平成24年5月4日
国際交通大臣会議(ITF)第5回大臣会合が、下記のとおり開催されましたので、結果をお知らせいたします。
ITFは、毎年1回、加盟53か国の交通担当大臣、企業トップ、学識経験者等が集まって、交通政策をめぐる課題について議論をする会議で、交通分野のダボス会議を標榜しています。
今回の基本テーマは「シームレスな交通」で、円滑な交通を阻害している要因となるシーム(継ぎ目)をどのように除去するかについて、様々な角度から議論が行われました。我が国は今回アジアから初めての議長国に選出され、吉田おさむ国土交通副大臣が会議の議長をつとめました。
記
1.日 程 : 平成24年5月2日(水)~4日(金)[現地時間]
2.場 所 : ドイツ ライプチヒ市
3.当省からの出席者 : 吉田おさむ国土交通副大臣 他
4.我が国からのスピーカー:
(全体会合等)
日本郵船株式会社 宮原 耕治 代表取締役 会長
東海旅客鉄道株式会社 葛西 敬之 代表取締役 会長
東日本旅客鉄道株式会社 清野 智 取締役 会長
特定非営利活動法人 ITS Japan 渡邉 浩之 会長
(専門家セッション)
日産自動車株式会社 山下 光彦 取締役 副社長
北星学園大学 秋山 哲男 客員教授
日本高速道路インターナショナル株式会社 黒田 孝次 代表取締役 社長
東日本旅客鉄道株式会社 東 充男 国際業務部 部長
5.会議の概要
(1) 5月2日 開会全体会合:「シームレスに向けて」
吉田おさむ副大臣より、今後のITFのあり方について、陸海空のモードを総合するハイレベルのグローバルな交通会議であるべきである、強力な調査部門を持っていることを活かしてさらに活動を充実させるべきであるとの提言をしました。
宮原日本郵船会長は、シームレスな交通を実現するための今後の課題として、新興国における交通インフラの整備が世界貿易にとって欠かせないこと、ITを活用したサービスの高度化、海賊等の安全に対する脅威の除去を指摘し、官民挙げての対応を求めました。
(2) 5月3日 全体会合:「成長のための交通」
グリアOECD事務総長が、基調講演において、グリーン成長における交通分野の役割や今後の課題について述べた後、葛西JR東海会長が、高速鉄道と都市鉄道との接続を便利にして全体としてシームレスな交通ネットワークを作ることによって利用者利便の増進と経済の成長が促されると報告しました。
(3) 5月3日 大臣会合
[1] 非公開セッション
大臣のみの非公開会合では、加盟国大臣による政策宣言「シームレスな交通」を採択しました。この宣言では、経済成長の促進、貿易の促進、雇用・教育・社会福祉サービスへのアクセスの改善等のために、シームレス化を進める旨を宣言しています。また、次期ITF事務局長として、ポルトガルのヴィエガス(Viegas)氏(リスボン高等技術大学教授)を選出しました。
[2] 公開セッション「モード間の連結」
清野JR東日本会長が、鉄道ネットワーク内のシームレス化を実現するための取組として、ICカードの拡大(スイカとパスモの共通化)、相互直通運転、異常時の情報案内システムを紹介しました。
(4) 5月3日 大臣ラウンドテーブル(海賊について)
吉田副大臣が参加し、関水IMO事務局長、宮原日本郵船会長とともに海賊対策のあり方について率直な意見交換を行い、今後のIMOにおける海賊対策に関する議論に期待する旨の共同宣言をとりまとめました。
なお、会合全体の詳細については、ITFのホームページでご覧いただけます。
(http://2012.internationaltransportforum.org/)
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