1-1 |
基準の目的 |
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本基準は、舗装の構造に関する一般的技術的基準を定めるものとする。 |
1-2 |
舗装の構造の原則 |
(1) |
舗装は、道路の存する地域の地質、気象その他の状況及び当該道路の交通状況を考慮し、通常の衝撃に対して安全であるとともに、安全かつ円滑な交通を確保することができる構造とするものとする。 |
(2) |
舗装の構造の決定に当たっては、道路の存する地域の状況、沿道の土地利用の状況及び自動車交通の状況を勘案して、当該舗装の構造に起因する環境への負荷を軽減するよう努めるものとする。また、舗装発生材及び他産業再生資材の使用等リサイクルの推進に努めるものとする。 |
(3) |
車道及び側帯の舗装は、自動車の安全かつ円滑な交通を確保するため、道路の存する地域の状況、自動車交通の状況を勘案して必要がある場合においては、雨水を道路の路面下に円滑に浸透させることができる構造とするものとする。 |
(4) |
積雪寒冷地域に存する道路の車道及び側帯の舗装の施工に当たっては、路床の状態を勘案して必要がある場合においては、路床土の凍結融解による舗装の破損を防止する対策を行うものとする。 |
1-3 |
用語の定義 |
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本基準において用語の意義は、道路法(昭和27年法律第180号)及び道路構造令(昭和45年政令第320号)によるほか、以下による。 |
(1) |
疲労破壊輪数
舗装道において、舗装路面に49キロニュートンの輪荷重を繰り返し加えた場合に、舗装にひび割れが生じるまでに要する回数で、舗装を構成する層の数並びに各層の厚さ及び材質(以下「舗装構成」という。)が同一である区間ごとに定められるものをいう。 |
(2) |
塑性変形輪数
舗装道において、舗装の表層の温度を60度とし、舗装路面に49キロニュートンの輪荷重を繰り返し加えた場合に、当該舗装路面が下方に1ミリメートル変位するまでに要する回数で、舗装の表層の厚さ及び材質が同一である区間ごとに定められるものをいう。 |
(3) |
平たん性
舗装道の車道(2以上の車線を有する道路にあっては、各車線。以下(3)において同じ。)において、車道の中心線から1メートル離れた地点を結ぶ、中心線に平行する2本の線のいずれか一方の線(道路構造令第31条の2の規定に基づき凸部が設置された路面上の区間に係るものを除く。)上に延長1.5メートルにつき1箇所以上の割合で選定された任意の地点について、舗装路面と想定平たん舗装路面(路面を平たんとなるよう補正した場合に想定される舗装路面をいう。)との高低差を測定することにより得られる、当該高低差のその平均値に対する標準偏差で、舗装の表層の厚さ及び材質が同一である区間ごとに定められるものをいう。 |
(4) |
浸透水量
舗装道において、直径15センチメートルの円形の舗装路面の路面下に15秒間に浸透する水の量で、舗装の表層の厚さ及び材質が同一である区間ごとに定められるものをいう。 |
(5) |
舗装計画交通量
舗装の設計の基礎とするために、道路の計画交通量及び2以上の車線を有する道路にあっては各車線の大型の自動車の交通の分布状況を勘案して定める大型の自動車の1車線あたりの日交通量をいう。 |
(6) |
舗装の設計期間
自動車の輪荷重を繰り返し受けることによる舗装のひび割れが生じるまでに要する期間として道路管理者が定める期間をいう。 |
(7) |
舗装の性能指標
舗装の性能を示す指標をいう。 |
2-1 |
舗装の設計期間 |
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舗装の設計期間は、当該舗装の施工及び管理にかかる費用、施工時の道路の交通及び地域への影響、路上工事等の計画等を総合的に勘案して、道路管理者が定めるものとする。 |
2-2 |
舗装計画交通量 |
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舗装計画交通量は、一方向2車線以下の道路においては当該道路の大型の自動車の方向別の日交通量のすべてが1車線を通過するものとして、一方向3車線以上の道路においては、各車線の大型の自動車の交通の分布状況を勘案して、大型の自動車の方向別の日交通量の70%以上が1車線を通過するものとして、当該道路管理者が算定するものとする。
なお、道路の大型の自動車の方向別の日交通量は、当該道路の計画交通量、当該道路の存する地域の発展の動向、将来の自動車交通の状況等を勘案して、別途公表する算定方法を参考に、当該道路管理者が定めるものとする。 |
2-3 |
舗装の性能指標の設定 |
(1) |
舗装の設計前に、道路の存する地域の地質及び気象の状況、道路の交通状況、沿道の土地利用の状況等を勘案して、当該舗装の性能指標及びその値を定めるものとする。 |
(2) |
舗装の性能指標の値は、原則として施工直後の値とする。 |
(3) |
舗装の性能指標の値は、施工直後の値だけでは性能の確認が不十分である場合においては、必要に応じ、供用後一定期間を経た時点の値を定めることができるものとする。 |
2-4 |
舗装の性能指標 |
1. |
車道及び側帯の舗装の必須の性能指標 |
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車道及び側帯の舗装の必須の性能指標は、疲労破壊輪数、塑性変形輪数及び平たん性とする。 |
2. |
雨水を道路の路面下に円滑に浸透させることができる構造の舗装の性能指標 |
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車道及び側帯の舗装の性能指標は、雨水を道路の路面下に円滑に浸透させることができる構造とする場合においては、1.に浸透水量を追加するものとする。 |
3. |
必要に応じ定める舗装の性能指標 |
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1.又は2.に定める舗装の性能指標のほか、必要に応じ、すべり抵抗、耐骨材飛散、耐摩耗、騒音の発生の減少等の観点から舗装の性能指標を追加するものとする。 |
2-5 |
舗装の性能指標の基準値 |
1. |
車道及び側帯の舗装の必須の性能指標 |
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(1) 疲労破壊輪数 |
1) |
車道及び側帯の舗装の施工直後の疲労破壊輪数は、舗装計画交通量に応じ、次の表の右欄に掲げる値以上とするものとする。
舗装計画交通量
(単位 1日につき台) |
疲労破壊輪数
(単位 10年につき回) |
3,000以上 |
35,000,000 |
1,000以上3,000未満 |
7,000,000 |
250以上1,000未満 |
1,000,000 |
100以上250未満 |
150,000 |
100未満 |
30,000 |
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2) |
1)の疲労破壊輪数は、舗装の設計期間が10年以外である場合においては、1)の表の右欄に掲げる値に、当該設計期間の10年に対する割合を乗じた値以上とするものとする。 |
3) |
1)の疲労破壊輪数は、橋、高架の道路、トンネルその他これらに類する構造の道路における舗装等舗装以外の構造と一体となって耐荷力を有する場合及び舗装の修繕の場合においては、1)の基準によらないことができる。 |
4) |
1)の疲労破壊輪数は、舗装の設計期間における交通量及びその輪荷重が設定され、又は正確に予測することができる道路においては、1)の基準によらず、その交通量及び輪荷重に基づく載荷輪数以上とするものとする。 |
(2) 塑性変形輪数 |
1) |
車道及び側帯の舗装の表層の施工直後の塑性変形輪数は、道路の区分及び舗装計画交通量に応じ、次の表の右欄に掲げる値以上とするものとする。
区分 |
舗装計画交通量
(単位 1日につき台) |
塑性変形輪数
(単位 1ミリメートルにつき回) |
第1種、第2種、第3種第1級及び
第2級並びに第4種第1級 |
3,000以上 |
3,000 |
3,000未満 |
1,500 |
その他 |
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500 |
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2) |
1)の塑性変形輪数は、積雪寒冷地域に存する道路、近い将来に路上工事が予定されている道路その他特別の理由によりやむを得ない場合においては、1)の基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、当該基準によらないことができる。 |
3) |
アスファルト・コンクリート舗装の塑性変形輪数については、耐骨材飛散等の観点から、1)の基準の範囲内で、その値を定めることができる。 |
(3) 平たん性 |
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車道及び側帯の舗装路面の施工直後の平たん性は、2.4ミリメートル以下とするものとする。 |
2. |
浸透水量 |
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1) |
車道及び側帯の舗装路面の施工直後の浸透水量は、道路の区分に応じ、次の表の右欄に掲げる値以上とするものとする。
区分 |
浸透水量
(単位 15秒につきミリリットル) |
第1種、第2種、第3種第1級及び
第2級並びに第4種第1級 |
1,000 |
その他 |
300 |
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2) |
1)の浸透水量は、積雪寒冷地域に存する道路、近い将来に路上工事が予定されている道路その他特別の理由によりやむを得ない場合においては、1)の基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、当該基準によらないことができる。 |
3-1 |
施工方法 |
|
舗装の施工に当たっては、環境への影響の少ない施工方法、工期が短い等道路の交通への影響の少ない施工方法等を積極的に採用し、広域的な環境の保全、道路利用者及び地域への影響の緩和に努めるものとする。 |
3-2 |
舗装の施工 |
(1) |
舗装の施工に当たっては、交通の安全及び他の構造物への影響に留意し、安全かつ確実に行うものとする。 |
(2) |
舗装の施工に先立ち、原地盤、橋梁床版、舗装の下層等(以下「舗装の施工の基盤」という。)の状態を確認し、必要に応じ、舗装の施工の基盤の改良、舗装の設計の見直し等必要な措置を講じるものとする。 |
(3) |
積雪寒冷地域における路床土の凍結融解の影響の緩和、道路の地下に設けられた管路等への交通荷重の影響の緩和、舗装の設計及び施工の効率向上等の観点から合理的であると認められる場合においては、積極的に原地盤等の改良を行うものとする。 |
(4) |
舗装の性能を向上させるための予防的工法については、施工及び管理にかかる費用等を総合的に勘案して有効であると認められる場合においては、積極的に採用するものとする。 |
3-3 |
周辺施設の施工 |
|
排水施設、消融雪施設等舗装の施工及び管理に影響を及ぼす施設は、舗装の構造の保全及び安全かつ円滑な交通の確保の観点から必要な条件を明確にした上で、舗装と同時に施工するよう努めるものとする。 |
3-4 |
施工の記録 |
(1) |
舗装の管理を適切に行うため、舗装の種別、施工年月、構造その他必要な事項を台帳等に記録しておくものとする。 |
(2) |
優れた施工技術を蓄積するため、新材料を使用した場合又は施工方法に新技術を活用した場合においては、施工管理等に関する調査を行い、その結果を記録しておくものとする。 |
4-1 |
舗装の性能指標の確認 |
(1) |
舗装の施工直後に、舗装の性能指標の値について確認するものとする。 |
(2) |
舗装の性能指標の値について、供用後一定期間を経た時点の値を定めた場合においては、その時点で確認するものとする。 |
4-2 |
舗装の性能指標の測定方法 |
1. |
車道及び側帯の舗装の必須の性能指標 |
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(1) 疲労破壊輪数 |
1) |
車道及び側帯の舗装の疲労破壊輪数は、任意の車道(2以上の車線を有する道路にあっては、各車線。)の中央から1メートル離れた任意の舗装の部分の路面に対し、促進載荷装置を用いた繰り返し載荷試験によって確認できるものとする。 |
2) |
1)の疲労破壊輪数は、当該舗装道の区間の舗装と舗装構成が同一である舗装の供試体による繰り返し載荷試験によって確認できるものとする。 |
3) |
当該舗装道の区間と舗装構成が同一である他の舗装道の区間の舗装の疲労破壊輪数が過去の実績からみて確認されている場合においては、当該舗装の疲労破壊輪数をその値とするものとする。 |
4) |
別表1に掲げるアスファルト・コンクリート舗装は、任意の舗装の設計期間に対して、2-5 1.(1)1)の基準に適合するものとみなす。 |
5) |
別表2に掲げるセメント・コンクリート舗装は、当該舗装の設計期間を20年として、2-5 1.(1)1)の基準に適合するものとみなす。 |
(2) 塑性変形輪数 |
1) |
車道及び側帯の舗装の表層の塑性変形輪数は、現地における促進載荷装置を用いた繰り返し載荷試験によって確認できるものとする。 |
2) |
1)の塑性変形輪数は、当該舗装道の区間の舗装と表層の厚さ及び材質が同一である舗装の供試体による、試験温度60度とした繰り返し載荷試験によって確認できるものとする。 |
3) |
1)の塑性変形輪数は、試験温度60度としたホイールトラッキング試験によって確認できるものとする。 |
4) |
当該舗装道の区間の舗装と表層の厚さ及び材質が同一である他の舗装道の区間の舗装の表層の塑性変形輪数が過去の実績からみて確認されている場合においては、当該表層の塑性変形輪数をその値とするものとする。 |
5) |
表層に用いられるセメント・コンクリートは、2-5 1.(2)1)の基準に適合するものとみなす。 |
(3) 平たん性 |
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車道及び側帯の舗装路面の平たん性は、3メートルプロフィルメータによる平たん性測定方法又はこれと同等の平たん性を算定できる測定方法によって確認できるものとする。 |
2. |
浸透水量 |
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車道及び側帯の舗装路面の浸透水量は、1,000平方メートルにつき1箇所以上の割合で任意に選定した直径15センチメートルの円形の舗装路面に対し、路面から高さ60センチメートルまで満たした水を400ミリリットル注入させた場合の時間から算定する方法によって確認できるものとする。 |
4-3 |
新しい測定方法の認定 |
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4-2以外の測定方法により、舗装の性能指標の値について、確認できるか否かの判断は、当該道路管理者が行うものとする。なお、独立行政法人土木研究所において、舗装の性能指標の測定方法として認められる方法を公表するので、適宜参考とされたい。 |