2.小都市と周辺地域間の交通サービス利用に関する施策

 

(2)個別型交通サービス利用に関する施策

 移送サービス(乗合バス等への乗車が困難で、特別な対応が必要な人を対象とした基本的にドア・ツー・ドア型の交通サービス)については、社会福祉協議会、ボランティア、NPOの役割が重要性を増し、また、福祉分野との連携を強化することが重要と考えられます。

【小都市と周辺地域間の個別型交通サービス利用に関する施策】
 @多様な主体の参画
  ■社会福祉協議会等による移送サービスの提供
  ■民間事業者への委託
  ■ボランティア、NPO法人の活用
  ■介護タクシーの導入促進
 A交通サービスの多目的利用
  ■移送サービスの多目的利用の検討
 B広域連携
  ■市町村外へのサービス対象地域の拡大
  ■複数の市町村等による共同運営

  • タクシーなどの個別型交通サービスについては、特に移送サービスもしくはスペシャルトランスポートが主たる検討対象となります。
  • 基本的な考え方は乗合型交通サービスと重なる部分が多いと考えられますが、運営主体については、社会福祉協議会が中心的な役割を果たす場合が多くなると考えられます。また、サービスの提供にあたっては、ボランティアの活用に加え、今後はNPOの役割も拡大してくるものと考えられます。一方、タクシー事業者も介護タクシーという形で同じ分野へ積極的に進出してきており、地域の実情に応じた交通サービスの選択・調整が必要になってきます。
  • また、乗合型交通サービスにおける異分野連携と同様、移送サービスにおいても、特定の福祉施設の送迎を対象としているサービスについて、買い物・通院等も含めた多目的利用の可能性を検討していくことが必要と考えられます。厚生省においても、国の補助対象事業において、移送サービス車両の有効活用について検討していくこととしており、その動向に留意する必要があります。
  • 広域連携について、社会福祉協議会が行う移送サービスは、市町村内のみをサービスの対象とする場合が多いことから、市町村外へのサービス対象の拡大や、複数の社会福祉協議会等による共同運営等により、総合病院への通院等、広域的な移送ニーズに対応していくことが必要と考えられます。
 
(主要施策の概要)
■ボランティア、NPO法人の活用

<導入のねらいと施策概要>
・地方公共団体や社会福祉協議会が移送サービス等を提供する場合、運営費用削減や運転手確保等の観点から、ボランティアやNPO法人に業務を委託したり、ボランティアやNPO法人による移送サービスの提供を促進する。

<具体的な実施形態等>
・地方公共団体や社会福祉協議会が、運転手としてボランティアを活用したり、ボランティア団体やNPO法人に移送サービスの業務を委託する形態が考えられる。
・ボランティア団体やNPO法人が自ら移送サービスを提供している場合には、その活動を促進していくことが考えられる。

<実施時の留意点>
・事故等の発生時に備えた責任体制の明確化等の対応が必要である。

 
■市町村外へのサービス対象地域の拡大/複数の市町村等による共同運営

<導入のねらいと施策概要>
・社会福祉協議会等が行う移送サービスについて、複数の市町村にまたがる地域にサービス対象を拡大したり、複数の市町村の社会福祉協議会等が共同で運営することにより、広域的な移動ニーズへの対応や運行の効率化が期待される。

<具体的な実施形態等>
・圏域の中心都市に立地する総合病院への通院等の広域的な移動ニーズに対応するため、社会福祉協議会等が行う移送サービスの対象地域を市町村外へ拡大する。
・あるいは、複数の市町村等による共同運営の形態として、関係市町村の社会福祉協議会等が共同で運営を行う形態、広域連合や一部事務組合等の特別地方公共団体等が運営を行う形態が想定される。

<実施時の留意点>
・広域的な移送サービスは車両・運転手の拘束時間が長くなり、利用の公平性が確保できなくなる可能性があるため、利用者に一定の費用負担を求めることが考えられる。
・介護保険制度の導入に伴って広域連合を設置した地域が多数存在することから、介護保険制度の運営との連携に配慮しつつ、適切なサービス運営形態を検討することが求められる。


目次へ    次へ