- 日時
平成17年12月19日(月)14:00〜16:00
- 場所
中央合同庁舎2号館低層棟地下1階 国土交通省2A2B会議室
- 出席委員(敬称略)
鬼頭委員長、浅見、江崎、桑野、鈴木、武石、玉田、土居、西浦、松田、保井 (計11名)
- 議事(概要)
- (1)開会
- (2)議事
-
 |
国土審議会第5回計画部会及び第8回国土審議会における報告について |
 |
団塊の世代の今後の暮らし方・生き方(2)
講演 藤田敦子氏 (NPO法人 千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア 代表) 他 |
 |
人口減少下の都市圏のあり方(3)
発表 保井委員 他 |
- (3)閉会
- 主な発言内容
議題
国土審議会第5回計画部会及び第8回国土審議会における報告について
- 国土審では国会議員委員から国土の均衡ある発展が重要との意見があった。
- 人口が東京に一極集中するのを防ぐべきという地方の要請は強い。
- 国土審においては、国会議員委員より、農村でもある程度機能の集約や投資の集中が必要ではないかという意見もあった。
- どのような均衡点にするかは難しい。
- 大西委員の発表によると東京都市圏以外はどこも人口が減少するとの説明があった。
議題
団塊の世代の今後の暮らし方・生き方(2)
- 内閣府の調査によると、半数以上の人が虚弱化したときにも自宅に住み続けていたいと願っているが、実際は自宅で療養することは困難である。
- 在宅ケアを支えるのは、経済的基盤のもと、介助サービスや医療等のケア体制が用意されていることが必要だが、高齢者がそれらを使いこなせるようになっていない。
- 千葉県では「プロジェクト・ブレーメン」事業を行っており、県民一人ひとりが障害の有無や年齢に関係なく、それぞれの持ち味を出しながら、仲良く暮らしていける地域社会の創出を目指し、多世代・多分野居住を推進している。
- 名古屋では老人と若者が民間よりも安い家賃で共同生活をする「ぼちぼち長屋」がある。そこでは、若者が老人と接する義務がある。
- 「ぼちぼち長屋」に住んでいる老人の将来の介護は大丈夫か。
- 周りに介護施設があり、入居者も重度の痴呆症ではないので大丈夫。症状が重くなったら移動する。
- ユビキタスネットワークの活用により在宅介護が大きく変わる可能性がある。具体的には、脳卒中でのリハビリは病院で行っており、リハビリをやめるとADL(Activity of Daily Living)が下がっていた、しかし、ネットワークがあれば専門的なリハビリが自宅でも受けられるようになるであろう。退院後の定期的なリハビリ等、日常生活動作能力の維持のためにユビキタスネットワークを活用すべき。国土形成計画では在宅ネットワークをつくると宣言してはどうか。韓国では2007年までに60%の家庭にホームネットワークを構築するという目標を立てている。
- 住まいと道路のバリアフリー化を推し進めるべきであるが投資余力の問題がある。筑波大では脳に反応して動くロボットスーツが開発されている。移動のための機械を開発する必要もある。
- 介護の話は財政の話が中心だが、実際に介護をするパーソネルの議論も重要である。後期高齢者の介護に必要な人数といったフレームワークを作る必要があるのではないか。
- 最後まで在宅で暮らすことが重要。介護保険の対象にならない細かいところが問題であり、コミュニティで補っていく必要がある。介護保険、医療保険以外では、地域通貨等が使われているがあまりうまくいっていない、大学をサロンとして活用できないか。
- NPOやボランティア等、地域の中で助けあう仕組みが生まれているが、今後は活動したい人が活動するだけではなく、住民がNPOやボランティアとして総出で当たらなければならない時代になる。
- 介護人員も大事だが、一人でも生活できる仕組みを構築することの方が重要である。
- 船橋市では23のコミュニティに分けて、公民館ごとに地区社協の事務所を置いている。市民にとって県、国の視点で考えるのは難しい。私達は生活の視点で何が足りないかを考える。まず場所の確保が重要である。
- 在宅ケアを含めた住宅問題の話は本委員会の議論でも中心的なものであり、これまでの議論も含めて具体的な対策を考えていく必要がある。
議題
人口減少下の都市圏のあり方(3)
- 行政に求められるサービスはシビルミニマムであるという流れの中で、官民連携のまちづくりが重要になっている。
- アメリカでは私的セクターの負担を前提にしたまちづくりの形があり、共有空間整備や維持管理、治安維持、美化と多岐にわたっている。一方、地域によって負担が異なることに対して、排他的なまちづくりにつながりやすいといった否定的な見解もある。
- 資料4-2 5Pの「居住者の合理的判断の結果として集約化」を進めるためには、行政がしっかりと計画に位置づけ、全体のフレームワークの中で、コストとベネフィットが示されていることが必要。フレキシビリティがありすぎてもいけない。
- わが国では指定管理者制度もでき、行政の役割が小さくなっている。国土形成計画には、指定管理者のような施設の民間管理の活用といったことが書ければいいと思う。そのための位置づけが必要。
- 計画的な都市の縮退を直視して取り組んでいく必要があるが、その際に引き続き居住する場合の行政サービスを提供コストと、移住してもらう場合のコストの比較を行う必要がある。国としては地方自治法にからむ分野についての調整が必要になるのではないか。
- 自治体が主導したまちづくりが最適といえない場合もある。地方分権では国から地方への権限委譲が議論になっているが、国から民間への権限委譲も考えられるのではないか。
- 官と民の役割分担にも言及すべき。徴税権や強制執行権に根ざしたものは官がやるべきだが、受益と負担のあり方については民に任せてもよい部分もある。
- 都市の縮退といっても、せっかく作ったインフラを放棄してしまう前に、どう維持していくかを考えるべきである。街が歯抜けになってからでは遅い。
- 芦屋や田園調布のように、自治会が景観を守っているとこともある。そのようなノウハウを他にも伝えるべき。郊外の住宅地は作りっぱなしになっている、住民が中心になった都市の再生が必要ではないか。
- 農村をいかに維持するかを検討しているところであり、資料4-2 5Pの「居住者の合理的判断の結果として集約化が進むために行政が何かできるか」という一節に違和感を感じる。
- 地方は交流人口によってお金を落としてもらうことによって生きている。団塊世代のライフスタイルの変化しており、二地域居住を推進してほしい。
- 都市住民だけでなく、地方の観点からの団塊の世代の暮らし方も検討する必要がある。
- 郊外からいかに撤退するかも重要だが、都市部にいかに受け入れるかも重要であり、空間の公共性を高める必要がある。
- 国土全体のことを考え、街の機能を発揮させるために、歯抜けの土地を有する人には移動してもらう必要がある。税制での誘導や、場合によっては私権の制限も考える必要がある。
- 圏域は、負担と対応付けて考えていかないと、絵に描いたモチになるおそれがある。
(速報のため、事後修正の可能性があります。)
All Rights Reserved, Copyright (C) 2005, Ministry of Land, Infrastructure and Transport