令和5年6月2日
令和5年2月17日付けで新京成電鉄株式会社(以下「新京成電鉄」)より申請のあった、旅客運賃の上限変更については、令和5年5月23日に運輸審議会より「認可することが適当である」旨、答申が出されましたので、本日、国土交通省として認可いたしました。 |
鉄道の旅客の運賃は、鉄道事業法第16条第1項に基づき、その上限を定め、国土交通大臣の
認可を受けなければならないとされています。認可にあたっては、同法16条第2項に基づき、
能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうか
を審査することとされており、また、同法第64条の2に基づき、運輸審議会に諮らなければな
らないこととされています(軌道法においても同様の取り扱いを実施)。
令和5年2月17日付けで新京成電鉄より申請のあった、旅客運賃の上限変更について、運輸
審議会に諮問したところ、令和5年5月23日に「認可することが適当である」旨の答申が出さ
れました。これを受け、本日、国土交通省として申請どおり認可をいたしました。
■運賃の改定概要
○ 新京成電鉄は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、鉄道事業の営業収支は、令和2年
度▲12億円、令和3年度▲5億円と、2期連続で営業赤字を計上するなど厳しい経営状況にある。
○ 今後も、沿線の生産年齢人口の減少や、テレワーク等による通勤利用者の減少等により、従来の
利用人員まで回復しない見通しとなっている。
○ 一方で、安全性確保のため、既存設備を適切に維持更新する必要があることに加え、鎌ケ谷市内
連続立体交差化事業や車両への監視カメラの設置などの安全対策、老朽化した駅のリニューアルや
車両更新などのサービス改善に取り組む必要があることから、新京成電鉄の徹底した経営努力を前
提に、運賃改定を実施するもの。
○ 今回の認可は、令和11年3月31日までの期限を設け、運賃改定後の令和6年度から3年間
(令和8年度まで)の総収入と総括原価の実績を確認することとする。
(変更内容)
○普通旅客運賃
・1円単位、10円単位運賃ともに、全区間20円の値上げ。
・現状、短距離の利用が多く、今後長距離の利用促進に繋げるため、長距離帯の値上げ率を比較的抑え
る設定とする。
○定期旅客運賃
・通勤、通学とも、全区間で割引率を統一。
・家計負担に配慮し、通勤に比べ通学の改定率を抑制。
○実施予定年月日:令和5年10月1日
○改定率
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改定率 |
普通運賃 |
11.7% |
定期運賃 |
13.1% |
全 体 |
12.4% |
○収入実績及び推定 (単位:百万円)
|
令和3年度
(実績) |
令和6~8年度推定
(3年間平均) |
現 行 |
改 定 |
収 入 |
9,438 |
10,775 |
12,062 |
原 価 |
10,469 |
12,120 |
12,120 |
差引損益 |
▲1,032 |
▲1,345 |
▲58 |
収支率 |
90.1% |
88.9% |
99.5% |
※定期運賃の割引率(1箇月)
通勤38.8%(現行39.9%)
通学67.7%(現行67.7%)
<参考>
○鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
(旅客の運賃及び料金)
第十六条 鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」
という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しよう
とするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に
適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
3~5 (略)
(運輸審議会への諮問)
第六十四条の二 国土交通大臣は、次に掲げる処分等をしようとするときは、運輸審議会に諮らなけ
ればならない。
一 第十六条第一項の規定による旅客運賃等の上限の認可
二~五 (略)