■認定までの流れ

○公募期間   平成15年4月28日〜6月27日

  長距離のトラック輸送を海運や鉄道を利用した輸送方法へと転換するものを中心に、23件の実験計画が応募されました。

○検討会の開催 平成15年8月4日

 応募された実験計画について、学識経験者等からなる検討会で審査され、下記の基準により21件が推薦されました。

  

○認定

推薦された実験計画のうち、補助金百万円あたり1年間のCO2排出削減量が大きいものから順に、予算額の範囲内のものを認定することとし、推薦された21件全てを認定いたしました。

 なお、今年度は二次募集を行います。応募期間は平成15年10月3日(金)までです。

■認定後の流れ

○事業開始

 認定された実験計画については、補助金交付に関する手続きを経た後に事業開始となります。

○実施状況報告

 認定を受けて行われる実験については、平成16年2月末に、実施状況の報告を受け、3月に開催する検討会で分析・評価し、結果を公表いたします。

■事業の概要

○今回認定された21件の特徴

・輸送機関を鉄道にシフトするもの …… 16件(76%)

うち、トラックから鉄道へとシフトするもの …… 13件

     海運から鉄道へとシフトするもの …… 3件

海運にシフトするもの …… 5件(24%)

 ⇒ CO2排出量の原単位が、海運よりも鉄道の方が2倍以上小さいことから、鉄道利用にシフトする案件の割合が増加したものと思われます。中には数年前にトラック輸送から海運にシフトしていたものを、鉄道利用へと再度シフトしたものもありました。これは、鉄道と海運の選択についてゼロベースの検討が行われた結果であると考えられます。二次募集においては、海運利用の計画についても多数申請されることが期待されます。

・鉄道利用にシフトするもののうち、31ftコンテナを導入するもの …… 9件

10トン車クラスのトラック貨物をそのまま鉄道に移し変えることができる、31ftコンテナの利用が目立ちました。今後、そうしたニーズに対応し、鉄道へのシフトを拡大していくためには、鉄道による大型コンテナの輸送効率を向上させる等の検討が必要です。

・輸送方法を往復とも転換するもの …… 13件(62%)

⇒ 往路復路とも同一荷主の貨物を運ぶものだけでなく、往路復路で異なる荷主の貨物をそれぞれ確保し、効率的にモーダルシフトを行う計画がありました。

・短距離区間でのモーダルシフト

⇒ モーダルシフトは長距離・大量輸送において有利であり、当然そうした計画の申請が多い中で、100q前後の短距離区間でモーダルシフトを行い、なおかつ相当程度のCO2の排出削減を図るものがいくつか申請されました。

・小規模事業者による取り組み

⇒ 鉄道・海運の利用は長距離大量輸送に適しており、またそうしたモーダルシフトは主に大手企業により取り組まれておりますが、今回、小ロットで季節変動の大きい野菜類等の貨物を扱う中小企業による実験計画を認定いたしました。この実験が成功すれば、こうした小規模事業者でも輸送方法を大量輸送機関利用に転換することの可能性が実証され、他の小規模事業者の参入を促す先導的役割が期待できます。

CO2の排出削減効果

21件で合わせてCO2排出量を年間約2万t-CO2削減する計画です(削減率は平均70%)。これは、東京ディズニーランドの約50倍の面積の森林が吸収する量に相当するものです。

 


NOx、PM等の排出削減効果

 トラックの走行台キロを削減するとともに、都市部の通過交通を削減することにより、NOx、PM等の排出量を削減し、幹線道路沿道や都市部での住環境改善、渋滞緩和、交通事故削減に貢献します。