、フォワーダー、荷受人企業に参加いただき、SCMとしての有効性の確認を行うこととしています。
MATTS実験概要
1.実験概要
MATTS通信機器を取り付けたコンテナを日本国内の工場から米国内の工場まで輸送、サプライチェーン上での貨物ロケーションを追跡する。
2.実施場所 ※今後さらに追加予定
[1]日産自動車本牧専用埠頭⇒横浜港APLターミナル⇒米国ロサンゼルス港APLターミナル⇒北米日産会社デカード工場(テネシー州)
[2]関東地区キャノン物流センター⇒東京港NYKターミナル⇒米国ロサンゼルス港NYKターミナル⇒米国西岸/東岸 キャノン物流センター
[3]トピー工業株式会社綾瀬製造所⇒横浜港Maerskターミナル⇒米国ロサンゼルス港Maerskターミナル⇒トピー アメリカ, INC.(イリノイ州)
3.実験参加者 ※今後さらに参画いただく予定
国土交通省港湾局、横浜港運協会、双日株式会社、米国国土安全保障省、iControl Incorporated、日産自動車株式会社、株式会社バンテック、American President Lines, Ltd. 、キャノン株式会社、株式会社MTI、日本郵船株式会社、トピー工業株式会社、三菱倉庫株式会社、Maersk Line
4.実験期間
7月26日のシップメント(横浜港APLターミナル)から順次開始し、本年末頃終了予定
※この発表は双日株式会社、株式会社MTI、日本郵船株式会社、三菱倉庫株式会社と同時発表を行っております。
参考資料(PDF形式:588KB)