1. 日時 平成13年12月27日(木)14:00〜16:00 2. 場所 合同庁舎2号館 地下2階 講堂 3. 出席者 <委員> 秋山会長、井上、岩國、大西、奥野、加賀美、川勝、河上、小澤、輿石、潮谷、生源寺、陣内、榛村、須田、谷川、丹保、中村
〔基本政策部会長〕、中山、西田、根本、藤原、松崎、矢田、山下<委員> 杉岡〔首都圏整備分科会長〕、新宮〔近畿圏整備分科会長〕 4. 議事 (1)基本政策部会中間報告「国土の将来展望と新たな国土計画制度のあり方」について
5.主な発言内容(順不同)基本政策部会の検討状況の報告として、中村部会長および事務局より中間報告の説明が行われた後、委員より今後の検討にあたっての示唆等の意見が述べられた。
(2)工業(場)等制限制度の今後の在り方について
工業(場)等制限制度の今後の在り方について、首都圏整備分科会の杉岡分科会長及び近畿圏整備分科会会長の新宮分科会長より各分科会の検討結果の報告があり、これをもとに審議を行った後、答申がとりまとめられた。
(3)その他
(1)基本政策部会中間報告についての発言
- これまでの開発、発展からの転換は時宜にかなった考え方だ。暮らしのサステイナビリティを担保することは合理性のある見方である。
- 国土計画の策定の際には、地方組織の再編を含めた検討が必要。市町村合併も中核となるところを中心とした合併が必要。行革と国土計画を合わせて考えてほしい。
- 地域のユニットとして、現在の10ブロックでは自立できない地域が出てくる。例えば全総の4つの国土軸毎の地域ユニットであれば、G7に入れる位の適当な規模になると思う。
- 従来の延長ではない新しい国土計画であるということを端的に表現し、新計画が作られるということをアピールしてほしい。
- 中部圏はブロックの括り方が難しいので、地元の意見を聞きながら、弾力的に決めてもいいのではないか。
- 今後は二層の広域圏を中心に検討すると思うが、人口規模が満たない地域も存在することを念頭において検討してほしい。生活圏域に合わせた国土計画を推進する一方で、圏域を超えたパートナーシップの重要性についても配慮してほしい。
- バリアフリーにとどまらず、障害、年齢の枠を超えたユニバーサルデザインの考え方を国土計画の指針に盛り込んでほしい。
- 地域の活力が足りないのは、不便な場所に県都を置いているからであり、県都を移転すれば効果のある県がたくさんあるはずである。また、市町村合併を進めるのであれば、合併後の行政サービスの状態を考慮する必要がある。いびつな形を前提としたハード整備は改める必要がある。
- 個性的な国土形成を目指すのであれば、生産効率や投資効果とは別の視点や発想が必要な地域もある。例えば、イギリスでは、小学校、郵便局、教会の3つがあれば、小さな集落が成立すると言われている。
- 土地利用に関する計画の評価について、国レベルでは数字を用いて事後評価できるが、市町村レベルでは難しいので、即地的な土地利用の実態等の評価手法について、国が先進的な事例などを用いて示唆することも必要。
- 農山村には、多面的機能の発揮が期待される一方で、公共事業の中ではバッシングされるなどメッセージが錯綜している。全総計画と国土利用計画の統合により、「利用」「開発」「保全」一体となったパッケージとしての提言がなされることを期待する。
- 1時間圏域外の人の立場など、様々な者の立場でみて、バランスを欠かさないようにしてほしい。
- 地方の均衡ある発展、自立を促すため、ナショナルミニマム的なものは今後も整備が必要。また、中山間地域の保護は災害に対する備えとして必要。1時間圏域外の地域のことも考慮してほしい。
- 道州制については、都道府県に手を付けるのかどうかをはっきりさせないと不明確なものになる。
- 過去の新産業都市やリゾート施設は、数を多くしすぎて失敗したことを反省すべき。
- 国土計画には、経済発展の中で生じた歪みをどう是正するかという視点も必要。国総法はEfficiencyに重点を置いたものであったが、今後の制度ではQualityやSafetyを重視したものに切り替えることが必要。
- 国土計画体系の見直しは重要であるが時間がかかり過ぎている。首都機能移転や14,000kmの高規格幹線道路など全総が提起した課題に対して議論が起きており、これらの課題については制度の改革と平行して緊急に取り組むべき。
- 新しい国土計画は、全国計画と広域ブロック計画の2本立てとし、地域の自主性を尊重する立場からブロック計画の原案は地元中心で作成するが、決定については国が行うというスキームを提案している。国主導から地域主導の地域づくりへ転換されるにあたり、地方分権と国土計画をどう結びつけるかについて議論が必要。
- なお、最後に改めて部会長より中間報告のポイントは以下の4つである旨発言があった。
美しく安全で多様性のある持続的な国土づくりを国土計画の目的とする
開発から利用への転換のため全総計画と国土利用計画を一本化する
全国計画はガイドラインの役割を果たし、ブロック計画の中で広域的なインフラ整備を扱っていく
常にモニタリングし、必要に応じてリボルビングを行う(2)「工業(場)等制限制度の今後の在り方について」の報告についての発言
- 制限制度は、創設当時は有効であったが、戦後約40年間存続しており、世の中が変わった現在においては、現状にあわなくなっている。廃止はもっと早く行われてもよかった。
- 基本的に制限制度の廃止には賛成だが、新産・工特制度が廃止される一方で大都市地域での誘導施策が存続されることを考えると、地方の「あめ」と大都市の「むち」がなくなり、大都市の「あめ」だけが残り、国土施策全体のバランスがくずれることから、大都市圏施策の今後の在り方を早急に検討すべき。
- グローバリゼーションの中で、大都市のみを対象に工場等の立地を規制して、地方に分散していくというスキーム自体がくずれてきている。日本全体がグローバリゼーションの流れの中に入っており、工場は地方でなく中国へ出ていっている。
- 制限制度の廃止には賛成だが、この廃止により、通勤混雑や交通渋滞など大都市問題が大きくならないように、諸施策を総合的に推進していくことが重要。
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