vol.4.....水害から身を守る

実は! 洪水時、家が水につかるかどうかわかる!


インタビュー:市居嗣之さん
防災専門家のかたに聞いてみました

災害に備える計画にアドバイスをしたり、訓練をしたりといった、防災の仕事をしている市居さんに、普段チェックしておくと良いことや、いざ! というときの注意事項について聞いてみました。

Q. ふだんチェックしておくといいことは何ですか
ふだんから、「天気図」をこまめに見る癖をつけるといいですね。天気がどう変わっていくか、日ごろからわかるようになってきます。そうすると、大雨に対する注意の意識も持てますね。

また、家や学校の周辺をよく観察してみましょう。たとえば、水害への注意をよびかける看板(かんばん)が立っていたりするところは、だいたい過去に水害が起こっているところなので、要注意&要チェックです。

そして、このコーナーで書かれているように、ハザードマップをよくみておくことが大切ですね。ただこれは、過去の水害などの情報をもとにしているので、ゲリラ豪雨のように、突然せまい範囲に大量の雨がふった場合の影響(えいきょう)が考えられていない場合もありますので、そこを理解しておきましょう。

市居嗣之さん
合同会社グローバルリンク代表。危機管理をテーマに活動している。防災関係のコンサルティングをしている。

Q. いざ!というときに気を付ける点を教えてください
水が静かにやってくるときがあります。私も洪水を経験していますが、気が付いたらあっという間に目の前まで水がきていました。川から水があふれるだけではなく、川の水位があがり、川に本来流れる排水(はいすい)が逆流(ぎゃくりゅう)して、マンホールから水がふき出してくるような、「内水氾濫」(ないすいはんらん)と呼ばれる水害が起こる場合もあります。

また、必ずしもタイミングよく警報や避難指示が出るとは限らないので、早め早めに行動する必要がありますね。

避難所では毛布や食料、水が備蓄(びちく)してあるので、避難の際には最低限の荷物で素早く行動することが必要です。はきなれたくつで、できればくつひもがあってぬげにくいものをはいていくと良いです。

水の深さがこしの高さまできてしまった場合には、無理をしないようにしましょう。特に、水がにごっていることが多いので、みぞや段差に足をとられて、思わぬけがをしてしまうことがあります。

Q. どんな情報を活用したらいいでしょうか
川の防災情報や XRAINのように雨量の情報、ライブカメラは全体の状況を知る上で役に立ちます。一方、より身近な、地域の情報を得る上では、ツイッターなどの SNSやコミュニティーFM、ケーブルテレビから流れる情報も有益です。

また、防災無線による行政からの情報提供を、聞き逃さないよう、注意することが大切ですね。特に、豪雨のときは聞こえづらいときがあるので、注意を払う必要があります。

あと、情報というわけではないのですが、服を着てこしまで水につかり、流れがある状態(じょうたい)で歩くのがどれほど大変か、経験しておくと、洪水がどういうものか、より鮮明(せんめい)にイメージできるようになると思います。

川があふれるときは、いったいどれだけの水位や流れになるのか、そういったこともイメージしてみて、洪水に対する意識をしっかり持っておくことが大切ですね。