報道・広報

津波・高潮災害を対象にハード・ソフト両面から検討中の「港湾防災ガイドライン(案)」について、今次会合で概ね合意
~「第14回日ASEAN港湾技術者会合」及び「港湾防災セミナー」の開催結果~

平成29年3月3日

 国土交通省港湾局は、カンボジア王国公共事業・運輸省と協力し、2月23日及び24日の2日間にわたり、カンボジア・プノンペンにおいて、「第14回日ASEAN港湾技術者会合」及び「港湾防災セミナー」を開催しました。
 日ASEAN港湾技術者会合は、日ASEAN交通連携の枠組みのもと、ASEAN各国の港湾技術の発展を目的として2004年から毎年開催しています。2014年度から3カ年で、ASEAN諸国を対象とした津波・高潮災害を対象にした港湾防災ガイドラインの作成に関する議論を行っています。本年度は3カ年の最終年度の会合にあたり、ハード・ソフト両面から検討中の「港湾防災ガイドライン(案)」について、ASEAN各国の防災担当者間で災害発生時の情報伝達や避難対策等主にソフト施策を中心に意見交換を行い、「港湾防災ガイドライン(案)」の内容に関し、概ね合意しました。
 また、会合に先立って開催された「港湾防災セミナー」では、セミナー参加者からの活発な質疑を通じて、我が国の港湾防災等に対する高い関心が寄せられました。

第14回 日ASEAN港湾技術者会合
1.日時:平成29年2月24日(金)
2.議題:(1)ASEAN諸国における沿岸災害と港湾防災の取組みについて
(2)我が国の港湾における津波・高潮防災技術について
(3)港湾防災ガイドライン案について
3.参加者:ブルネイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、ASEAN事務局各1名、日本5名 (計14名)
4.主な成果
・ASEAN各国の防災担当者より、各国の沿岸災害と港湾における防災の取組みについて報告がなされ、各国の防災担当者間で港湾防災の重要性に関する認識が深まった。
・我が国の港湾における津波・高潮防災技術に関し、参加者から高い期待が寄せられた。
・検討中の「港湾防災ガイドライン(案)」について、災害発生時の情報伝達や避難対策等のソフト施策を中心に意見交換を行うとともに各国の状況を踏まえた議論を行い、内容について概ね合意しました。今後、必要な微修正を加えた後にガイドライン案を完成させ、日ASEAN交通大臣会合にて承認される予定です。

       
                   会合の様子                 2013年の台風「ハイエン」時
                              の高潮災害を説明するフィリピン担当者

港湾防災セミナー
1.日時:平成29年2月23日(木)
2.内容:(1)「シハヌークビル港における災害マネジメント」
        シハヌークビル港湾公社港長 トン・ビロ氏
       (2)「プノンペン港湾公社における災害対策」
        プノンペン港湾公社海洋利用部長 ジム・チューン氏
       (3)「我が国における港湾災害への対策」
                  京都大学防災研究所准教授 熊谷兼太郎氏
               (4)「釜石港における港湾災害の対策と経験」
                  岩手県釜石市役所 危機管理監 佐々木亨氏
3.参加者:港湾技術者会合参加メンバー及びカンボジア港湾関係者等(40名程度)
4.主な結果
以下のプレゼンテーションの後に参加者間で意見交換が行われ、同様の自然災害リスクを抱えるASEAN各国からの参加者から高い関心が寄せられた。
・トン・ビロ氏から、シハヌークビル港の概要や災害マネジメントについて話題提供がなされた。
・ジム・チューン氏から、プノンペン港の概況や河川港である同港における増水時の災害対策について情報提供がなされた。
・熊谷氏から、津波避難シミュレーションとその避難対策への運用方法などに関する情報提供がなされた。
・佐々木氏から、東日本大震災における釜石港における災害の実情や教訓及び防災意識の啓発の重要性と方法について情報提供がなされた。

          
               セミナーの様子[1]                     セミナーの様子[2]
                                 (釜石市役所 佐々木危機管理監)

お問い合わせ先

国土交通省港湾局産業港湾課国際調整官 赤城
TEL:(03)5253-8111 (内線46462)
国土交通省港湾局産業港湾課国際企画室係長 野上
TEL:(03)5253-8111 (内線46468)

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