国連「世界水の日 命の水10年」ハイレベル対話出席
平成22年3月31日
国連は「命の水10年(*1)」の中間年にあたる今年、その取組の推進を図るため、3月22日「世界水の日(*2)」に各国ハイレベルメンバーによる会議を下記の通り開催しました。国土交通省からは、わが国が厳しい気候条件の下、水災害を克服しつつ成長・発展を遂げてきたことを踏まえ、近年の気候変動により高まる水災害リスクへの対策の重要性・緊急性を訴えるとともに、同分野での国連等と連携したわが国の取組みについて発表をしました。
*1) 2003年国連総会本会議の決議により、2005~2015年の10年間を「命の水10年」に決定し、「アジェンダ21」や
「ミレニアム開発目標(MDGs)」で定められた水と衛生に関する開発目標等を達成するため、水関連問題の重視、協力を推進。
*2) 1992年国連総会本会議の決議により、毎年3月22日を「世界水の日」と決定。
記
1.開催日時:2010年3月22日(月)
2.開催場所:ニューヨーク国連本部
3.プログラム:
9:00~ 9:55 開会
トレキ国連総会議長挨拶
ミギロ国連副事務総長挨拶
アキロフ・タジキスタン首相挨拶
9:45~10:00 シャ国連経済社会担当事務次長挨拶
10:00~10:15 ナイロビ世界水の日イベントとのビデオ会議
(シュタイナー国連環境計画事務局長、オランダ皇太子殿下)
10:15~11:30 パネルI 水とミレニアム開発目標
(議長:エリアソン元国連総会議長/元スウェーデン外務大臣)
11:30~13:00 パネルII 水、気候変動と災害
(議長:フラド・エクアドル水大臣)
15:00~16:30 パネルIII 水と平和・安全保障
(議長:アブザイド元エジプト水資源灌漑大臣)
17:00~18:00 閉会
4.会議の内容
パネルI 水とミレニアム開発目標
・ ミレニアム開発目標に位置付けられている多くの目標(貧困撲滅、女性の地位向上、幼児死亡率の低減等)には、「水と衛生」が
大きく関係することが指摘された。
・ 「2015年までに安全な飲料水及び基礎的な衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する」目標の達成のため、
予算確保等政府の主導の必要性、関係機関との連携、調整等の必要性が確認された。
パネルII 水、気候変動と災害
・ 気候変動が洪水、渇水に及ぼす悪影響を踏まえ、脆弱性の軽減のための水資源管理の必要性、早急な取組の開始の必要性が確認された。
・ ブリセニョ国連国際防災戦略(UNISDR)事務局長は、不適切な開発による脆弱性の増加が災害の被害増大の主因であり、
気候変動はリスク増加を加速させることを指摘した。
・ バーバラ・フロスト氏(英を拠点とする水と衛生に関する国際NGOであるWaterAid代表)からは、2008年の「国際衛生年」の設定や
2010年1月の国際衛生年フォローアップ会議の東京での開催等、日本の水と衛生に関する取組を評価する発言があった。
・ 日本からは、国土交通省名波国際建設管理官が、わが国が厳しい気候条件の下、水災害を克服しつつ成長・発展を遂げてきたことを
踏まえ、近年の気候変動により高まる水災害リスクへの対策の重要性・緊急性を訴えた。また、同分野での国連等と連携したわが国の
取組みについて発表した。具体的には、ユネスコの後援の下、水災害リスクマネジメント国際センター(ICHARM)での研修を通じた
洪水予測等の先進的な技術の導入支援、及び、治水技術者等の人材育成への協力、並びにユネスコの総合水資源管理(IWRM)
ガイドライン作成に関する技術支援等を紹介した。(その他数カ国が各国の取り組みについて発表)
パネルIII 水と平和・安全保障
・ ヨーロッパ、中央アジア等における国際河川(Transboundary Water)に関する国際間の摩擦解消に向けた取組が紹介された。
お問い合わせ先
- 国土交通省総合政策局国際建設推進室 菅
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TEL:(03)5253-8111
(内線25-815) 直通 (03)5253-8315
- 国土交通省河川局河川計画課 舘
-
TEL:(03)5253-8111
(内線35-343) 直通 (03)5253-8444