平成23年3月4日
この度、国土交通省では、国際協力機構及びベトナム国との協力のもと、「日ベトナム事業監理・建設プロジェクトセミナー」を開催いたしました。
ベトナム国では、急速な経済成長とともに全国で数多くの建設工事が実施されており、工事の品質確保や安全管理が重要な課題として認識されているところです。
セミナーでは、両国における入札契約や監督・検査などの事業監理に係る取り組みについて情報交換を行うとともに、今後の協力について意見交換を行うことで、両国の協力関係が一層強化されるとともに、我が国のインフラ技術や経験に対するベトナム国の理解を深めることができました。
これらの成果を踏まえ、今後とも、ベトナム国との一層の協力関係を推進するとともに、我が国企業等の海外展開を後押ししてまいります。
平成23年3月1日(火)13:30~18:00
社団法人 海外建設協会 会議室
(東京都中央区八丁堀2-24-2 日米ビル7F)
[日本側]
国土交通省総合政策局国際建設管理官 名波 義昭
国土交通省総合政策局国際建設推進室国際建設技術企画官 奥村 康博
国土交通省総合政策局国際建設推進室国際協力官 山内 洋志
国土交通省大臣官房技術調査課工事監視官 八木 裕人
独立行政法人国際協力機構経済基盤開発部次長 中田 亮輔
八戸工業大学名誉教授 塩井 幸武
社団法人海外建設協会専務理事 鈴木 一 ほか
※上記の他にも海外建設協会の会員各社が参加
[ベトナム側]
建設省建設工事管理局長 チェン・ゴック・ティエン
建設省建設工事品質検査局次長 ブイ・チュン・ズン
運輸交通省建設品質管理局次長 ザン・チュン・タン
運輸交通省計画投資局次長 グエン・タン・ハン
ホーチミン市建設局次長 グエン・バン・ヒップ
ホーチミン市交通局次長 チェン・ティー・キー
ベトナム国インフラ工事品質確保能力向上プロジェクト品質確保アドバイザー 中須賀 聡
・セミナーの冒頭挨拶では、国土交通省の名波管理官より、ベトナムの著しい経済発展を支えるインフラ整備は重要であり、日本の品質確保・安全管理の取り組みや日本企業の技術がお役に立てれば幸いであること、両国の協力のもと行われている「インフラ工事品質確保能力向上プロジェクト」は非常に重要なプロジェクトであり、国土交通省は今後とも全面的に支援していくこと、本セミナーの開催を契機として両国間の協力関係がますます強化されることを期待すること等の発言がありました。
・国際協力機構の中田次長からは、円借款事業などを適切に実施していくうえで、ベトナムでの公共工事の品質確保は必須の条件であること、本セミナーがベトナムでの品質確保の向上に向けた制度改善に貢献できることを強く期待すること等のご発言がありました。
・ベトナム建設省のティエン局長からは、近年、円借款事業によりベトナムではインフラ整備が急速に進み、経済が大きく発展していること、本セミナーで両国が抱えている課題について意見交換を行い、問題点を把握することで、今後さらに良い協力関係が構築されることを期待すること等のご発言がありました。
・セミナー第1部では、両国の品質確保・安全管理の取り組みが紹介され、日本からは、総合評価落札方式、監督・検査の実務、工事成績評定等の取り組み、また、建設工事事故防止への取り組み等について説明が行われました。
・続いてベトナムからは、ベトナムにおける品質管理の法令・通達やその改正の動向、品質を確保するための組織体制、品質管理や安全管理の現状、関係者間の責務の明確化などの品質管理制度の構築、研修や人材育成等について説明が行われました。
・セミナー第2部では、ベトナムから建設業の現状と今後のプロジェクトが紹介され、主要な地域ごとに、道路、河川、鉄道、港湾、空港等の計画の概要等について説明が行われました。
・続いて日本からは、日本の先進技術及びプロジェクト事例が紹介され、工期や施工環境などの厳しい制約条件の下で高度な技術を要する橋梁の施工事例や、港湾における先進的な施工技術や施工事例等について説明が行われました。
・これらの発表を受け、両国における品質確保・安全管理の取り組み、ベトナムの今後のプロジェクト、日本のインフラ技術等について、参加者の間で活発な意見交換が行われました。
・最後に、セミナーの取りまとめとして、両国は、今回のセミナーの重要性を再認識するとともに、今後の両国の持続的な協力を行うことで一致し、閉会しました。
※ 3月2日~3日には、ベトナムから参加された方々に、新宿駅南口地区基盤整備事業と東京湾アクアラインをご視察頂くとともに、我が国の建設企業との個別の意見交換を行って頂きました。