第2回道路空間のユニバーサルデザインを考える懇談会 議事概要
  1. 日時:平成12年10月2日(月) 15:00〜17:30
     
  2. 場所:九段会館 2階 鳳凰の間
     
  3. 議事:「道路の構造に関する基準」及び「信号機等に関する基準」について
     
  4. 出席者:別添資料参照
     
  5. 主な発言要旨は以下のとおり
     
  6. ■「道路の構造に関する基準」及び「信号機等に関する基準」について

    重点整備地区以外の地区については、バリアフリー化としてどのような内容を実施するのか。また、バリアフリー化の判断は、誰が行うのか。
    視覚障害者誘導用ブロックの色は、地方では道路や周辺の関係から必ずしも黄色でなくともよいと伺っているが、黄色を原則とすることが望ましいと考える。
    身体障害者用駐車施設において、屋根を設置することは望ましい。しかし、身体障害者用駐車施設において、一般の方が利用していることに対して対応してほしい。
    便所におけるオストメイト対応の施設は、水洗器具ではなく温水器具が望ましい。
    昨年、兵庫県において車いす使用者と視覚障害者が、踏切内で事故に遭い亡くなっているが、踏切内における視覚障害者の誘導はどのように行うのか。
    音響式信号機については、長年使用されている方式がある。そのため、新たな方式を採用する場合には、これまでの方式に慣れている視覚障害者がとまどうため、相当な期間の研究と当事者参加が必要である。
    歩行者と自転車の接触が事故のもとである。自転車道が整備されるには長期間かかるため、自転車に対する取り締まりを早期に実施してほしい。
    電柱・看板・自動販売機などの占用物件は、非常に危ないため撤去してほしい。
    高齢者はすり足や前のめりに歩くため、歩車道段差など1cmぐらいの段差につまづきやすい。そのため、段差に印を付けるなど、つまづきに対する対策を実施してほしい。
    交通バリアフリー法に基づく建設省と警察庁の基準は、運輸省と十分に調整を図って決定してほしい。例えば、音声案内の誘導方法や、階段の踏み面端部の色付けなどについては、場所によって異なるととまどってしまう。なお、階段の踏み面端部の色付けについては、東京駅において階段の端部のみ色付けしているがほとんど見えないため、階段の全体に線をつけることで統一してほしい。
    階段端部の色を変えることは、なかなか実現されていない。階段の段の識別については、階段を見上げる場合と見下ろす場合の双方を考える必要がある。階段端部に色を付ける場合、その線幅は、広くすると、上から見下ろす場合に段を識別できない。弱視者は、色と面積の両方により識別しているため、今後実験・研究が必要である。
    融雪施設及び除雪対策の充実について、「著しく支障を及ぼす恐れのある箇所」において実施することとしている。この表現によると、事故があった箇所など危険な場所でないと対応しないように読める。バリアフリーを考える上で最も大切なことは、危険な目に遭わないことである。基本理念の中でもよいが、危険に対する対処方法を示してほしい。
    歩車道境界段差2cmは、特に脊髄損傷などによりしっかりと車いすに乗れない人にとっては、つまづいて車いすから落ちる危険性がある。そのため、段差2cmの境目に印をつけるなど、危険防止が必要である。
    車いす使用者にとって、踏切の通過が最も危険性が高い。タイヤを太くするなど自衛手段を講じているが、通行可能か否かの判断に迷う。
    バス停における歩道の高さ15cmは、バスから出る車いす使用者等のためのスロープ板の勾配が14度となることを想定して設定されている。しかし、14度の勾配は、車いす使用者が通行するためにはかなりきついと考える。スウェーデンなどにおいては、バスのニーリングなどにより対応している。
    各自治体においては、福祉のまちづくり条例等により、既にバリアフリー化の対策を実施している地域もある。例えば、歩道の構造についてフラット形式を主流としている自治体もあり、また、視覚障害者誘導用ブロックについて神戸方式など地域独自の方式を採用し評判の高い構造もある。これらの既存の対策を実施済みの箇所について、今回の基準との整合性を図る場合、ゆるやかに変更することを可能としてほしい。
    重点整備地区は、乗降客5千人以上の鉄道駅を含む地区を対象としているが、地方では、5千人未満の場合も対象とした方がよいのではないか。また、乗降客5千人未満の鉄道駅を含む地区についても、積極的にバリアフリー化を図るように、県や市を指導して頂きたい。
    点字ブロックの敷設方法については、早期に統一すべきという声が挙がっているが、早急に行ったことにより大事なことを見逃してしまわないようにすることが必要である。
    今回の道路の基準は、重点整備地区に限らず、これからのバリアフリー化の基準になると考えている。駅舎については、乗降客5千人以上を対象としているが、駅がまちづくりの面で重要であることを勘案すると、道路と駅舎の一体化・連続性が必要である。そのため、今後、乗降客5千人以上の規定は、無くす方向にしてほしい。
    駅周辺の違法駐輪対策については、鉄道管理者の用地確保により駐輪場を整備するなどの施策を実施してほしい。
    歩道の段差等については、周囲のちょっとした支援があれば、ほぼ解決できる。路上違法駐輪や自動販売機等の人工的な障害物は、障害者にとって最も不愉快なものであるため、バリアフリーの実現にあたっては、一般の方への指導と啓発を進めて頂きたい。
    自分の行く手に違法駐輪があり目的地に行けない場合、体の不自由を押して行動している本人の努力がそがれるため、違法駐輪対策をお願いしたい。 また、身体障害者用駐車施設に一般の方が駐車している場合、強制的に移動してほしいという意見も出ている。身体障害者用駐車施設に一般の方が駐車することへの対策としては、免許証取得・更新時における教科書・教本などに、明記することが考えられる。
    バスについて低公害の車両を使用するなど、環境に負荷を与えない製品・商品を使用することを明記できないか。
    自転車駐輪場について、自治体が多額の費用をかけて整備していることは認識している。銀行など民間の施設の自転車置き場については、自転車が乱雑に並べられており、倒れて高齢者が骨折するなどの危険性があるため、指導できないか。
    バリアフリーの実現にあたっては、健常者が身体障害者等に手を貸すなどボランティアの向上策も合わせて実施すべきであると考える。

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