令和4年9月2日

「ヒトを支援するAI ターミナル」の実現に向けた取組の一環として、熟練技能者が有する経験や勘などに基づくガントリークレーン操作の知識（いわゆる“暗黙知”）を明確化し、「ガントリークレーン熟成技能者育成に向けた手引き」を策定しました。また、実機に近い環境を再現し効果的なトレーニングが行えるVR(※1)シミュレータ及び、MR(※2)デバイス等による視界内への操作支援情報表示システムの有効性を確認しました。 　これらの成果により、熟練技能者が有する暗黙知を効率的に若手技能者に継承することが可能となり、ガントリークレーン操作者の早期育成への貢献が期待されます。

※1　Virtual Realityの略。CGで作られた世界や360度動画等の実写映像を「あたかもその場所に居るかのような没入感」で味わうことができる技術。
※2　Mixed Realityの略。仮想世界と現実世界の情報を組み合わせて両者を融合させる技術。

　ガントリークレーンはその操作が難しく、熟練技能者になるまでに長期間が必要である一方で、熟練技能者については高齢化が進んでおり、新たな熟練技能者の育成が喫緊の課題となっています。

　そこで港湾局では、「ヒトを支援するAI ターミナル」の実現に向けた取組の一環として、令和元年度以降、ガントリークレーン操作者の早期育成に向けた取組を実施し、熟練技能者が有する暗黙知を明確化しました。この明確化された暗黙知を踏まえて、安全性の確保を前提とした技能習得の手引き「ガントリークレーン熟練技能者育成に向けた手引き」を策定しました。また、実機に近い環境を再現し効果的なトレーニングが行えるVRシミュレータ及び、MRデバイス等による視界内への操作支援情報表示システムの有効性を確認しました。

　これらの成果により、熟練技能者が有する暗黙知を効率的に若手技能者に継承することが可能となり、ガントリークレーン操作者の早期育成への貢献が期待されます。