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 国土審議会計画部会第6回自立地域社会専門委員会議事概要
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  1. 日時
     平成18年3月6日(月)14:00〜16:00

  2. 場所
     東海大学校友会館朝日の間

  3. 出席委員(敬称略)
     奥野委員長、森野委員長代理、秋岡、上山、梅川、岡島、小川、小田切、清水(達)、清水(哲)、関根、松田

  4. 議事
    (1)社会的サービスの持続的提供と地域社会の経営システムについて
    (2)地域振興関連施策について
    (3)今後の集落のあり方について

  5. 主な発言内容

    (1)社会的サービスの持続的提供と地域社会の経営システムについて

    • 住民自身が当事者意識を持つことが重要であり、そのためにはOJTだけではなく、子供の頃から責任を持って地域の活動に参加することで当事者意識を育てることが重要。
    • 外部委託に関しては、国や自治体の外郭団体が活性化し、マネジメントへ貢献できるようになることも重要。競争原理が働くようにならないか。
    • へき地・離島等での生活は教育と医療が整っていることが重要で、国がしっかり支えることが必要。カナダ では、へき地に居住する子供の教育費について公的に全額負担し教育機会の均等化を図る制度がある。
    • 条件不利地域において一番重要なことは、医療の確保。退職医師の活用などの取組みが重要。
    • 医療と教育に関しては、昔からかなり議論されてきた課題である。より今日的に議論が必要なのは福祉であり、高齢者の介護である。70歳〜90歳の高齢者には介護を要するほどではないが病気を持っている人が多く、これらの人々に対する「サービス」が市町村財政上もっとも大きな負担要素となっている。NPOに委託しても原資は税金であり、自治体はこの負担に耐えられなくなりつつある。この問題については、むしろ地域でどのようにケア(相互扶助)するかという発想に転換することが必要。地域のケアシステムの再構築を、社会的サービス提供とは別に論じなければならない。
    • 今後の高齢者医療の問題は、治療と予防双方の対応をそれぞれに要するコストを勘案した上で判断する視点が必要。元気なお年寄りにがんばってもらうことを考えるべき。介護保険は、もらう側になるよりも、掛け金を払った上で、人の世話にはならず、人に役立てることが一番幸せだ。
    • 社会的サービスの提供を多様な主体の協働で進めるには、CS(顧客満足度)だけでなくES(従業員(ここでは担い手)満足度)を高めていくことが不可欠。担い手をサポートするシステムが重要。

    (2)地域振興関連施策について

    • 地域振興に国が関与する根拠の精査が必要。1つの論拠として、市町村合併により過疎地が自治体内で「周辺化」しているため、自治体内で主要な問題として取り上げるインセンティブが低下しているということが挙げられる。基礎自治体による取組みのシステム化、インセンティブ付与のため、国の強力な関与が必要。
    • 「ハードからソフト」は使い古されている。「手触り感(のある支援)」「身の丈にあった」「オーダーメード」など新しく奥深いキーワードを与えることが必要。
    • 財政制約が増える中、EUの例のように、「集中」により施策の効率性を高めることが重要。その手段として、地域の資源・特性を活かすという視点、地域が自ら考えて投資していくよう、イギリスの例のように補助金の包括化により使途を自由化するという視点が重要。
    • 担い手論と表裏の問題で、国は誰を支援するのか、という客体の議論が重要。これまでの経験では、役場に地域活性化の役割はあまり期待できない。事業者の活躍に促されて役場が縦割りを排除して変わっていくことがポイント。自治体に対する支援でなく、経営能力を持った人が地域の将来像を協議する場を形成するための支援に移っていくべき。
    • EUの支援は国防上の理由もあることに留意すべき。例えば三宅島で不審船が発見されたように、国防上のモニター機能を評価するなど、へき地・離島等の支援は国全体にメリットがあるという意味合いをいれられないか。
    • どの程度まで整備するかというミニマムの議論がないと、いつまでも投資が必要と言うことになる。ミニマムの議論は「この位のサービスしか受けられない」との宣言となり、それでも住みたいという人にはそれで覚悟してもらうことにより、過剰な投資の抑制が期待できるのではないか。
    • ハンディキャップという言葉はWHOでも用いないようになっており使わない方がいい。
    • 福祉では、「魚を与えるより魚の釣り方を教えよ」というように、地域が自立できるようにするためにはどんな支援ができるか、またそれができないところにどこまで投資するかを考えていくべき。
    • 地域の大学・学校が地域の歴史、文化、課題等の「地域学」を学生や市民がともに考える市民教育・地域経営の拠点として活動することを期待。
    • 老人医療については予防医療の対応が進んでいる。この観点から新たなサービス・雇用を創出するなど、地域振興に活かすべき。
    • これまでの地域振興策が地域指定型だったのは、公共性担保のために特定個人への補助ができないためだが、その限界が見えてきたのではないか。結局、地域は人が支えるのであり、住民組織が多様な事業展開ができる仕組みと、それに対してどのような支援ができるかを考えることが必要。
    • 地域振興策の目的は、困っている人を助けるということだけではなく、国のバランスの問題である。

    (3)今後の集落のあり方について
    • 集落は「家」が基礎的な内部構造となっているが、この家が人口流出により存続できなくなっている。農林漁業では後継者の確保は無理。これを公共政策で存続させようとしても困難だが、放置するのではなく、高齢者が行っている地域資源の保全をいかに評価するかが重要。
    • 一方で、もうどうにも支えられないところについては、行政が情報提供をし、住民が十分話し合った上で、集落を離れることも考え、それでも離れられない人には、最後まで社会的サービスの支援を続けるべき。
    • 市町村合併により、集落が見えにくくなる「周辺化」問題に対して、国土形成計画において何らかの対処が必要。

    (速報のため、事後修正の可能性があります。)


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