平成25年5月27日
国際交通大臣会議(ITF)第6回大臣会合が、下記のとおり開催されましたので、結果をお知らせいたします。今回のテーマは「交通と資金調達」で、交通インフラ投資に係る資金調達手法等について、様々な角度から議論が行われました。
また、新関西国際空港株式会社が、同テーマに関して優れた取組みを行ったとして、ITF2013最優秀賞(Transport Achievement Award)を受賞しました。
※国際交通大臣会議(ITF:International Transport Forum)は、2007年に発足した国際枠組みです。2008年以降、交通政策に関する方向性を打ち出すことを目的として、毎年1回、加盟54か国の交通担当大臣、交通関連企業のCEO級、学識経験者等が集まり、世界全体にとって戦略的に重要なテーマを取り上げて議論しています。
記
1.日 程 : 平成25年5月22日(水)~24日(金)[現地時間]
2.場 所 : ドイツ ライプチヒ市
3.当省からの出席者 : 石津緒国土交通審議官 他
4.我が国からのスピーカー:
(全体会合等)
新関西国際空港株式会社 安藤 圭一 代表取締役社長
運輸政策研究機構国際問題研究所 鷲頭 誠 所長
(専門家セッション)
一橋大学 根本 敏則 教授
新関西国際空港株式会社 山口 勝弘 執行役員
5.会議の概要
(1)5月22日 開会全体会合:「成長のための投資」
ハーバード大学のアマルティア・セン教授が基調講演を行い、交通インフラへの投資は経済成長に必要不可欠であること、投資の縮小は成長を阻害し、これを担う者の技能の低下にもつながることを説明しました。また、交通需要の増加は環境負荷をもたらすことから、低環境負荷の交通インフラ投資に取り組まなければならない旨強調しました。
(2)5月23日 大臣セッション
大臣セッションでは、加盟国大臣による政策宣言「交通と資金調達」を採択しました。この宣言では、PPPを活用した交通インフラ整備の必要性を確認するとともに、日本側の提案により、[1]安全性、信頼性、利便性などのインフラの「質」の重要性、[2]交通インフラ投資のメンテナンスの重要性について、加盟国大臣間で認識を共有しました。
(3)5月23日 全体会合:「支出優先度の定義:第1は何か」
安藤新関西国際空港株式会社社長が、同社による我が国初となる複数空港(関西空港・伊丹空港)の一体運営、コンセッション実現に向けた両空港の事業価値向上の取組み等の説明を通じ、民間資金を活用したインフラ整備の必要性を強調しました。また、インフラ整備が既成した先進国においても、環境や安全等に配慮した21世紀型のインフラ整備が必要である旨説明しました。
(4)5月24日 全体会合:「都市・地域交通の資金調達:誰が支払うのか」
鷲頭運輸政策研究機構国際問題研究所長が、商業的に成功している東京圏の都市鉄道のビジネスモデルを紹介しました。我が国独特の沿線開発と一体となったビジネスモデルや、上下分離方式による新たな整備手法に関して、会場の参加者から大きな関心が寄せられました。
(5)ITF2013最優秀賞(Transport Achievement Award)
新関西国際空港株式会社が、本年のITFのテーマである「交通と資金調達」に関して優れた取組みを行ったとしてITF2013最優秀賞を受賞しました。これは、同社による我が国初となる複数空港の一体運営、戦略的な資金調達・拠出、それによる日本初の拠点型LCCの実現等、コンセッション実現に向けた両空港の事業価値向上の取組みが世界的に評価されたものであります。
なお、会合全体の詳細については、ITFのホームページでご覧いただけます。
( http://2013.internationaltransportforum.org/)
第6回 国際交通大臣会議(ITF)の開催概要について(PDF形式:194KB)
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