報道・広報

「日カンボジア防災・気候変動ワークショップ」の結果概要について

平成23年2月24日

 この度、国土交通省は、カンボジア王国プノンペン都において、カンボジア王国国家防災委員会とともに、「日カンボジア防災・気候変動ワークショップ」を開催しました。
 カンボジア王国では、近年の気候変動の影響や、2009年の台風16号(ケッツァーナ)の来襲により甚大な被害を受けたこと等から、洪水対策、防災対策へのニーズが高まっています。また、発展を続けるプノンペン都市内での水環境問題が新たな課題として認識されているところです。
 ワークショップでは、両国における洪水対策、防災対策及び水環境問題への対策について情報交換を行うとともに、今後の協力について意見交換を行うことで、両国の協力関係が一層強化されるとともに、気候変動への適応策・災害対策・環境保全に係る我が国の技術や経験に対するカンボジア王国の理解を深めることができました。
 これらの成果を踏まえ、今後とも、カンボジア王国との一層の協力関係を推進するとともに、我が国企業等の海外展開を後押ししてまいります。  

 なお、本ワークショップ前日の2月21日に国際協力機構がプノンペン都において開催した「安全・品質管理セミナー」においても、国土交通省から奥村国際建設技術企画官らが出席し、日本の入札契約や監督・検査などの取り組みを紹介し、我が国の公共工事の事業監理に係る技術や経験に対するカンボジア王国の理解を深めることができました。
 今後とも国際協力機構と連携してカンボジア王国との協力関係を強化してまいります。

(1)日程

平成23年2月22日(火)

(2)会場

ラッフルズホテル(プノンペン都)

(3)主催

日本国国土交通省、カンボジア王国国家防災委員会

(4)出席者 約100名

[日本側]
国土交通省総合政策局国際建設推進室国際建設技術企画官  奥村 康博
国土交通省総合政策局国際建設推進室国際協力官                  山内 洋志
独立行政法人国際協力機構理事                                                  新井 泉
北九州市前建設局下水道河川部長                                              藤丸 正司
酒井重工業株式会社事業推進部長                                              小林 耕平
社団法人国際建設技術協会研究第二部長                                  松木 洋忠 ほか

[カンボジア側]
国家防災委員会事務局長                                                              ポー・サミー
プノンペン都副知事                                                                          トラッ・タイシエン
国家防災委員会事務局次長                                                          ロス・ソバン ほか

(5)結果概要

・ワークショップの冒頭挨拶では、タイシエン副知事より、日本の支援により洪水対策・排水改善が図られつつある一方で、都市水環境の悪化が新たな課題となっており、日本の経験と技術を活かした支援を期待する等のご発言がありました。
・続いて奥村企画官より、気候変動の影響による水災害への適応は両国で共通する課題であり、また、都市水環境についても、日本が過去に経験しこれを克服したことを挙げ、日本の経験や技術がお役に立てれば幸いである等の発言がありました。
・また、新井理事からは、国際協力機構が気候変動適応について重点的な支援を行っていること、水環境保全も重要な課題であること、両国の協力関係を一層強化して課題解決に向けた取り組みが推進されることを期待する等のご発言がありました。
・サミー事務局長からは、気候変動への適応は多国間での情報や経験の共有が重要であること、また、日本の経験や技術が参考となるので、両国の協力関係を強化する必要があること等のご発言がありました。

・ワークショップの中では両国の取り組みが紹介され、カンボジア王国からは、気候変動の影響と適応、防災に関する制度・体制の整備と取り組み、プノンペン都における洪水リスクの低減と水環境改善への取り組み等について説明が行われました。
・日本からは、気候変動により増大する水関連リスクに対するソフト・ハード両面の適応策、緊急災害対策派遣隊(TEC-Force)などの防災支援体制、災害時に安全な避難路を確保できる道路舗装技術、北九州市において長年取り組んできた都市水環境整備の事例等について説明が行われました。
・これらの発表を受け、両国における気候変動への適応や環境保全に関する取り組み等について、参加者の間で活発な意見交換が行われました。

・最後に、ワークショップの取りまとめとして、国土交通省とカンボジア王国国家防災委員会・プノンペン都は、今回のワークショップの重要性を再認識するとともに、今後の両国の持続的な協力を行うことで一致し、閉会しました。

  • 奥村企画官による挨拶(壇上左からタイシエン副知事、サミー事務局長、新井理事)

  • ワークショップの様子(日本のTEC-Forceについて説明)

お問い合わせ先

国土交通省総合政策局国際建設推進室  山内・菅
TEL:03-5253-8111 (内線25804, 25815) 直通 03-5253-8315

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