報道・広報

コンテナクレーンの逸走防止対策の強化について

平成24年8月23日

 国土交通省港湾局では、強風を原因とするコンテナクレーンの逸走防止対策を強化するため、「コンテナクレーンの逸走防止のためのモデル運用規程」を策定しました。
 コンテナクレーンの逸走事故が発生した場合、港湾関係者の安全を脅かすだけでなく、長期間にわたり物流や経済に重大な影響をもたらすことが懸念されます。本モデル運用規程を参考に、各コンテナターミナルの地理的条件、気象特性、コンテナクレーンの機能等を十分に考慮した上で、コンテナクレーンの運用規程の整備・見直しを行うことにより、風による逸走防止対策がより強化されることが期待されます。
 平成22年1月の御前崎港におけるコンテナクレーン逸走事故を受けて、国土交通省港湾局では、平成22年3月から5月にかけて「ガントリークレーンの風による逸走対策を検討するための有識者懇談会」を開催するなど、コンテナクレーンの逸走防止対策について検討を行ってきました。
 これら検討の中で、これまでの主要な逸走事故を分析した結果、コンテナクレーンの運用管理に用いる風速の考え方と安全対策の周知、作業中止等を判断する責任者の明確化、走行ブレーキやレールクランプなど逸走防止に使われる装置の機能維持、荷役関係者の逸走防止対策についての知識の向上、逸走防止に係る技術開発の促進等が課題であることがわかりました。
 このため、平成22年9月には、コンテナクレーンを含む荷役機械の逸走防止に対する性能や措置等について、「港湾の施設の技術上の基準を定める省令」及び関連する告示の一部改正を行いました。
 本モデル運用規程は、省令及び告示で定めた逸走防止対策の運用の考え方を示したもので、コンテナクレーンの設置者等が実施する運用規程の整備・見直しを行う際のモデルとなるものです。策定にあたっては、会議等による港湾関係者の意見を踏まえ、管理基準となる風速の設定や管理基準に達した場合の措置、作業等の責任者の設定、逸走防止のための装置の維持管理、研修の実施等の具体的な考え方をまとめています。
 今後も、運用規程の整備・見直し状況について適時フォローアップを行うとともに、すでに開発を行った風向・風速情報の運営・管理システムの表示器のタブレット化などの技術開発を促進していく予定です。
 あわせて、平成22年9月に一部改正した上記の技術基準省令及び関連する告示について、条文の考え方や性能照査の方法等についての解説を作成しました。これにより、荷役機械の耐震性能の照査方法や逸走防止に必要な機能等がより明確となり、荷役機械の安全性向上が期待されます。
港湾の施設の技術上の基準・同解説の改訂はこちら
http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk5_000017.html

お問い合わせ先

国土交通省港湾局技術企画課技術監理室 原田、藤井
TEL:03-5253-8111 (内線46632、46634) 直通 03-5253-8681 FAX:03-5253-1652

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