- 日時
平成15年6月23日(月) 14:00〜16:00
- 場所
赤坂プリンスホテル「五色の間」
- 出席者
<委員>
秋山会長、井上委員、岩國委員、岩崎委員、大西委員、川勝委員、草川委員、久世委員、小早川委員、生源寺委員、榛村委員、須田委員、谷川委員、丹保委員、中川委員、中村(桂)委員、中村(英)委員、中山委員、根本委員、藤原委員、松崎委員、森地委員、矢田委員
<国土交通省>
鶴保大臣政務官、青山事務次官、大石技監、風岡国土交通審議官、薦田国土計画局長、倉林土地・水資源局長、小林水資源部長、村岡北海道局長他
- 議事
(1)開会
(2)委員紹介
(3)国土交通大臣政務官挨拶
(4)今後の調査審議の進め方について
事務局より今後の調査審議の進め方について説明が行われた後、委員より今後の検討にあたっての示唆等の意見が述べられ、また、調査改革部会の設置が了承された。
(5)閉会
- 主な発言内容(順不同)
(国土の総合的点検について)
- 課題解決型であって、(中央と地方の)役割分担に重点が置かれているように見えるが、すばらしい国土をつくるために何が必要かというもうすこし明るい希望を出す作業をしてもらいたい。
- 日本の国土の中に好ましい地域社会をいかに構築していくかという視点が大切。人々の「クオリティ オブ ライフ」をいかに改善していくか。定期借地権制度を用いて、手頃な価格で働く人たちに素晴らしい環境で住宅を提供できるような目標を作って、庶民生活の改善に寄与する必要がある。
- 美観や防災の面から、電線地中化問題は相当前向きに考える必要がある。
- オアシスをつくるようなイメージで土地を買い集め、平時には遊び場や緑地帯にして、有事には避難の場所に使い、その地下に水を貯めるというようなことを考えてはどうか。
- 国土審議会の存在感が薄れている。国土審議会としての顔が見えないということを全員で反省すべき。狭い日本だからこそ、国土利用の重要性は他の国に比べて大きい。
- 全総計画の役割の低下は、全総計画が地域の振興を図ろうとしてそれなりに達成されたという面があり、逆に言えば、地方がそれなりの力を持ち、一定の計画を立てて、実施していくような力量を備えてきたということがあるのではないか。
- 全総計画を21世紀の中であらためて位置付け直し、新たな生命をそこに与えて作るという、転換期を越えた新しい役割を考えていく必要がある。
- 全総計画は地方の長期計画にはかなり引用されるなど、公共政策の中でよりどころになる計画の一つとして認識されているが、今後この指針性を高めることをさらに重視する必要がある。
- 「総合」性を捨ててでも、掘り下げた計画を個別のテーマで作るべき。
- 国防、災害対策という観点から、もっと道路をつくるべき。道路に関する哲学を国土審議会から発信してもらいたい。
- 東京一極集中は大変な問題。時代が変革を求める時には遷都があるものだが、首都機能移転の話が全く出ていない。国土軸の複数化が望ましい。人の心を動かさないと国土は動かない。
- 21世紀の国土づくりは、地域づくりとしての国土づくりでである。地域の自立は、一極集中(首都機能)をどうするかということと併せて論じなければならない。
- 20世紀の人口増、工業化社会発展の100年から、脱工業化、人口減少の社会となる100年へと長期を見据えた視点があるべき。
- 過剰な人口が減るというときに、「パワー」が減るという考えと「プレッシャー」が減るという考えのバランスを上手くとりながら、我々の経済をいかに維持し、かつ撤退させるか。
- 誰が責任を持って森林と農地を維持するのかというビジョンをもう少しはっきり出してもいいのではないか。所有者・耕作者に加えて活用者という視点で森林や農地を考えるべき。
- 国土計画において環境問題、福祉問題を提起すると、相当の公共投資が要求されがちだが、環境産業、福祉産業といった形で市場メカニズムの中にできるだけ入れながら、これらの問題を解決していくことが重要。
- 国際競争力がなければ持続可能な国土づくりは難しい。国際競争力を持つためにはどんな強力な国土基盤が要るのかといった視点をもって取り組む必要がある。
- アジアとの分業体制などを含め、日本の産業のあり方、産業配置と地域産業のあり方と整合性をつけながら、長期展望を詰めて頂きたい。
- 国際競争力を持つ目を持ちながら、同時に世界の流れ全体を好ましい地域社会の方に向けるんだぞというくらいの意気込みもあってもいいのではないか。
- 国民が何に最もお金を使ってもらいたいかについての政策調査という意味での「決算」を報告してほしい。
- 現在動いているものを活用するという視点を持っていただき、実際のものを調べたり、その中のいいものを広めたり、ということをお願いしたい。
(広域圏について)
- 日本が、関東、北海道・東北(森の日本)、中部・北陸(山の日本)、近畿・中国・四国・九州(海の日本)の4つにブロックに分けられれば、首都圏に対しても国際的にも競争力を持つことができる。
- 地域計画をやるときには、ブロック間の性格の違いを明らかにしなければならない。
- 明らかに生活圏域が市町村を越え、企業の営業圏域やモノの移動が都道府県を越えるという実態のなかで、かつ地方分権の流れのなかで、行政圏域と経済圏域にズレが出てきた。ここをどう調整していくかがポイント。
- 「美しい国土」「調和ある社会」「持続可能な条件」といったヒントがあるので、広域ブロックのリアリティが出ざるを得ない時期になってきたことを重視して中長期ビジョンを作るべき。
(国土計画制度の改革について)
- 市町村合併、三位一体の改革、都道府県制度の改革なども視野に入れた議論が必要。原案作成を地方に委ねる等、ブロック計画の重視という改革の方向は貴重なもの。
- 今後の社会資本投資は更新投資のウェイトが大きくなり、新規投資は少なくなる。国土計画は社会資本の配置の側面もさることながら、人口減少下での国土利用のあり方を併せて描くことが重要になる。
- 国土計画体系は、国土政策関連諸制度の上に位置付けることが必要。さらに、地域振興立法の整理・体系化に着手することを期待。
- 一人一人の国民の力、自治の力と国土計画という、ともすれば対立しがちなものをどうやって結びつけるのかという、これまでにはなかった発想法が明示されるべき。
- 計画の内容だけでなく決定プロセスの改革にぜひ取り組んでいただきたい。
- この制度改正は何十年に一回の仕事であり、参加する人は心してやらねばならない。これから先数十年に渡っての日本のかたちを決めていく大事な仕事が始まるのだという認識を持っている。
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