国土交通省
 国土審議会調査改革部会第4回企画運営委員会議事概要
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  1. 日時
     平成16年2月17日(火)18:00〜19:30

  2. 場所
     中央合同庁舎2号館13階国土計画局会議室

  3. 出席委員(50音順)
    中村委員長、小林委員、武内委員、矢田委員 

  4. 議事概要
    (1)開会
    (2)「国土の総合的点検」最終とりまとめへ向けて(その2)
    (3)閉会

  5. 主な発言内容
    【全体について】
    • だいぶ形がしっかりしてきた。我々が今回の「総合的点検」で言うべきところはほぼ漏れなく入っている感じがする。
    • 資料2と資料3の関係が、最後のところの項目(第4章)でズレている。4章は項目自体の階層性(大項目、中項目等)が出るといい。
    • 第4章というところで目指すべき国のかたちや今日的意義を書こうと思うので、もう一つ結び(第4章)の枠があっていい。
    • 今日的意義をもう少ししっかりやるといい。全体の構成がこのへん(第4章)からブツブツになってきている。論点列挙的。
    • フローチャートの右側をもうっちょっとしっかりしたものにするといい。
    • 大体網羅してきたと思う。あとはこれをいかに魅力的に文章にするか。
    • ずいぶんすっきりした。

    【「ほどよいまち」という語について】

    • 「ほどよいまち」という言葉についてはもうちょっといい表現はないか。ほどほどにという印象を与える。中庸という言葉はどうか。中庸は、概念も言葉も悪くない。
    • 中庸の大切さ。もともと私は中位といっている。中庸的な地域がいっぱいあることが国土を安定的にするという意味。
    • 一般に伝わるときは報告書に書かれた定義など読まれない。言葉の語感で捉えられる。中庸を( )で入れたらどうだろう。
    • みんながいいというものがあるならそうしたほうがいいのではないか。
    • modest agglomerationというところか。地域的にみても時間的にみてもradical agglomerationでない。
    • せっかくの提案が投げやりなイメージにとられたらつまらない。節度を持つということは必要なコントロールをするということで大変難しい話。
    • 「ほどよい」に近いかどうかわからないが、ヨーロッパでは、medium- sized cityといった表現がよく使われる。日本語だと中規模都市となり何の意味もないが、適当な大きさの都市が安定しているという意味合いをこめて。最適都市。

    【「ランドスケープ」という語について】

    • ランドスケープという語はどうか。
    • ビジュアルな景観だけでない文化等の概念も含んでいるのでランドスケープを使っている。
    • ランドシャフトということだろう。
    • 景域という言葉もある。
    • 土地景観という言い方もあるが。
    • 風土といったところが一番日本語としていい。景観計画でなく、風土計画という言葉を提案している人もいる。
    • 中庸といい風土といい、和辻哲郎に戻ったようだが、( )していれておいたらどうか。風土というと土地の自然的社会的特性ということで、一番よくあてはまる言葉。
    • 本文の中に書き込むことはいいと思うが。本文の中で、ランドスケープと景観を意識した風景という語を使い分けている。国土全体の景観計画はちょっと議論としてなじまない。自然的特性をいかした農村をつくりあげていく、その結果として美しくみえるということにしないと。
    • では、ランドスケープはこのままにしておくか。

    【主体の明確化について】

    • 全体を通してみて、新計画として訴えるときに、国土計画の主体を明確にアピールしたほうがいい。国が計画をつくって公共投資に対する優先順位をつけて、その結果、地域が栄えて人が喜ぶという方式から、国は、結果として束ねる役割ももっているのであって、まず地域の人が地域の価値観に目覚めて自分たちの地域をよくしようとしたときに、自分たちだけではできない限界があるので、連携や広域的な圏域の形成をし、国土が連なって美しく豊かな国になるというイメージ。今のままだと主体がよく見えない。
    • 資料3の7頁に「国の方針と地方との役割分担の明示」とあり、言われたようなことが書いている。
    • この「地方」は地方公共団体と読める。
    • そうでなく、人。人が先にある国土づくりにしていかないといけない。
    • 私の「地域力」ということもそういうこと。
    • 「国土計画の本質」あるいは「目指すべき国のかたち」といったところに書くのか。
    • 様々な主体の役割分担の議論。 
    • 公共投資についてもそれぞれ計画があり、公共投資余力もなくなり、国土計画は要らないとか社会的使命を終了したと言われたときに、そうではないということ、非常に可能性のある国土計画がこういう形でつくられるということをきっちりいっておかないと、何のための国土計画かという議論に繰り返し戻る。こういう観点があるのでこう違う国土計画が作れるということを明確に打ち出したほうがいい。この話と「均衡ある発展」の話は関連する。それぞれの地域でそれぞれの人が満足できるような地域構成を求めていくことに変わっていく。そうすると、求めていくことがなければいけないので、そこは同じ価値観でなく、地域が価値観を生み出す、その結果として違う答えがいくつあってもかまわない。
    • 7頁は、「役割分担を明確化」とあるが中身がはっきりしないために不明確。自治体と住民が一体となって地域を自己管理する等、ハッキリさせていく。プレイヤーをいくつか出して、それなりの性格にして、最後にそれが分担だというふうに言わないと。中身をハッキリさせたら重みをもってくる。

    【投資制約について】

    • 「投資制約」という言葉は、公共としての制約を言っているのか。たとえば、PFI等民の力をいれていくことについては、都市部の力のあるところに集中する等危険な要素もあるが、今新しい力、仕組みの議論として入れられれば。
    • ここで言いたいことは、困ったときにはどちらも作るというわけにはいかなくなるということ。財源制約というべきか。
    • 「財政制約」が近いのだろう。
    • 競合する投資を排除するということを国土計画の中で考えなければいけないと言う。

    【総合的点検の副題について】

    • 総点検の副題を考えてと言われているが、何かアイデアがあるか。
    • 求められる新しい国のかたち。目指すべき国のかたち。
    • 転機にある国土計画、転機に立つ国土計画は。
    • 転機は過ぎたのでは。前に雑誌で、「岐路に立つ国土計画、どこに向かうべきか」というタイトルをつけたことがある。

    【国土計画の成果について】

    • 成果の中に、自立広域圏型の核を形成する中枢中核都市の成長を明確に入れたほうがいい。50万人以上の都市は総じて元気。また、「中央依存の限界」とあるが、個性ある地域づくりの蓄積、高まる地方分権といった下から浮き上がる力に依拠して新しい政策をうつことになるので、次の主体の流れを示したほうがいい。それから、「地域社会崩壊の懸念」もいいが、「地方都市の拠点性の低下」も、ここは10万人以下のイメージで書いている。地方都市だと広いので、中小都市といったことで書く。「地方中小都市の拠点性の低下」といったふうに明確化すべき。
    • でも、中枢都市でも広島等は大変だ。

    【新しいワードについて】

    • 連帯型か連携型か。連帯型はもう少し主体的に結合するイメージ。運動のイメージもあるが。自立連帯型国土とか「ほどよいまち」とか違和感のある言葉がかえって話題になるので、話題のある語を並べるのも戦略としてはあるが、そこは少しつめたほうがいい。多自然居住地域や地域連携軸もワードだった。中身がわからないわりにずーっといく。そういうワードづくりも一つある。そういう観点では、新しいワードが少ない。
    • 一つの大きなポイントは、都市の郊外化、外延化がとめどなく進むのを反対方向へ戻そうという一致した我々の考え方。それが、たとえば「ほどよいまち」、「秩序ある集約化」ということで、露骨に明示的に書かれていない。これからの公共事業もそっちむきの公共事業がより大事だともっとハッキリ言いたい。先進国ですべてコンパクト化の方向に非常に強く進んでいる。
    • フランス流にいうと逆都市化が初めて大規模に起こる。逆都市化がおきたところの市街地だったところをどう美しい国土として再編するか、また、そこへの公共投資が大きな課題。
    • これはまだ総点検だから、新しいキーワードは次の段階ではないか。
    • ヒントを出して、時間をかけて考えてもらいたい。我々も考えるが。「均衡ある発展」も考える。それぞれの地域の特徴ある発展ということを言いたいのだが。


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