vol.11... まち全体で、みんなで水災害に備える

流域治水の推進


近年の水災害発生状況

気候変動の影響により、水災害が激甚・頻発化し、全国で大きな被害が発生しています。少し詳しく見てみましょう。



短時間強雨

時間降水量50mm以上の雨が増加
長期的な降水量の変化の傾向はみられませんが、1時間の降水量が50mmを超える、強い雨が降る回数が増えています。年によって若干のばらつきはあるものの、1976~1985年の10年間の年間発生回数が平均174回だったのに対し、2010~2019年では平均251回と、約1.4倍に増加しています。
全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化(1976~2019年)
出典:気象庁資料より作成(気象庁が命名した気象現象等を追記)



水災害の危険性が高まっています

気候変動の影響により、気温が上昇傾向にあり、強い雨が増える回数が増え、水災害の危険性が高まっています。実際、避難を開始すべき「氾濫危険水位」を超えるような洪水が発生しており、全国的に大きな被害が発生しています。

「流域治水」で水災害対策を進めるとともに、危険を事前に察知して、いつでも行動できるように準備しておくことが大切ですね。


※対象は、洪水予報河川及び水位周知河川であり、()内は各年の指定済み河川数。
国土交通省において被害状況等のとりまとめを行った災害での河川数を計上。
一連の災害により、1河川で複数回超過した場合は、1回(1河川)として計上。

出典:気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会「気候変動の影響について」

出典:国土交通省東北整備局新庄河川事務所
出典:H30年版水害統計より算出
水害被害額については、一般資産等被害額、公共土木施設被害額、公益事業等被害額を合計した値





予想は現実になる - 水災害とハザードマップ

「ここは水につかる場所ですよ」と、ハザードマップが語る場所は、本当に水につかる可能性が高いです。最近、水災害が発生した場所でも、そうでした。予想は現実になる、だからハザードマップポータルサイトなどを活用して、事前に浸水の可能性を確認し、避難の備えをしましょう。



ハザードマップの重要性と再認識

千曲川で発生した浸水では
気候変動の影響と思われる記録的な大雨がふり、各地で河川の氾濫など水災害が発生しています。「令和元年東日本台風」(台風19号)では、長野県の千曲川が氾濫し、北陸新幹線の車両基地が浸水するなど、甚大な被害が生じました。このときは、ハザードマップに示されていた浸水想定区域が、実際の浸水箇所とほぼ一致していました。改めて、ハザードマップの重要性が認識されました。


千曲川の例(赤色の浸水想定区域に青色の実際の浸水区域が重なる)
出典:重ねるハザードマップ
球磨川で発生した浸水でも
「令和2年7月豪雨」でも、各地で多くの河川が氾濫しました。7月4日には球磨川が氾濫し、熊本県人吉市で大変な水災害が発生しました。球磨川の氾濫による浸水箇所もハザードマップで示された浸水想定区域とほぼ一致しています。つまり、予想がつかないような場所で被害が生じているわけではなく、起こりうるところで発生していることがわかります。
球磨川の浸水想定区域
出典:重ねるハザードマップ
球磨川浸水推定図(2020年7月4日20時作成)
※この地図は国土地理院が収集した画像等と標高データを用いて、浸水範囲における水深を算出して深さを濃淡で表現した地図です。
出典:地理院地図(国土地理院)
上空からみた球磨川の様子(令和2年7月4日)
出典:地理院地図(国土地理院)
増水した球磨川水系川辺川の様子(令和2年7月4日)
出典:川の水位情報



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