国土交通省
 国土審議会調査改革部会第3回企画運営委員会議事概要
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  1. 日時
     平成16年1月27日(火)18:00〜20:00

  2. 場所
     中央合同庁舎2号館13階国土計画局会議室

  3. 出席委員(50音順)
     中村委員長、小林委員、武内委員、森地委員、矢田委員

  4. 議事概要
    (1)開会
    (2)「国土の総合的点検」最終とりまとめへ向けて
         事務局より資料説明後、質疑応答。
    (3)閉会

  5. 主な発言内容
    (全体について)
    • たとえば、第二部から第四部については、各小委員会で表題についても非常に議論を重ねてきたところ。第一部の表題は問題意識がわからない。
    • うしろの部分は図表もきれいで面白いが、こうやってサマライズすると面白くない。これだけとっても面白いようにする。そのための第二部から第四部の議論。全部インテグレイトして何を主張したいのか。(小委員会の)上の段階でトータルで何を主張するのか。部品を統合した看板が見えない。看板がハッキリすれば部品がいきてくると思う。
    • 後ろの方(第二部以下)は、今1番問題になっている現象→五全総戦略のレビュー→今後の方向という流れで整理している。第一部の課題が何かアイデンティファイされていない。それがアピールしない理由ともなっている。
    • 五全総はダメだから次という議論をしているときに、五全総のうまくいかなかったところのみ拾ってきてというシナリオになっており、ガラッと変えるというイメージよりも連続性を書いている印象が強い。
    • 第一部では、今までの全総と違うということと、第二部から第四部と違うところを書いていくべき。
    • 国土計画がみんなに本気で関心をもってもらうには、国交省の枠を超えた議論をする必要がある。
    • まず、世の中の人に、こんな問題があるというプロフェッショナルなメッセージを出すのが大事。森地先生が言われたようにみんな何となく感じている不安はあるのかもしれないが、特に国土としての問題を。
    • 読み手は誰かということも大事。本当に参加型国土づくりをするということであれば、アピールする相手は市民にしなくてはならないのではないか。高齢化や地球環境ではどこかで聞いた話。市民の目から見て、今まで知らなかったけれどそういうこともあるのかと、最初に頭に入ってこなければいけない。みんなの心に触れることを前面に出すのが本来の第一部の意義。
    • 現在の国土問題、21世紀の行政はどういう方向へ行くのか、したがって何をポイントとしてやるのかという、全体の構成をフローチャートで書いたらどうか。どこにアクセントをおくかをはっきりすれば書き方が変わってくるし、位置付けもちがってくる。

    (内容について)>

    • 過去の整理をいれる必要。文化などが十分にでていない。また、多軸型国土や国土軸と二層の広域圏の形成の関係について、見識を示す必要がある。多軸型国土や国土軸という考え方を今後使うか否かの整理は総合的点検の課題としてある。
    • たとえば、一極一軸型国土から多軸型国土というように、二層の広域圏についても国土という言葉がつくべきではないか。二層の広域圏の「形成」では、多軸型「国土」との対比にならない。「自立広域圏連携型国土」へか・・・。広域圏と国土をくっつけて売り出さないと。そういうワードをしっかり固めてあとはブレイクダウンしていけばいい。いくつかのキーワードは出ていると思う。
    • 全総は国土政策と新産都市が裏表だった。新全総はネットワーク構想で高速道路整備、新幹線整備は明らかに、声をかけたことと各省庁がやったことが一緒。最近は声をかけなくてもそれぞれが自前の計画をもってやっている。それは地元はよくわかっている。旧国土庁が声をかけようがけかまいが舞台は動いている。全総が一体なんであるのか、四全総あたりから力を失っている、インパクトがないという認識をもっている。
    • 地域連携軸にしても、元々概念が違う。本来は都市・農村の交流や生活レベルの機能分担を言っていた。全体の評価の方法論から本来は入らなくてはいけない。
    • 全総自身がだんだん抽象化されていって、もう少し地に足のついたものをだしたい、そこで地域ブロック計画までおとすということになると、そこでは地図上での整合性をきちっとし、なおかつ地域ごとの将来目標を書こうというスタンス。地域をどうアイデンティファイすれば個性が発揮できるのか、そこは解いていないが、そこを解かなければいけないという問題意識は最後に書いてあり、ブロック計画をどうするかという意味での今日的意義。
    • 地方は、自分のところへどう変化を起こそうとしているか、それをたぐり寄せてどの政策をもってこれるかと考えている。都市再生は典型的なリノベーション。国土を再編して地域の生活を変えていく、総点検にはそういうことが書いていない。五全総にでてきたことを数量的に追っかけている感じが強い。
    • 国民の不安は人口減少・少子高齢化、経済、環境、財政制約、地方分権という5つ。もう一つは、今までの全総は、渋滞の解消のように、国民が不足するものを充足するということがベースに常にあり、それらを統合するコンセプトとして全体コンセプトがあったが、今は、国民の関心は個別の課題ではなく不安にあって、将来像がきちっとでてこないことには。したがって、少なくとも表にだすときには、国民の不安はこれである、国民は不安の解決よりも全体像を求めているという話(を書くべき)。
    • 高度成長の終焉から、国民の不安は環境、オイルショックでエネルギー、プラザ合意後の円高、バブル、産業の海外展開ときたことが、今全部同時にきているのでそれが不安のもとで、同時並行だからこそ国土計画の舞台の装置をもう1回変えなければいけないのではないか。しかし、これまでの対応は問題解決型で全体のデザインをもう1回しなおそうという動きになっていない。今は、国民がみんな不安なのでこういう話を受け入れる素地はあると思うのだが。
    • 不安というのは、地域を維持していく地域力が落ちている。地方都市も大都市もみんな不安。それを警察力で補うという方向もないことはないが、まず地域力を高めていくという方向だと思うが議論が必要。
    • 現状への厳しい認識がたりない。たとえば都心部の空洞化や地方の中央への依存といった大問題など、それぞれの現象になぜなのか、我々なりの理由をつけるべき。郊外化を抑える政策をとっていないのは先進国では日本だけだ。これらについても何も書いてなくて、誰もが知っていることを書いてあるだけ、これでは魅力がない。
    • むしろ参考資料の第2回委員会議事概要の方がここに書くべき内容に近い。国土計画における総合的管理の捉え方、その時代背景と国土計画上の意義や、「国土の均衡ある発展」というこれまでの全総の基本的考え方を今後も維持し続けるのかということを現状の問題の中でどうとらえるのか、環境だけでなく経済、社会資本などを含んだ持続可能性の概念などを書くとより国土計画的になる、といったことを盛り込むことはありえる。
    • この10年の間に、多自然居住地域と大都市のリノベーションの隙間に大問題 が生じている。それは、地方都市問題やコンパクトシティの議論だと思う。大都市の郊外部に問題地域が広がっていて、それに対処するのにコンパクト化、結果的に持続可能性になるというような議論になっている。これまで考えてきた政策の空隙がいっぱいでており、隙間をどうするかが大きな課題としてとりあげられてきている。隙間を積極的に埋めるという方向と、隙間を積極的に埋めるには従来のような考え方でなく、生活圏、広域圏という広がりでマネジメントしてやっていかないと埋まらない。隙間を埋めるためマネジメントしていき、安定的な社会を維持していくということは、開発するより難しい議論であり、今まで経験したことのない行政的な対応のあり方であり、それを国がこれからのあり方として考えていく必要があるという議論が大きな筋かなと思う。
    • 「美しい国土」はそれぞれのインフラ整備が自立的に動いた間の最大の隙間を指摘した。よく言ってくれたという側面はあるが、いろいろな政策として具体的にブレイクダウンして何をやるのかとなると弱いところがある。各自治体が積極的にやるという形でしか現実化していない。言葉だけで終わったとか、地方自治体が受け止めたとか、民間が受け止めてやったとか、予算がついたかは別として、それも政策効果。そういう時代の総括も入れたらどうか。
    • 生活、文化、景観、福祉、医療などもはいるのでは。
    • 文化や美しさがないのはどうか。
    • 特に地方都市の自立性を考えると、文化はそれを支える重要なキーワードだと思う。
    • 景観法は国交省、農水省、文科省が連携しており、国土全体を美しい国土にしようというものなので、それはフォローアップしていく。
    • 東京分散はこれ以上するべきでないというのは賛成。日本の建設業なんて東京がないとみんなアウトだろう。一方、その東京の魅力がないことが大問題だとこの前の経団連の報告書に書かれている。
    • 日本の都市計画は、都市の有り様を支える条件整備ばかりやってきた。いくら条件整備をしても都市の魅力がでるわけではない。そうではなくて、よい都市、他とは違う都市をつくろうといったことは追求されなかった。安くとか便利にとかばかりやっているから、違うことをやると贅沢というふうになったが、目的に金を使うのに贅沢も何もない、そういう発想が違っていたとか書きたい。
    • 魅力をつけるということをもっと前面に出すべき。観光客を呼ぶために安くしなければという話ばかりだが、魅力がないから客はこない。魅力があれば高くても客はくる。
    • 観光については、都市はリノベーションしているが、たとえば河口湖のあたりを再開発するルールがない。土産物屋がべたべたと張り付いたところを再生するのに都市計画は使えない。そうすると、別のことを考える必要があるのではないかとか、そういう話。具体的にはブロック計画のなかで考えるとして、今回は点検だから、具体化するのは乞うご期待としてもいい。次のことをやるためのことを考えたい。
    • 構造特区なども入れてもいい。それなりに意味のあるものも出ている。
    • 高速道路の民営化なども全然ない。高速道路がインフラ整備に今後どう影響を与えるのかもっとも関心があるところ。それは地域にとって国土計画の骨格。
    • 高速道路がすべてだとは思わない。ただ、オランダと九州は同じ面積だが地形が全然異なる。しかし、九州もトンネルを通してつながったとしたら、オランダと九州と何もかわらない。むしろオランダより九州の方がはるかに環境上望ましい国土の可能性ももっている。

      (以上)

(速報のため、事後修整の可能性があります。)


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