令和2年12月25日
国土交通省は、令和2年12月15日(火)、第17回日ASEAN物流専門家会合をWeb会議形式で開催しました。本会合では、日本とASEAN各国との物流分野での連携強化に向けて、同分野の取組の紹介や意見交換を行いました。また、今年度日本が策定する予定のJSA-S1004認証審査ガイドラインを紹介するとともに、同ガイドラインをASEAN各国における認証体制の整備に向けて活用することを提案し、今後議論していくことを確認しました。また、コールドチェーン物流サービス規格に関して、ブルネイ、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポール及びタイから日本の支援への期待が表明されました。 |
1.日 時 : 令和2年12月15日(火)10:30~17:30
2.出 席 者 : 合計51名
【日 本】 国土交通省、物流事業者(ヤマトホールディングス株式会社、郵船ロジスティクス株式会社)、一般財団法人日本海事協会、一般財団法人運輸総合研究所
【ASEAN各国】 ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの政府関係者、ASEAN事務局
3.議事概要 :
国土交通省は、日ASEAN交通連携の枠組の下、ASEAN各国との間で、「コールドチェーン物流プロジェクト」、「グリーン物流プロジェクト」及び「物流人材育成プロジェクト」を推進。
本会合では、日本とASEAN各国との間で、各プロジェクトの進捗を共有し、今後の計画等について意見交換を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の影響と対応について情報共有を行った。
主な内容は以下のとおり。
(1)コールドチェーン物流プロジェクト
・国土交通省より、コールドチェーン物流サービス規格(JSA-S1004※1)の発行を踏まえ、今年度日本が策定する予定の「JSA-S1004認証審査ガイドライン」※2を紹介し、
同ガイドラインをASEAN各国における認証体制の整備に向けて活用することについて各国の合意を目指し、今後議論していくことを確認した。
・一般財団法人日本海事協会より、小口保冷配送サービス規格(ISO23412)の普及に向けた取組として、タイで開催予定のセミナーについて情報共有し、タイ運輸省の支援を
依頼したところ、タイ運輸省より協力の意向が示された。
・物流事業者(ヤマトホールディングス(株)及びTYGC※3)より、コールドチェーン物流サービス規格のメリットや普及に向けた政府の協力の重要性について説明があった。
・ASEAN各国より、コールドチェーン物流の現状について報告が行われるとともに、ブルネイ、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポール及びタイから、コールドチェーン
物流サービスに関する規格の国家規格化等に向けた動きについて説明があり、日本の支援への期待が表明された。
(2)グリーン物流プロジェクト
・マレーシア及びインドネシアより、来年(2021年)、グリーン物流パートナーシップ会議を開催する計画がある旨発表があった。
(3)物流人材育成プロジェクト
・国土交通省より、JICAと連携して実施している物流分野の人材育成研修への参加を呼びかけたところ、マレーシアより、研修参加の意向が示された。
(4)新型コロナウイルス感染症の物流分野への影響と対応
・日本及びASEAN各国における新型コロナウイルス感染症の物流分野への影響と、その対応としての感染防止策や国境における規制等について情報共有を行った。
※1 : 日ASEAN交通連携の枠組みの下、2018年11月の日ASEAN交通大臣会合にて承認された「日ASEANコールドチェーン物流ガイドライン」をベースに作成された
一般財団法人日本規格協会の規格。倉庫事業者及び運送事業者が低温保管・輸送に関する作業を行うに当たって考慮すべき事業が盛り込まれている。
※2 : ASEAN各国へのコールドチェーン物流サービス規格の普及に資するため、認証機関がJSA-S1004の認証審査を適切かつ公正に行うためのガイドラインの
策定を今年度、一般財団法人運輸総合研究所と連携して実施。
※3 : TASCO Yusen Gold Cold。郵船ロジスティクス株式会社のマレーシア現地法人TASCO社がJOINとの出資により設立したコールドチェーン物流を展開する
マレーシア現地物流事業者。
【第17回 日ASEAN物流専門家会合の様子】
報道発表資料(PDF形式:180KB)
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