平成27年10月7日
○ 平成27年9月11日に記者発表させて頂いたとおり、京都府内の国道24号勧進
橋の落橋防止装置等の溶け込み溶接部において不良が確認されたことを踏ま
え、以下の調査等を実施してきているところです。これらの進捗状況についてお知
らせ致します。
○ なお、落橋防止装置とは、想定を越えるような大きな地震動により、これらの地震
にもある程度耐えるよう設計されている支承などが万一破壊した場合でも、上部
構造が落下するような致命的な状態とならないためにフェールセーフとして設置し
ているものであり、仮に溶接不良となる製品が用いられていた場合でも日常の通
行に支障はありません。
【久富産業(株)が製作した製品に関して】
国土交通省及び高速道路会社が管理する橋梁
○ 過去5年間の耐震補強・補修工事の中で久富産業(株)の製品を使用していること
が判明した合計92橋について、工事受注会社により、溶け込み溶接部の健全性
の検査を行ってまいりました。その結果、72橋について、勧進橋と同様の不正行
為が行われたものと推察される不良品が発見されました。(別紙1参照)
不良と判明した部材については、速やかに補修を行うよう、所定の手続きを順次進
めております。
なお、最初に不良が発見された国道24号勧進橋については、来年2月までに補修
を完了する予定です。
○ 過去6年以上前の工事での久富産業(株)の製品についても、工事受注会社によ
り、溶け込み溶接部の健全性の検査を一部の橋梁で行ってきたところですが、同
様の不正行為が行われたものと推察される不良品が現時点において26橋で発見
されました。(別紙2参照)
このため、今後は、5年以内にかかわらず、久富産業(株)の溶け込み溶接製品全
てについて検査を実施してまいります。
現在、工事受注会社からの情報を基に、その橋梁の特定作業を進めております
が、10月2日時点で国土交通省管理114橋、高速道路会社管理8橋の合計122
橋(速報値)で使用されていることが判明しております。(別紙2参照)
今後、過去5年間の製品と同様に、検査を進め、不良と判明した部材については速
やかに補修を行うよう所定の手続きを進めてまいります。
地方公共団体等が管理する橋梁等
○ 地方公共団体及びその他関係機関においても、過去5年間の工事で久富産業
(株)の製品が使用されている橋梁の特定作業が進められています。10月2日時
点において、56団体の199橋において久富産業(株)の製品が使用されているこ
とが判明したとの報告を受けており、今後は順次溶け込み溶接部の健全性の検
査及び不良部材の補修等が行われる予定と聞いております。(別紙3参照)
○ また、6年以上前の製品についても、それが使用されている橋梁の特定に向け、
久富産業(株)及び(株)北陸溶接検査事務所から追加提出のあった過去に携わ
った工事に関する資料を10月6日に情報提供したところです。
【久富産業(株)以外が製作した製品に関して】
○ 久富産業(株)以外が製作した製品について同様の不良品が無いかを確認するた
め、国土交通省が過去に発注した耐震補強・橋梁補修に関する工事の受注会社
に対し、同社の品質管理体制、溶接部材の品質保証(不適切な行為の有無)等に
ついて、製品の製作会社、検査会社への確認等を含めた自社調査を実施するよう
求めております。
○ 併せて、久富産業(株)以外が製作した製品についても、工事受注会社により、溶
け込み溶接部の健全性の検査を一部の橋梁にて実施しており、10月2日時点
で、9橋について検査を完了しております。このうち、国道1号久能高架橋におい
て不良品が確認され、現在、その発生原因等について、工事受注会社が関係者
へのヒアリング等を進めているところです。(本件に関しては、別途、本日付けで中
部地方整備局より記者発表を行っています。)
○ 以上の取り組みにより、10月末までを目途に、溶け込み溶接において不適切な
行為により落橋防止装置等を製作している会社の特定を進めてまいります。
【原因究明と再発防止に向けて】
○ 併せて、原因究明及び再発防止策等を検討するため、10月13日(火)に有識者
委員会を設置することとしました。有識者委員会の具体的なスケジュール等につ
いては、今後改めて公表させていただく予定です。
【参考 配布資料等】
・ 落橋防止装置等の溶接不良に関する有識者委員会(第1回)
記者発表資料(PDF形式)
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