平成28年9月14日
9月6日(火)~9日(金)にわたり、マレーシア・クアラルンプールで開催された第43回APEC交通ワーキンググループに合わせ、港湾・海事専門家会合(以下、MEG会合)が開催されました。
同会合では、議長国である日本のイニシアティブのもと、参加国・地域(以下、エコノミー)から、北極海航路の利用やパナマ運河拡張等の激変する国際海運の変化・影響、災害等に対するサプライチェーンの事業継続性などについて、日本を含め、米国、中国、ロシア、台湾、マレーシア、パプアニューギニア、各エコノミーから発表が行われ情報共有が図られるとともに、今後の課題について、議論がされました。
同会合において、日本からは、クルーズ振興の促進、港湾の災害時の機能維持の重要性、危険物の海上輸送における安全確保やLNGバンカリングの最新動向等を紹介しました。
今後も、MEG会合において、国際海運動向の課題を整理し、各エコノミーの港湾・海事関係の政策に貢献していくとともに、APECの枠組みにおいて、上記のような課題に対応したキャパシティビルディング等に関する連携プログラムを実施していく予定です。
(APEC交通ワーキンググループ 港湾・海事専門家会合とは)
APEC交通ワーキンググループは、域内の運輸交通の自由化・効率化を進め、安全で保安性の高い交通の実現を目的として、活動を行っています。2005年に同ワーキンググループ内に設立された港湾・海事専門家会合(以下、MEG会合)は、設立以来、我が国が議長国(現議長:国総研 安部室長)及び事務局を務めており、年2回の会合開催を通じて、域内の連結性強化・クルーズ振興の促進、港湾・海事分野での環境負荷軽減策、キャパシティビルディング(能力開発)の取り組み等を推進しています。
≪第43回APEC交通ワーキング MEG会合 開催概要 ≫
(1)日程:平成28年9月6日(火)~9月9日(金)
(2)会場:マレーシア・クアラルンプール
ロイヤルチュランホテル内会議場
(3)出席者:12の国・地域*等から合計38名が参加。
*参加国・地域:中国、中国香港、日本、韓国、マレーシア、パプアニューギニア、
ロシア、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、タイ、アメリカ、ベトナム
国際機関:国際海事機関(IMO)
(日本側出席者)
港湾局 産業港湾課 赤城国際調整官 他
海事局 外航課 古田外航海運事業調整官 他
国土技術政策総合研究所港湾研究部 港湾計画研究室 安部室長
(4) 主な成果
[1] APEC域内の連結性強化のための国際海運状況の変化と影響の報告
激変する国際海運状況の変化について、各エコノミーから多くの発表がされました。
ロシアから北極海航路や極東港湾の開発について、米国と中国からは自国の海運政策の分析と紹介等が行われました。
また、日本からは、港湾における防災・減災対策の推進の重要性について説明するとともに、域内でのクルーズ市場の拡大を踏まえ、
クルーズ振興のための域内での情報共有プログラムの進捗状況を報告しました。
今後、これらの観点について、MEGで整理を行い、域内の連結性強化に向けた港湾・海事分野での活動の基盤としていく予定です。
[2] 環境負荷軽減や海上交通の安全確保に向けた取り組み状況の報告
APECの枠組みでの港湾における環境対策の状況について報告がなされました。
日本からは、海上交通における危険物輸送の安全確保について、理解促進や意識啓蒙のためのWSの開催を提案し、
実施に向けて作業を進めることが確認されました。
加えて、LNGバンカリングの実施にむけた日本での取り組み状況について、情報共有し、今後も引き続き、
LNG燃料船の動向等について、情報共有を進めていくことを確認しました。
[3] 今後のキャパシティビルディングの方向性に関する確認
港湾における環境対策の実施強化、港湾の計画・運営能力の強化、APEC域内における船員間でのコミュニケーション能力向上等に
ついて、APECの枠組みでの今後のキャパシティビルディングの方向性について確認されました。
港湾・海事専門家会合(MEG会合)の様子
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