国土交通省
 国土審議会調査改革部会第2回制度検討委員会・議事概要
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  1. 日時
     平成15年7月25日(金) 10:30〜12:30

  2. 場所
     経済産業省別館11階1111会議室

  3. 出席委員(敬称略)
     森地委員長、岩崎委員、大西委員、大村委員、小林委員、亘理委員

  4. 議事概要
    (新たな国土計画体系の構成等について)

     事務局より資料について説明が行われた後、委員より新たな国土計画体系の構成や策定手続等に関し意見が述べられた。主な内容は以下の通り。(順不同)

    •  全国、広域ブロック、都道府県、市町村という4層の計画の位置付けと相互関係については、基本的に事務局の整理した方向性でいいと思う。ただし、都道府県計画と市町村計画の在り方、国との関係については、都道府県の意見を十分に聴いたうえで考えていくことが重要である。
    •  都道府県計画、市町村計画の内容が今一つ明確になっていない。現行の都道府県レベル、市町村レベルの計画のうち、どのような機能を新たな計画に取り込んで整理していくのか明確にしておく必要があるのではないか。
    •  ドイツ流で言うところの対流原理は計画高権とワンセットである。ある課題に対し誰が主たる権限を持っているのかということがはっきりしているということと、その権限を乱用することなく、上下の組織の考えをいかしながらお互いを尊重するという関係が整理されており、そうした考え方をいかしていくべきでは。
    •  4層の計画についは、全国と広域ブロック計画のセット、都道府県計画と市町村計画のセットはそれぞれ理解できるのだが、その間に線があり、すっきり4層にならない印象を受ける。都道府県計画、市町村計画は、やはり土地利用の側面が強い計画となるのではないか。
    •  地方公共団体の計画については、一元化しようとしている国土計画の体系に加え、条例等に基づいて自発的に作っている自治体の計画との関係などもきちんと整理すべきである。地方分権の推進や対流原理を主張している一方で地方公共団体の負担が増すような体系にするのは逆効果のような気がする。
    •  計画間の関係については、制約条件的な枠組みを規定すること、相互の調整を行うこと、それを行う過程で健全な競争関係を確保するための環境を調整すること、あるいは指針性とかインセンティブの手法をセットすること、などがあるが、資料はその辺りの整理がやや分かりにくくなっているような気がする。特に地域間の競争条件を整備していくという内容は書かれていない。あまりガチガチに固めると、今回の計画にはなじまなくなるが、概念整理としてはクリアにしたほうがいいと思う。
    •  これまでの地域計画における地域の自主性、個性の喪失、あるいは健全な競争原理が働かないなど結果的に効率性が低下してきているという反省を踏まえ、新たな制度では地方分権の理念をどのように取り入れていくか議論することが必要ではないか。
    •  都道府県の計画については、おそらく土地利用基本計画の機能が中心になるのではないか。そのときに現在の土地利用基本計画がもっている性格、個別法の5地域区分との関係はどうなるのか。個別法に対する上位性をもつということも期待できないか、一度チャレンジして、議論してみることも必要ではないか。
    •  都道府県計画、市町村計画については、やはり土地利用がメインなのだろうと思うが、制度に位置付ける意義を明確にする観点から、土地利用については、主たる決定の場が市町村なんだということを一歩踏み込んで表現できないか。
    •  人口が減少し、土地利用圧力が昔のような状況ではなくなったことから、従来の土地利用調整と今日の土地利用調整の意味合いが違ってくる可能性がある。総合的な土地利用調整が必要な時代に入ってきたと考えられるのではないか。
    •  市町村計画は各々の選択に任せるという整理だけではなく、例えば、問題があるときは、広域的なレベルから市町村に勧告するとか、イギリスのように代わって介入していくとか、国の立場から見て本当に必要ならばきちんと要望していくという仕組みも考えられるのではないか。
    •  都道府県の土地利用調整の役割というのはまだまだ大きいと考えられることから、現段階では本日の資料のような都道府県を主体とした仕組みをつくっておくことが重要で、市町村については任意の計画ということでいいのではないかと思う。
    •  新たな国土計画体系では都道府県が中心になっていくと考えられるので、各県ごとに十分な意見交換を行うことも考えてはどうか。
    •  広域ブロック計画における原案作成の仕組みは、ある意味で、都道府県がまとまって国レベルのプロジェクトを提案する提案権を持つということであり、ただ単に個別のプロジェクトが必要だということだけではなくて、広域の中で、プロジェクトの必要性を説明できるトリートメントされた計画を作るべきということを明示的にしておいたほうが良いのではないか。
    •  広域ブロック計画については国があくまで決定主体であるが、地元が原案を作成するという実質的な提案権を持っているとも言える、これまでにない新たな方式であり、そのような視点についてもう少し明確に示していくべきではないか。
    •  広域ブロック計画の原案作成に当たり、協議会の設置という形が不可欠であるとは思わないが、実質的な意味での協議が十分に行われ、地元での意思形成が図られる仕組みが必要なのだと思う。
    •  都道府県からの意見聴取については、どれだけ地元での合意形成が図られているか、また対流原理にもつながる実質的な協議を行っているかということが重要であり、市町村から独自に意見を聴くというやり方もあるが、都道府県が市町村の意見も含め地元の意見をまとめるという仕組みにすることが望ましいのではないか。
    •  計画に実効性を持たせていくため、例えば、ドイツでは広域的に国土に影響を与える様々なプロジェクトや計画に関し空間的な調整を行う、国土整備手続(Raumordnungsverfahren)という仕組みがある。計画づくりだけで事前確定的に将来のことも全て見越すのは現実的に難しいため、このような事後的な調整の仕組みでカバーしていくことも検討してはどうか。
    •  計画圏域については、例えば北陸のように、現場が今よりも選択肢や機会を狭める方向で見直すというのはおかしいのではないか。計画圏域の一部重複は良くて完全に包含する重複関係がだめという整理もはっきりしない面がある。
    •  特定広域計画について、例えば1都3県の計画など、法律に位置付けられた計画としての多様な使い方を考えられないか。ぜひ大きく取り上げて欲しいと思う。

(速報のため、事後修正の可能性があります。)


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