1. 日時 平成13年3月15日(木) 14:00〜16:00 2. 場所 赤坂プリンスホテル五色「橙光の間」 3. 出席者 <委員> 秋山委員、井上委員、岩國委員、岩崎委員、大島委員、加賀美委員、風間委員、
小澤委員、小山委員、潮谷委員、陣内委員、榛村委員、須田委員、谷川委員、
丹保委員、中川委員、中村(英)委員、中山委員、根本委員、藤田委員、藤原委員、
矢田委員<国土交通省> 高橋副大臣、小野事務次官、青山技監、小川国土交通審議官、国土計画局長、
土地・水資源局長、北海道局長、舩橋政策統括官、坂山都市・地域整備局審議官他4. 議事 (1)開会挨拶(省略)
(2)委員紹介(省略)
(3)会長互選
(4)会長挨拶(省略)
- 中山委員の提案により、秋山委員が会長に選出された。
(5)会長代理指名
(6)国土交通副大臣挨拶(省略)
- 中村(英)委員が会長代理に指名された。
(7)議題1:国土審議会運営規則について
(8)議題2:今後の調査審議の方向性について
- 事務局より資料説明
- 質疑応答
(藤田委員)(河野総務課長)
- 運営規則第7条4項に、「必要に応じて」という要件があるのはなぜか。分科会の専決を認めるにしても最低限、分科会でなされた議決は本審議会に報告されることが必要ではないか。
(藤田委員)
- 原則として本審議会に報告が必要と考えているが、法律上審議会の議決が必要とされているものが、余りに多岐にわたるので、軽微なものについては省かせていただきたいという趣旨である。
(会長)
- 原則は本審議会に「報告するものとする」として、「ただし、軽微なものについてはこの限りでない」としてはどうか。
- 「必要に応じて」とは会長の判断によるのでなるべく本審議会に報告するようにしたいと考えている。条文については原案通りとしたい。
(9)西彼杵地域半島振興計画の一部変更について
- 事務局より資料説明
- 質疑応答
(中山委員)(小峰局長)
- 首都機能移転については、一昨年12月に首都機能移転審議会の答申を受け、国会でも2年以内に移転先を決めると決議されているが、国土の未来像では全く触れていない。答申を受けたことだけでも資料としてつけるべき。
(秋山会長)
- 国土の未来像は、グランドデザインに掲げたものを網羅的に示したものでない。首都機能移転については、国会で審議が行われている最中のため、政府としては記載を見送った。
(根本委員)
- 答申については次回審議会で配布するとともに、中山委員のご発言については議事録に明記する。
(秋山会長)
- 短期的には、先日与党の緊急経済対策で示された不良債権問題等に対して、税制を含めて前向きに取り組んでいただきたい。中、長期的には、
@審議会の戦略を示すことであるが、これを受け、いかに企画立案し、現場で実行し、検証するという流れを一体として考えなければ、審議会の意図は実現しない。検証をする体制を作るべきである。
A旧土地政策審議会においては、土地について所有より利用という方針を示したが、国民の意識は十分に変革されていないので、啓蒙が必要。また、国民のクオリティオブライフをいかに改善するかという視点が必要で、住宅対策が重要なポイントであり、欧米並みの水準とすることが重要。
B安全な国土の形成については、巨大地震への対応が必要。特に、日本ほど電柱が林立している国はないので、電線の地中化などを早く手がけていただきたい。また、虫食い状態の土地を集約して、都市の中にオアシスを整備すべき。(須田委員)
- 土地政策審議会で出された理念については、国土審においてもよく踏まえて議論していきたい。
(谷川委員)
- 国と地方の役割分担は大きなポイントで、その中でも広域計画は非常に大きな問題になる。今まではうまくいっていたが、これは国が中心にやっていたからである。地方主導とした場合、ブロックでどう調整するかを議論する必要がある。国の地方支分局や広域協議会を利用するなどの検討が必要。また、国の施策の整合性を(新幹線と航空など)しっかりやっていただきたい。また、審議会同士の意志疎通をよく考えていただきたい。
(小峰局長)
- どのような形で分科会を作っていくか考えているのか。また、法定以外の事項についても分科会で検討することが重要ではないか。
(矢田委員)
- 分科会の設置は政令で定められている。当面は半島分科会を開催予定で、その他は必要に応じて開催したい。それ以外の事項については、委員のご提案があれば部会、専門委員会を設置することを考えている。
(秋山会長)
- 国土計画は多様な分野を含んでいるので、新たな国土計画制度の検討については、相当の専門家を集めた部会を設けて審議していただきたい。
(小山委員)
- 部会を設置することでよろしいか。→異議なし。
(会長)
- 降雨、太陽光、風などを資源ととらえて、国土政策に生かしていくべき。列島改造型の国土計画からは脱却する必要がある。
(小澤委員)
- 議論の範囲を特に制限する必要はなく幅広く議論したいと考えている。
(会長)
- 省内の審議会だけでなく、国土交通省以外の審議会との整合性をとることも必要(例えば、環境基本計画との関係など)。対象によって既存の枠組みを越えることがあると思うが、このような場合の制度のあり方についても検討してほしい。
(風間委員)
- 省庁間にまたがるものについては事務次官にお願いしたい。
(会長)
- 審議会において地方の意見をどう反映するかが重要。中央の都合で意見を聞くのではなく、過疎問題や国土保全等についてもっと地方の意見を聞くべき。
(藤田委員)
- 地方の声を聞いて国の施策に反映することと、地方が独自にやることのバランスをとることは難しいが、地方整備局を活用するなどして地方の意見を聞いていきたい。
(小峰局長)
- 国土計画制度のあり方については、計画体系そのものをどうするかという視点が資料では抜け落ちているのではないか。審議総括報告で打ち出した考え方は引き継がれるのか。国総法と国土法の一本化をはじめとした体系のあり方も検討が必要。
(潮谷委員)
- 審議総括報告で出されたポイントはそのまま引き継ぐ考えである。今日の資料は、審議総括報告をさらに検討する上で必要な観点をまとめたものである。
(小峰局長)
- 投資の効率化、重点化という中には、地方の切り捨てや大都市への集中という意味を持っているのではないかと懸念している。そうであれば健全な国土の発展は望めない。
(中村(英)委員)
- これから検討する課題である。均衡ある発展の基本的な考え方はこれからも継続して必要であるが、全国均一ではなく地域の特色を生かした発展という考え方に移りつつある。
(榛村委員)
- 各委員の意見は全く同感である。これらの発言を踏まえて今後、審議していきたい。
(中山委員)
- 国土について懸念していることは、@地方では農地が減少しており、国土をどう守るか先行きが不安、A里山を利用するビジョンがなく、森林が荒廃する懸念がある、B市街地の空洞化が懸念される、C都市近郊のスプロール化が懸念される、Dバブルの際に農地転用された土地の荒廃、である。これらの問題は同根であるのでセットで考えることが国土審議会の役割である。また、循環型社会を作る技術も省庁ごとに縦割りであるので、総合的に検討する必要がある。
(根本委員)
- 国土の未来像の記述の中で首都圏という言葉があるが、首都が東京という法律はないので、首都圏ではなく京浜地区などと書くべきではないか。用語の整理をお願いしたい。
(岩國委員)
- 土地は安ければいいものではなく、土地の価格について市場任せでいいのかと考えている。地価の問題についても国土審議会で議論する必要があるのではないか。
(会長)
- @電線の地中化は震災対策だけの観点ではなく、IT化の観点からも早急に進めるべきである。A今日の財政事情を鑑みれば、大都市も地方も同じように投資する時代ではない。例えば大都市の交通整備は、地方への波及効果も期待できるものであり、集中投資すべき。B首都機能移転の問題は国土審議会の議論の核心にあるのではないか。
(藤原委員)
- 首都機能移転については重要な問題と考えているが、国会での審議を見守っている。
(丹保委員)
- @国土計画の課題がやや内向きになっているのではないか。例えば、安全な国土の形成については自然災害以外にも、グローバル化から派生する諸問題も考えるべきである。A国と地方の役割分担については、単なる縄張り争いではないよう考えてほしい。Bバーチャルな経済活動が暮らしに与える影響は、光と陰の部分があり、陰の部分を守ることが国土政策の大きな役割である。
(潮谷委員)
- 現在の東京はすでにサスティナブルな状況ではなく、東京だけでの循環型社会の形成は不可能な状況である。東京は異常な状態であることを念頭に、東京とそれ以外の地域を分けて考えるべき。我が国のみで循環型社会を形成するためには、江戸時代と同じ4000万人しか住めないことを前提に国土計画を考えるべき。
(中川委員)
- 広域計画については、個別の課題に応じて対象地域を変えて柔軟に対応することも重要と考えるので検討してほしい。
(小峰局長)
- @国土審議会は総合的な立場から検討が必要であるので、分科会の活動を活発にして、その結果を吸い上げていくことが必要。A江戸時代は河川の流域で行政単位を形成していた。広域計画においては、このように地域の単位をどのような切り口で見るのか検討が必要。
(矢田委員)
- 部会の設置要綱については会長にご一任願いたい。名称についてご提案いただきたい。
(小峰局長)
- 今回は、国土のあり方について基本的な政策について調査審議するので、基本政策部会ではどうか。→異議なし
- 設置要綱、部会委員の任命は会長にご一任願いたい。
(10)閉会(省略)
- 事務局より資料説明
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