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 国土審議会土地政策分科会企画部会
 第2回不動産投資市場検討小委員会議事概要

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日時:平成17年11月24日(木) 16時00分〜18時00分

場所:国土交通省 土地・水資源局会議室(中央合同庁舎第2号館11階)

議案:
(1) 「中間整理(案)〜土地政策の観点からの不動産投資市場の検証と課題〜」について
(2) 今後の進め方について
(3) その他

配布資料:
資料1   中間整理(案)〜土地政策の観点からの不動産投資市場の検証と課題〜
資料2−1 中間整理(案)参考資料〜土地政策の観点からの不動産投資市場の検証と課題〜
資料2−2 東証REIT指数、TOPIX、イールドギャップの比較
資料3 委員の皆様からの主なご意見の概要とそれに対する対応について
資料4 今後の進め方について(予定)

 
概要: (議案(1)について、藤井土地・水資源局土地政策課土地市場企画室長から、資料1,資料2−1、資料2−2を用いて説明後、ディスカッション。)

(不動産証券化の意義)
  • 証券化が果たした役割のポイントは、1不動産に関する資金調達について、間接金融から解放し、直接金融の手法をもたらしたこと、2不動産を原所有者から切り離し、真に持つべき者が持つという所有者からの解放をもたらしたことの2点である。

(本小委員会の議論の対象となる不動産の範囲等)
  • 証券化に取り込まれた不動産についての記述が目立つが、証券化から取り残された不動産についても言及すべきではないか。
  • 証券化はフローの概念であるが、土地はストックであり、ストックとしての不動産には証券化されないものもあるから、そうした部分についてもどうするのかということも重要である。ストックに対する視点をもっと記述すべき。
  • 証券化になじまない、取り残された不動産は、「ファンドの森」に組み込まれる手前の不動産と考えるべきであり、その段階でのビジネスや資金流入等のあり方として議論するではないか。
  • 投資市場に入ってこない不動産を投資市場に無理矢理取り込むというのは難しいのではないか。むしろ、今は不動産投資市場は過渡期であり、いかなる不動産を投資市場に取り込んでいくのかという切り分けが重要である。マーケットの原理によれば取り上げられない未利用不動産は残る。
  • 不動産の分類としては、1Jリートに組み込まれるようなそもそも優良な物件、2証券化に組み込まれる可能性があり、組み込んでもよい又は組み込むべき物件、3そもそも証券化になじまない物件、の3種類に分けられるだろうが、この3のカテゴリーは、マーケットというより行政において対応する課題ではないか。
  • 証券化になじまないような不動産の問題は、今回のこの小委員会とは別に議論すべきではないか。
  • 証券化から取り残される物件についても、現段階では、まだ証券化が始まったばかりであるが、第3章に記載されているような対策がなされてくれば、よくなっていくのではないか。
  • 証券化になじまない物件については、証券化が逆に延命手段となるのを懸念する。リスクが開示されずに証券化になじまない物件に資金が流れ、本来再生されるべき物件が存続してしまうという懸念がある。
  • 証券化になじまない物件も、マーケットに結び付けることは可能であるが、それは、政策的・政治的判断に基づき、行政が、市場では取りえないリスクを取ることが必要となる。

(価格の安定化機能)
  • 価格の調整機能が働くためには、一定の市場規模が必要であり、その規模は100兆円くらいだと考える。今の問題は、現在の市場規模20兆円から100兆円くらいまで、どのようにして資金を入れていくかの問題だと思う。
  • 価格安定化機能については、金利が上昇した場合にどうなるのか、逆レバレッジが働くのではないかといった難しい点があり、検証が必要である。

(情報開示)
  • 不動産価格については、急激な変動が問題であるので、迅速な情報開示がなされるべきである。
  • 例えば、Jリートにあっても、鑑定士からするとまだ情報開示は部分的であり、賃料情報等についてもさらなる情報開示がなされるべきである。
  • 対象物件、投資家の属性等によって、開示が求められる情報が異なる。情報開示は、一律には難しく、どの程度の分量でどのような項目を開示するのか議論が必要である。
  • 「情報開示」と「情報整備」をきっちり分けて議論すべき。「情報整備」により、社会的コストが低下し、トランスペアレンシーも高まる。

(現行の法制・税制等の課題)
  • 証券化のようなフローと、そのベースにある土地や建物というストックとでは、適用される税制について十分な整理がなされておらず、ねじれ現象が起きているのではないか。税制についての議論も必要である。
  • 土地税制によるねじれ現象の問題は、重要な論点である。
  • 不動産証券化は、あくまで「手段」であり、「目的」ではない。不動産という観点からその特性を踏まえて、法制、税制、マーケットの各面で整合の取れた、スキームに関わりない共通ルールが必要である。
  • 現在は、法律ごとに開示情報等が異なっており、非常にわかりにくい。誰もがわかるような制度が必要。
  • 信託受益権化によって生じるねじれについても分析すべきである。
  • 資産流動化法上の特定目的会社は、租税特別措置法令上、事実上借入機関を適格機関投資家に限定している。長期的、安定的な資金循環のために、その間口を広くするべきである。

(その他)
  • アメリカの「アップリート」は、不動産の所有者が、リートが共同出資者となっているリミテッドパートナーシップ(LP)に不動産を共同出資し、その対価として、将来リート株に転換する権利がついたLP持分を取得するというもので、不動産の譲渡益課税がリート株転換時まで繰り延べられる制度である。このような制度の日本への導入を検討すべきではないか。
  • 不動産証券化はまだ始まったばかりで、運用者は世代交代が起きていない第一世代が担っている状況である。
  • 第一世代は、制度導入時の恩恵を受けて、誰が見てもわかるような優良物件を高く買うだけで利益を上げており、工夫して利益を上げていくという部分が足りない。想像力の発揮による価値の増進が重要で、今後は物件のバリューアップなど、工夫して利益を上げていけるような人材の育成が重要である。
  • 「地価」と「不動産価格」とは必ずしもリンクできない場合もあるから、中間整理(案)の記述の中で、「地価」と「不動産価格」を使い分けて議論すべきである。
  • バブル期は、イールドギャップがマイナスとなるのが当たり前の時代であった。
  • 公的セクター保有資産の証券化についても議論してはどうか。

(その後、議案2、3について、事務局から資料3、資料4を用いながら説明後、会議終了)

 なお、中間整理案については、大枠において異論なしとなり、とりまとめは委員長に一任された。

(注)議事録については、後日、ホームページ上で公開されます。

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