サービス目標2:(地域自立の支援)
地域における公共サービス等の効率的な提供と産業の創出を図るため、地域自立の基礎条件の確保と交流・連携を支援する


1.現状と課題
(1)大都市圏への人口・機能の集中が続く一方、生活基盤が整っていない地方部、特に山
 間奥地の市町村では、過疎化・高齢化の進行や、雇用就労機会の減少など地域の活力が減
 退し、大きな課題となっている。
   このように、過疎化・高齢化が進行する地方部、特に山間奥地の市町村においても、こ
 れまではフルセット主義での各種公共・公益施設の整備を目標としてきたため、個々の公
 共・公益施設のサービス水準の低さやアンバランスが目立っており、地域で十分な都市的
 及び文化的サービス機能を提供できない状況にある。
  他方、山間奥地の市町村についても、地方中心都市から物理的に大きく離れているわけ
 ではなく、生活中心都市へ30分程度でアクセスできるような道路を整備することにより、
 都市的及び文化的サービスの享受が可能となる。
(2)こうした背景から、地域の選択による広域的な地域連携により、既存の公共公益施設
 の効率的な利用や複数市町村による共同整備・共同利用を図り、地域において多様な都市
 的及び文化的サービスの享受を可能とするとともに、限られた資源をより一層効率的に活
 用し、雇用就労機会の創出や地域文化の振興、地域の自然環境を活用した観光振興等によ
 り、定住環境と活力ある自立的圏域を形成する必要がある。
  また、過疎化・高齢化が進展する中で、医療・教育などの基礎的サービスの維持・確保
 が課題となっている山間奥地等においては、生活の安全を保障する観点から交通基盤の整
 備が求められている。
(3)自立的圏域の核を形成するため、幹線道路と情報通信インフラの一体的整備や、道路
 を中心とした交流の場ならびに地域における情報発信拠点の整備が求められている。

2.施策の方向
(1)基本的方向
1)自立的な圏域の形成にあたっては、就業構造の変化や市民ニーズの多様化・高度化
 に対応し、同一生活圏内の市町村が各種施設や地域資源を共有するとともに、それぞれの
 地域の持つ特色を活かしつつ、圏域の中核となる都市や複数の都市群の拠点性を高め、地
 域の総体としての魅力を高め、定住と活性化を推進する。
2)そのため、公共公益施設の整備等に合わせ、地域の自発的参加を得て策定された地域連
 携による活性化に関する計画に必要な地域高規格道路や市町村連絡道路等の整備について
 重点的な支援を行う。
3)山間奥地においては、国と地方の役割分担に留意しつつ、地域の産業や生活の基礎条件
 となる道路整備を計画的かつ重点的に支援する。
4)地域の創意工夫を活かした新たな産業の創出・立地や地域文化の振興・交流等を図るた
 め、「高度情報通信インフラ整備地域」を定めるなど、幹線道路と情報通信基盤を一体的
 かつ重点的に整備する。
5)地域振興プロジェクトなど他の関連事業と連携を図りながら、沿道の交流拠点において
 道路利用者サービスの高度化や多様化を図り、地域が行う情報提供などと連携して道路交
 通情報を提供することにより、地域の社会経済活動の活性化を図る。

(2)具体的施策
1)地域高規格道路の重点整備
  地域の発展の核となる都市圏を育成し、地域の独自的な発展のポテンシャルの向上が効
 果的に図られるよう、地域の自発的参加を得て策定された地域活性化に関する計画を支援
 する地域高規格道路について、地域の交通特性と整備コストの削減に配慮した弾力的な道
 路構造で、重点的な整備を推進する。
2)市町村連絡道路および生活中心都市連絡道路の重点整備
  生活基盤の確保を市町村の相互連携や都市との連携を図るべく、学校や福祉施設、医療
 施設等の公共施設の整備等に合わせ、原則として、同一地方生活圏(2次生活圏)内の隣
 接する市町村間の連絡を30分以内で行えるように、また、生活中心都市への連絡を30
 分以内で行えるように道路の重点整備を進めることが必要である。
  そのため、これらの隣接市町村連絡や生活中心都市連絡に必要な路線について重点的な
 整備を進めていく。
3)奥地等においては、国と地方の役割分担に留意しつつ、奥地等産業開発道路の整備を計
 画的かつ重点的に支援する。また地域の自然環境や文化を活用したグリーン・ツーリズム
 等の進展を踏まえた自由時間対応型の産業を支援する道路整備を進める。
4)「高度情報インフラ整備地域」の重点整備
  在宅勤務の普及等による新たな産業の創出・立地による活力ある地域の形成を図る
 ため、高速道路のインターチェンジ、鉄道駅などで交通の便が確保されている地域におい
 て、「高度情報通信インフラ整備地域」を指定し、情報通信インフラを重点的に整備す
 る。
5)地域情報化の拠点形成
  地域交流拠点を形成するとともに、道路利用者サービスの高度化や多機能化を図る
 ため、地域が行う情報提供と連携して道路交通情報を提供し、地域情報化の拠点を形成す
 る「道の駅」を地域振興施設整備などの関連事業と連携して整備する。

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