第5章 標準化への取り組み

標準化への取り組み(国内)

道路通信標準

道路通信標準の規定

道路通信標準では、一度決定すれば大きな変更は生じにくい、データディクショナリやメッセージセットなどの情報解釈機能に関しては、重点的に検討し規定しています。しかし、情報搬送機能であるプロトコルについては、IT技術の急激な変化により陳腐化が早いため、新規技術の導入を妨げないよう、厳密には規定していません。また、伝送媒体に依存する、コネクタ形状などの物理的部分や、上位のアプリケーションとのインターフェイスについても規定していません。


  • データディクショナリ標準
  • 人が手紙やメールをやりとりする場合に、辞書で漢字や意味を確認したり熟語の使い方等を参照したりするように、データディクショナリ標準は、すべてのシステムが参照するデータの最小単位であるデータエレメントについて、その意味と使い方を定義しています。

  • メッセージセット標準
  • メッセージセット標準では、一連の情報からなるメッセージの解釈を相互に間違いなく行うために、情報がどのような順序で情報の集合体であるメッセージセットに格納されるかが規定されており、それに従ってメッセージを記述すれば通信ができるようになっています。メッセージセットは、情報の最小単位であるデータセットの集合として、さらに、データセットは、データの最小単位であるデータエレメントの集合として規定しています。

  • プロトコル標準
  • プロトコルとは、装置間でデータの送受信を行うために決める「約束事」であり、データ送受信を進めるための制御メッセージの種類、意味、表現形式、伝送のシーケンス(手順)などを規定したものです。道路通信標準では、IPベースのネットワークを前提とし、アプリケーションに依存する上位レイヤ(OSI基本参照モデルでレイヤ3層以上)と伝送媒体に依存する下位レイヤ(OSI基本参照モデルでレイヤ2層以下)に分け、それぞれ独立にプロトコルセットとして規定しています。

    道路通信標準と手紙の例の対比

    概要イメージ:データディクショナリ標準、メッセージセット標準、プロトコル標準と手紙の例


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