- 日時
平成17年11月7日(月)13:00〜15:00
- 場所
ルポール麹町 ロイヤルクリスタルの間
- 出席委員(敬称略)
中村(英)部会長、石原部会長代理、佐藤委員、関川委員、中村(胤)委員、平野委員、矢田委員、山岸委員(計8名)
- 議事(概要)
- (1)開会
- (2)議題
1) |
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社会、経済、自然、歴史・文化の観点からみた国土区分について |
2) |
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各分野の有識者からの意見聴取 |
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梅川智也氏 (財)日本交通公社研究調査部長 |
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根本祐二氏 日本政策投資銀行地域企画部長 |
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森野美徳氏 都市ジャーナリスト、日経広告研究所主席研究員 |
3) |
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その他 |
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- (3)閉会
- 有識者意見 主な内容
梅川智也氏 ((財)日本交通公社研究調査部長)
- 旅行者の側から見ると、行政界は意識されていない。
- 各個人の持つ地域のイメージは、居住地とそれまでの旅行の経験によっても大きく異なる。
根本祐二氏 (日本政策投資銀行地域企画部長)
- 経済主体は地球規模で行動することで、国境の意識すら薄らいでいる。この状況下で、国内の地域をグループ分けすることの意味は何か。
- 経済主体の地球規模での行動は、最適化を図るための情報収集の末の結果。それぞれの地域が競争力を発揮することは競争に生き残るために必須。
- 日本における国土計画から都市計画に至る「計画」の不明瞭性、計画実現の可能性の低さは、 世界的に知られている。
- 計画という将来ビジョンは、経済の観点からは将来リスクの低減につながることが必要。どのように圏域を引いたとしても、圏域相互間の行動が自由になることが必要。首都圏の北関東・甲信のような同心円上の地域は共通の課題を持っている。
森野美徳氏 (都市ジャーナリスト、日経広告研究所主席研究員)
- 80年以前は名古屋圏は大阪と結びつきが強かったが、それ以降自立的に、あるいはより東京寄りになっていった。
- (ブロックごとの新聞経済面について)現在、関東においてはすべて単県版を出している。ただし、内容についてはブロックごとに融通していて、共通する内容も多い。また、新潟と長野については、物流上の問題から、以前は一体として信越版を出していたが、内容について一体性がなかった。
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かつては地域の話は地域経済面に載るだけだった。いまでは地域のニュースでも、全国で取り扱うようになっている。
- 主な発言内容(順不同)
○社会、経済、自然、歴史・文化の観点からみた圏域設定について
- 圏域については、一つには交通、物流の観点から、港と幹線道路の体系を考えることが重要 であり、もう一つには観光、特に国際的な観光の受け入れについて考えること、さらに環境 面で、河川や土砂管理等、国土環境をどのように位置づけるかが大事だと思う。
- 新潟が東北に組み入れられた時と同様に、今でもエネルギーの問題は重要だと思う。地域内自給にこだわる必要もないと思うが、ブロック計画では考えるべき。
- 静岡県について、遠州は経済的にも文化的にも行政的にも名古屋であり、駿河東部は東京である。やはり最近は関東の影響が強いのではないか。新潟・長野は完全に関東を向いているのではないか。北陸を向いているとは感じられない。その傾向は強まってきているのではないか。
- インフラ整備の主体と、設定しようとしている圏域が大きくズレると良くないのではないか。電力、JRやNTT、最近では高速道路も分割されているが、各社の境界がどのようになっているか。
- パーティーに出た際、富士山は関東と中部のどちらかという質問に対して、人によって答えが異なり、地域の区切りについては、みな自分の仕事に関する区切りしか知らなかった。
- 経済と文化の両輪で考えていくためには、交通手段が重要である。
- ビールについては、物流の問題もさることながら、得意先が大型量販店のように大型化しており、これに対しメーカーから問屋を経由してという流れになっている。ここ3〜4年で本部制を設け、大括りな体制で行っている。
○経済・金融の観点からみた圏域設定について
- 金融について、圏域は意識していない。集めた資金の運用先は、地元内では約半分だけであり、10%は主な取引先で、残り40%は国債や外債等の債権となっている。地域内再投資は少ない。ファンドというかたちであれば、より広い範囲で行った方がより良い投資先が見つかる。こういった事例が東北か四国で最近出てきている。
- 日本の計画の実現可能性の低さというのは、いつまでに何をするというプログラムがはっきりしていないということであって、時期はともかく、実現しているように思う。
- 圏域を考えるときに、国際的な競争力の確保も考える必要がある。そのときに、資源やお金とともに、最も重要なのが人材だと思う。
(速報のため、事後修正の可能性があります)
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