奈良県天理市と三重県亀山市を結ぶ国道25号(名阪国道)の奈良県の山岳部を通過する区間は、冬季には交通安全対策として降雪や凍結による通行規制・通行止めなど迅速な措置が強く求められています。
この状況への対処は気象情報の収集が必要なことから、名阪国道に7ヵ所の観測所を設置し、リアルタイムの情報収集に努めていますが、観測地点が限られるため連続的な路面状況の把握は困難でした。このため道路に沿った連続的な路面状況の把握を可能にするため凍結危険度がもっとも高い福住−一本松間の約2kmの区間の縦断方向に気温・路温を5mごとに観測する光ファイバーセンサ(光温度レーダー)を2000年に試験的に設置しました。
こうした気象観測装置と奈良気象台の観測データを基に、適性かつ効率的なタイミングでの凍結防止散布作業の支援を行い、安全な走行環境の確保や管理業務の効率化を目的に、2001年「雪害対策支援凍結予測システム」の機器を整備。これによって、路面凍結時期の予測や雪害対策体制づくりを行うとともに、奈良県下約32kmのうち、2002年に当初区間を含む神野口〜天理東の凍結区間(約25km)に当システムを延伸していく予定です。
[国土交通省近畿地方整備局奈良国道工事事務所]
システム図

路面に埋設した光ファイバーセンサ(光温度レーダー)が、路面温度を検知して路面の凍結危険個所を知らせます。
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