令和5年5月12日
経済産業省及び国土交通省は、令和4年度に実施した調査結果等を踏まえ、再エネ海域利用法に基づく促進区域の指定に向けた「有望な区域」として、新たに北海道の5区域を追加しました。今回の追加により、「有望な区域」は10区域となりました。 |
1.促進区域と有望な区域等の概要
「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(以下、「再エネ海域利用法」という。)に基づく海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域(以下、「促進区域」という。)について、同法第8条で定められた基準に適合する場合には、経済産業大臣及び国土交通大臣は指定することができることとされています。
その前段階において、「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン」(以下、「区域指定ガイドライン」という。)では、各地域における促進区域指定のニーズに関する情報等を収集したうえで、早期に促進区域に指定できる見込みがあり、より具体的な検討を進めるべき区域を「有望な区域」としています。
さらに、都道府県が再エネ海域利用法に基づく協議会の設置を希望し、利害関係者との調整に着手している等、将来的に有望な区域となり得ることが期待される区域を「一定の準備段階に進んでいる区域」(以下、「準備区域」という。)としています。準備区域は、利害関係者の特定及び調整や系統確保について一定程度の見通しがつく等の条件が整った場合、有望な区域として整理されることが見込まれます。
2.北海道における準備区域の5区域について
(1)背景
北海道では系統の規模が小さく、出力変動に対応するための調整力の観点など系統に関する課題があるため、事業者が系統確保を行う従前の方法によらない対応が必要とされていました。
そこで、令和3年7月の区域指定ガイドラインの改訂により導入された、国が対象区域の適切な出力規模を定め、必要な系統容量をあらかじめ暫定的に確保する「系統確保スキーム」の適用を前提に、北海道における準備区域の5区域(石狩市沖、岩宇・南後志地区沖、島牧沖、檜山沖、松前沖)を対象に、令和4年度、必要な出力規模や系統接続の蓋然性の確認等を行うための調査を実施しました。
(2)調査結果
各区域で想定される発電出力規模を算定するとともに、その内容が既存系統に接続可能かについて検討した結果、いずれの区域も出力変動等に起因する電圧対策等の実施を条件に、ノンファーム型接続による連系が可能である旨を確認しました。また、将来、国が発電事業者の公募を実施する際は、事業者が確保した系統接続契約を活用するのではなく、対象区域における系統接続の前提条件として、発電出力規模や技術的要件といった情報を国が整理することとします。
3.調査結果を踏まえた有望な区域の整理について
2.の調査結果に加えて、その他区域指定ガイドラインに示された要件との適合性について確認を行うとともに、外部の有識者で構成される第三者委員会の意見を踏まえ、今般、経産産業省と国土交通省は北海道の5区域について、新たに有望な区域として追加しました。これにより、現在の有望な区域は以下の10区域となります。
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北海道石狩市沖
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北海道岩宇・南後志地区沖
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北海道島牧沖
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北海道檜山沖
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北海道松前沖
・ 青森県沖日本海(北側)
・ 青森県沖日本海(南側)
・ 山形県遊佐町沖
・ 千葉県九十九里沖
・ 千葉県いすみ市沖
注:今回の区域の整理は、上記の調査事業の結果を踏まえて先行して実施するものであり、都道府県に対する5月10日締切りの情報提供依頼の内容に基づく区域の整理については、例年同様に今夏を目途に別途実施します。なお、本プレスリリースにおける各区域の名称は、都道府県から情報提供を受けた際に、都道府県から提示されたものを基に記載しています。