報道・広報

地方・中小建設企業海外進出調査の結果概要 《速報版》

平成20年5月2日

Ⅰ.調査の目的
 経済財政改革の基本方針2007(平成19年6月19日閣議決定)において、我が国成長力強化に向けた中小企業底上げ戦略として、建設業が重点業種に明記されたように、地方・中小建設企業においても、独自の優れた建設技術・ノウハウを核に、海外でのビジネスに乗り出す動きが広がっている。
 このため、国土交通省において、海外で「底力」を発揮して「頑張る建設企業」の姿を把握することにより、これから海外進出に意欲をもつ他の建設企業の参考にしていただくため、「地方・中小建設企業海外進出調査」を実施した。
 
Ⅱ.調査方法
 建設業許可を取得している企業のうち、資本金2,000万円から5億円の企業1万社を無作為抽出した上で、アンケート用紙を郵送し、回収した。
 調査期間は、平成20年2月24日~3月13日。発送数1万通、回収数は840通(回収率8.4%)。
 
Ⅲ.結果概要
 回答があった840社中、海外で建設事業の請負実績があると回答した企業は25社あり、請負実績はないが、海外建設事業に関心があると回答した企業は85社(請負実績がない企業の約12%)であった。これらの企業は、回答のあった企業のうち、資本金1億円未満が13.5%、1億円以上が21.1%であった。     
 
                                                    (社)

資本金別

2千万円    未満

25   千万円

5千万円~1億円

12

億円

23

億円

35

億円

不明

 

請負実績がある企業(A)

0

17

3

3

1

1

0

25

 

請負実績はないが、海外建設事業に関心がある企業(B)

2

51

20

5

4

1

2

85

 

(A)+(B)

2

71

24

8

5

2

2

110

 

回答数(C)

28

483

207

41

19

11

51

840

 

割合((A+B)/C)

7.1%

14.7%

11.6%

19.5%

26.3%

18.2%

 

 

 

13.5% (平均)

 21.1% (平均)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北海道・東北

関東

中部

近畿

中国

四国

九州・  沖縄

不明

請負実績がある企業(A)

1

8

7

3

1

0

4

1

25

請負実績はないが、海外建設事業に関心がある企業(B)

15

23

12

16

8

4

5

2

85

(A)+(B)

16

31

19

19

9

4

9

3

110

 
                                                    
 また、地域別では、関東、中部、近畿地方を拠点とする企業が多い。
 請負実績のある企業の多くは、本邦建設会社の下請として、主に東アジア・東南アジアで、電気・給排水・空調工事、地盤・土工事など、幅広い分野の工事を担当していた。また、7割近くが再び海外で工事を請け負うことを希望しており、海外進出を積極的に捉えていることが伺えた。
 一方で、請負実績はないが、海外建設事業に関心があると回答した企業は、「精度の高い施工」や「工期遵守」をセールス・ポイントにして海外進出に強い前向きな姿勢を示していた。
 このため、多くの建設企業が課題として捉えた、「言語の問題」、「現地特有の法制度への適合」、「海外での人脈作り」などを克服するべく、今後は、海外の法制度や海外建設情報の収集に努めるともに、海外の市場に対応出来る技術者の教育などを進めることが必要である。
 
 

お問い合わせ先

国土交通省総合政策局国際建設経済室 
TEL:(03)5253-8111 (内線25873、25874)

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