1)道路事業の効率化
限られた財源を有効に活用し、道路事業を効果的・効率的に進めていくため、利用者のニーズに的確に対応した必要性の高い分野に重点投資を図ることにより、投資効果の向上とその早期発現に努める。
i. |
重点投資を行う分野の明確化
限られた財源により、社会・経済状況の変化や国民のニーズに的確に対応するため、重点的に対応すべき投資分野を明確化し、予算の重点化を図る。 |
ii. |
投資効果の早期発現
道路事業の実施にあたっては、事業箇所を厳選し、重点投資を行うなど、供用開始を早めることにより、投資効果を早期に発現させる。 |
iii. |
コスト縮減策の推進
「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」等に基づき、平成11年度までに所要の施策を完了し、平成8年度に比較して少なくとも10%以上のコスト縮減を目指すとともに、維持補修コストを含めたライフサイクルコストの縮減に積極的に取り組む。 |
iv. |
他の施策との多様な連携の推進
地域の活性化や福祉の向上等の横断的な政策テーマについては、他省庁や地方公共団体、民間等の様々な施策・事業とのより一層積極的な連携を推進する。 |
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2)評価システムの導入
効率的な施策展開、事業執行のため、客観性を確保した評価システムを構築し、個別事業及び施策の評価を行う。評価結果は公表するとともに、可能な限り、計画の見直し、施策の改善に反映させることにより、効率的な事業推進を図る。
i. |
個別事業の評価
新規事業採択にあたっては、平成9年度より費用便益比(B/C)を含めた評価指標(案)を用いて、評価を実施しているところであるが、評価手法の充実を図る。
また、事業途中段階においては、事業採択後長期間が経過している事業等について評価を実施し、その結果を公表する。さらに、事業完了後においても、必要に応じ事後評価を実施する。 |
ii. |
施策の評価
個別事業の評価に加えて施策の評価を行うため、渋滞対策、交通安全対策等の施策毎に目標を設定し、その達成状況等について客観的な指標を用いた評価手法を開発して、評価を行う。評価結果を踏まえ、必要に応じて、計画の見直しや施策の改善を行う。 |
iii. |
社会実験の積極的実施
社会的に大きな影響を与える可能性が高い新しい施策の導入にあたっては、関係者や住民の参加のもと、場所や期間を限定して試行・評価する社会実験を積極的に実施する。
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交通需要マネジメント(TDM)施策 |
長岡市 |
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トランジットモールの整備 |
浜松市 等 |
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3)透明性の確保、パブリック・インボルブメント(PI)の実施
行政情報の公開や政策への国民の意見の反映により、国民の理解の得られる形で道路政策が実施されるように努める。
i. |
透明性の確保
高速自動車国道から市町村道、都市計画道路の事業着手及び完了年度を明示した整備プログラムを策定、公表する。大規模な道路事業の計画の早期段階でのルートや構造、特殊法人の経営内容等の情報公開に取り組み、道路事業の透明化を図る。 |
ii. |
パブリック・インボルブメントの実施
国民との対話を行いながら施策の展開を図るため、地域に密着した事業への住民参加の促進や国民のニーズが直接把握できる仕組みの充実を図る。 |
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4)パートナーシップの確立
関係する機関や国民等社会全体との相互理解を深め、効率的に施策を実行するため、国民と行政、官と民、国と地方が適切に役割分担した新しいパートナーシップを構築する。
i. |
国民と行政の役割分担
生活に密着した地域的な道路については、地域住民の適切な参加の下に管理が行われる仕組みの検討・具体化を図る。 |
ii. |
官と民の役割分担
高速道路空間等の活用による利用者サービスの向上等を図るため、民間の資金、技術力、経営のノウハウといった民間活力の一層の活用を図る。
また、限られた財源を有効に活用し、効率的に事業を実施していくため、道路整備に民間活力を活用する手法(BOT等)について、対象事業の範囲、条件、手続き等、我が国の実状に適合した制度や仕組みを検討し、具体化を図る。
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高速道路の機能を活用する民間の集客施設等の連結 |
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既存IC周辺の利用可能地での民間の利便増進施設の占用 |
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VE方式(バリュー・エンジニアリング方式)、技術提案総合評価方式の導入等 |
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iii. |
国と地方の役割分担
国は、地方公共団体では適切かつ効率的な対応が困難である広域的・根幹的道路網の管理・整備を実施し、根幹的な道路網を核として、全体ネットワークが効率的に機能するよう、広域的な視点での支援を必要に応じ行うなど、国と地方の適切な役割分担を図る。
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