国土交通省
 国土審議会調査改革部会
 第2回持続可能な国土の創造小委員会・議事概要

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  1. 日時
     平成15年7月29日(火) 10:00〜12:00

  2. 場所
     中央合同庁舎3号館 11階特別会議室

  3. 出席委員(敬称略)
     武内委員長、植田委員、小田切委員、小池委員、志賀委員、中井委員、林委員、三野委員

  4. 議事概要
    (1)開会
    (2)国土利用の現状と課題について
     (事務局より資料説明後、質疑応答。)
    (3)農林水産業の多様な展開の現状と課題について
     (事務局、志賀委員より資料説明後、質疑応答。)
    (4)閉会

  5. 主な発言内容
    (1)国土利用の現状と課題について
    •  今後の人口減少下や環境問題を考えると、宅地の面積を抑えるとともに、市街地の整理、空いたスペースの有効利用を検討する必要がある。
    •  スプロール化等の土地利用上の問題は、用途別施策の隙間である計画白地地域で起こっている。環境や景観、安心安全といった用途を貫く横串の観点で見ていくことが重要。
    •  市町村が土地利用の計画を作る際に役立つ国土全体をカバーする基礎的で統一的な情報環境の整備が必要。
    •  質的な指標として森林、農地、宅地等がバランスの取れた土地利用をしている「調和ある土地利用」という視点が考えられるのではないか。
    •  土地の価値は自然資本、社会基盤資本、制度資本の総体として決まる。これを整理することで、全総計画と国土利用計画とを統合する成果の新しい切り口となると考える。
    •  アウトカム指標を検討するに当たっては、現状の事象がいかなる問題を引き起こしているのか分析することが必要ではないか。
    •  農業の多面的機能の維持・向上に関して、中山間地域直接支払制度の検証が重要。
    •  人口が減少する中で、宅地の分散やそれに伴う公共サービスの投資や維持の効率性について考える必要がある。
    •  「活力」という観点の指標を考える必要がある。
    •  安全安心、自然との共生、景観。これらのバランスに関する指標を検討できないか。
    •  景観は、それ自体が国土がどれだけ管理されているかを示す定性的な指標であり、景観をさらに指標化することは馴染まないと考える。
    •  景観条例の対象範囲がどの程度国土をカバーしているか、その割合も指標となり得るのではないか。
    •  自然環境の景観、都市の景観についてはそれぞれ個別の視点を広域的に統合することが必要であり、国土計画では、県レベルの取組をどのように誘導するかがポイント。
    •  国土計画では景観条例等を束ねる国の基本方針を作ることが必要ではないか。国土計画の枠の中で一つの重要な柱として、市町村まで通じた体系化を図ることが必要。
    •  国土計画について、あるべき国土の状態、これを達成するための戦略、さらに戦略の下の政策手段の3段階で構成することが必要。具体的な戦略例としては、循環型社会の実現、社会的資産蓄積化、コンパクトシティーや市街地の撤退等の土地利用の集約化、財政自己完結型というべき土地で得た利益を環流させるという視点が考えられる。
    •  土地利用上の判断のためには、社会的な「ハザードマップ」を作成することが必要。例えば、鉄道駅から10km離れているといった地域は、社会的には維持コストが高くハザーダスで、そのような地域からの撤退も必要。
    •  国土計画では、何に取り組むべきかとともに誰が取り組むべきかという視点が重要。

    (2)農林水産業の多様な展開の現状と課題について

    •  森林の管理の概念を林業経営上の管理と多面的機能等それ以外の管理とに区分する必要がある。
    •  農林水産業については、地域経済の中での内的循環の重要性の観点から、食品製造業や農産加工業を分析の対象とすることが必要。
    •  EUでは、農産物が過剰基調であり、農業の縮減と環境保全の観点が一致しているのに対し、我が国では農業政策的には農業生産の増大が必要な状況であり、多面的機能の維持増進に結びつきにくい状況にある。農業生産の増大と多面的機能の維持増進を並進させる農業の姿の議論が必要。
    •  農業・農村政策と国土計画との関連づけについては、有機物資源の循環が都市と農村と森林をつなぐ重要な役割を担っている点に注目すべき。
    •  国土計画らしい農業・農村の捉え方をもう少し考えてみる必要がある。
    •  農業が担っていた物質循環の維持・形成が、産業的に成り立ちにくくなくなる中で、これが国土計画上どのような問題を発生させ、それに対してどのような施策が必要かを分析して見極める必要がある。
    •  物質循環を担う業としての可能性についても、産業連関的にどの程度あるのか検討が必要。
    •  水源税や森林環境税の議論があるように、都市と農山村の水平的関係を国土保全上の課題として位置付け、議論する必要がある。
    •  現行グランドデザインにある流域圏構想を物質循環の基本単位として捉え直すことが必要。
    •  流域圏について、実効性のある施策が行われていないことの原因を明らかにすべき。

(速報のため事後修正の可能性があります。)


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