サービス目標8:(高度情報通信社会の支援) 高度情報通信社会の構築に貢献するため、道路交通分野の高度情報化を推進するとともに情報ハイウェイの構築を支援する
|
1.現状と課題 近年の情報通信技術の飛躍的な進歩に伴い、家庭をはじめ、生産・物流システム、商取 引等各種の企業活動などにおいて情報化が急速に進展している。社会の高度情報化は、国 民生活の利便性の向上のみならず、経済構造改革をリードする新たな産業の創出や情報に 関する時間的・空間的な制約を大幅に解消することにより、社会・経済コストの低減を図 り、活力ある国土の形成や国際競争力の確保にも資するものとして大いに期待されてい る。このような高度情報化に対応した社会の構築は、欧米をはじめ世界的規模で取り組ま れている大きな潮流である。 高度情報化に対応した社会(高度情報通信社会)の構築により、新産業の創出や活力ある 国土の形成、ゆとりと豊かさの実感できる社会の実現を図るためには、情報通信ネット ワークである情報ハイウェイの構築が緊急課題である。また国民生活の基本となる道路交 通分野においては、交通事故や渋滞などの道路交通問題が深刻化しており、その抜本的な 解決を図るために道路交通システムの高度情報化(ITS[注17])の推進が求められて いる。 2.施策の方向 (1)基本的方向 1)情報ハイウェイの構築支援による高度情報通信社会の実現 高度情報通信社会の早期実現に不可欠な光ファイバー網をはじめとした情報ハイウェイ の構築支援を道路政策の一環として、情報通信政策との緊密な連携の下に、推進する。 2010年までに光ファイバー網の全国整備を目指す政府全体の方針に基づき、道路管理の 高度化とともに、高度情報通信社会の構築を促進するため、情報通信ニーズの高い区間に おいて情報BOX等により道路が標準的に備える施設として光ファイバー等の情報通信 ケーブルを収容する空間を計画的に整備する。 2)道路交通サービスの高度化 道路交通問題を解決するとともに、移動の利便性の向上を図るため、道路交通システム の高度情報化(ITS[注17])を道路交通サービス高度化のための戦略的手段として位 置づけ、産学官の連携のもと研究開発、実用化を推進する。 システムの構築にあたっては、国際的な動向を踏まえるとともに、システム間及び他機 関との互換性の確保など効率的なシステムづくりを推進する。 (2)具体的施策 1)情報ハイウェイ構築の支援 道路管理用光ファイバー網の整備に加え、高度情報通信社会を支える民間等による 光ファイバー網の整備を支援するため、都市の中心部のみならず高速道路のインターチェ ンジ周辺の先端産業立地地域など情報通信ニーズの高い区間において、情報BOX等によ り道路が標準的に備える施設として収容空間を計画的に確保する。 2)道路交通システムの高度情報化(ITS[注17])の推進 道路ネットワークの整備に加え、道路交通全般において、高度情報化を推進し、安全か つ円滑で効率的な道路交通システムの実現を図る。 1.リアルタイムな道路交通情報等の提供 渋滞の解消や物流の効率化、環境負荷の低減などを図るため、VICSによる渋滞情報 や事故、気象条件による規制情報、駐車場情報などのきめ細やかな提供を図る。 また航空その他の他機関情報の提供によるマルチモーダル政策の推進を図る。 2.料金所のノンストップ化 料金所での渋滞解消やキャッシュレス化によるドライバーの利便性の向上、管理コスト の低減等を図るため、全国の高速道路の料金所にETC(注18)(ノンストップ自動料金 収受システム)の導入を図る。 3.安全走行支援技術の実用化 前方の危険警告や衝突の自動的な回避などを図るAHS(注19)(自動運転道路システ ム)について、安全走行支援技術の早期実用化を図る。 4.物流の効率化の支援 物流の効率化を図るため、商用車が必要とする道路交通情報の提供に加え、その他の運 行支援情報を提供するシステムの開発とモデル導入を図る。 5.地域情報化の拠点形成 地域情報化の一環として道の駅やサービスエリアなどにおいて地域が主体的に行う情報 提供と連携して、道路交通情報を提供することにより、地域情報化の拠点形成を支援す る。 6.道路管理の情報化その他 道路管理の効率化や交通の信頼性確保の観点からの情報化を推進する。特に高度情報通 信社会においてデータ面での基盤となるGIS(注26)の標準化動向を見極めつつ、道路 関係データの形式の統一化、データベースの整備など、道路交通全般にわたり共通して情 報を効率的に利用、提供できる環境整備を推進する。 その他、歩行者等の支援を図る分野など広範囲な分野で高度情報化に関する研究開発を 推進する。 | |
| |
![]() サービス目標コンテンツへ |
![]() 戻る |