サービス目標6:(信頼性の高い道路空間の確保) 暮らしの安心を確保するため、日常の生活を支え、災害に対して安全で信頼性の高い道路空間を確保する
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1.現状と課題 (1)道路ストックの増大とともに、これまでに整備した施設の老朽化が進み、 今後維持管理費が大きく増加していく傾向にある。一方、これらのストックを次 世代に良好な状態で引き継ぐ必要がある。 (2)積雪寒冷地域は国土の約6割もの広大な面積を占め、ここでは北欧四カ国 (デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)に匹敵する経済規模 を有する。降雪・低温の気象条件下としては、世界に類を見ない活発な社会・経 済活動が展開されている。今後とも積雪寒冷地域の高度な社会・経済活動と生活 水準を維持するため、冬期における安全で快適な通行の確保を図る必要がある。 (3)我が国は厳しい自然条件下にあって、自然災害が発生しやすい。特に阪 神・淡路大震災等の大災害を契機に、安心して暮らすことができる国土づくり や、災害に対して安全で信頼性の高い道路空間の確保について、国民からの強い 要望がある。 2.施策の方向 (1)基本的方向 1)安全で快適な通行の確保 1.道路ストックの適切な維持管理による安全で快適な通行の確保 将来にわたって道路ストックを健全な状態に維持していくため、より的確な維 持管理の手法を確立するとともに、維持管理費の抑制を目指す。 2.雪寒事業の重点的な実施による雪ぐにの安全で快適な通行の確保 冬の安全で快適な通行の確保は、雪ぐににおける地域の振興と豊かな暮らしを 実現する上で不可欠であり、除雪・防雪等の事業について費用対効果を視点に入 れつつ重点的に進める。 2)災害に対して安全で信頼性の高い道路空間の確保 1.防災事業の重点的な実施による安全と信頼性の確保 災害に強い国土・地域の形成を目指し、生活と経済を支える道路について重点 的に防災対策を実施し、災害時にも通行機能が確保される安全で信頼性の高い道 路ネットワークの構築を図る。 2.防災管理の情報化・監視等の強化による安全と信頼性の確保 災害による被災の防止・影響の軽減を図るため、落石防止工などの防災事業に 加え、今後は情報化や地域との連携・協力などのソフト面も組み入れ、総合的な 道路防災管理の強化・高度化を目指す。 (2)具体的施策 1)安全で快適な通行の確保 @道路施設の健全度評価システムの構築と維持管理の計画的な実施、修繕・更新 技術の開発 道路施設の健全度を評価するシステムと、これにもとづく計画的な維持管理計 画手法を確立する。また、メンテナンスフリー(注23)を目指した構造物、低 コストで工事期間の短い修繕・更新技術の開発を進める。 A道路の除雪・防雪事業等の充実、地域との連携・協力による雪対策の実施 雪ぐにの暮らしを支える道路について、冬期においても安全で快適な通行を確 保するため、消雪施設等による凍結路面対策を重視した道路の除雪・防雪事業を 進める。 また、住民と連携した生活道路や歩道の除雪、沿道の商業施設と連携した歩道 消雪施設の整備等、道路管理者と地方公共団体、住民をはじめとする地域社会が 連携・協力した雪対策を進める。 2)災害に対して安全で信頼性の高い道路空間の確保 1.広域的な幹線道路ネットワークの整備による代替路の確保 高規格幹線道路、地域高規格道路等の広域的な幹線道路ネットワークの整備を 進め、災害の発生に対して代替路となる経路を確保する。 2.地域の社会・経済活動を支える道路についての防災事業の重点実施 地域の拠点(行政機関、交通・物流拠点、医療福祉施設等)間を結ぶ主要な道 路や、代替路がない道路等について、重点的に防災事業を実施する。また、市街 地においては、沿道施設等を含めた耐震性の向上に努める。 3.市街地におけるライフラインの確保 災害時に、水道、ガス、電気、通信等のライフラインの安全を常に確保するた め、市街地において、共同溝、電線共同溝の整備を進める。 4.防災管理の情報化の推進 迅速に災害発生の情報を収集し、道路利用者への通行止めや迂回路の指示等、 適切な情報の提供を行うため、気象観測装置、道路情報板など災害情報システム の整備を進める。また管理の一層の高度化を目指して、岩盤斜面計測等の技術開 発を進める。 5.地域と連携した防災管理体制の強化 地域の住民や道路利用者が、住居付近や日常的に利用する道路における斜面等 の状態を監視し、異常の通報を行うなど、地域と連携した道路防災管理の強化を 図る。また、事前通行規制や廃道の適切な措置により被災を回避し、総合的な道 路の信頼性向上を図る。 |
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