vol.9... 渇水を乗り切る

水インフラの力


②水を確保する技
川の流量をコントロール

毎日毎日使う水。私たちは、その水の多くを川から取っています。
しかし、雨は降ったり降らなかったり。いつも、必要な量が川を流れているとは限りません。
そんなときは、どうするのでしょう?


自然の流れではそもそも足りない

日本は、全体的にとても険しい地形をしています。山がツンツンとんがっていて、雨が降ってもあっという間に、数日で海まで流れていってしまいます。
自然の川の流量(自流)では、私たちが使うための十分な量の水が、なかなか確保できません。
さらに、雨が降りすぎると今度は洪水が起こるという、なんとも気難しい自然条件の中で私たちは暮らしています。

地形イメージ
険しい地形と川のイメージ

ダムに貯めて川に水分補給

そこで、ダムの出番です。雨がたくさん降ればダムに水を貯めておき、
降らない場合にはダムから水を放流して川を潤します。
そうすることで川の流量を安定させ、いつでも水が使えるようにするわけです。
ダムは渇水の時だけではなく、ほぼ毎日のように働いているのです。


貯める・補給するを繰り返す

1年を通じて、ダムは水を貯めて&流してを繰り返しています。
特に、春先は「代掻き(しろかき)」といって、田植えをするために田んぼに水をはる大切な時期。
また、夏頃は「出穂期(しゅっすいき)」と言って、稲が穂を出すためにたくさんの水が必要になります。
そんなときでも川の下流まできちんと水が行き渡るよう、ダムが流量を絶妙にコントロールしています。
利根川水系では、実に年間200日以上もダムから水を補給しています。(下図)

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