日時:平成18年6月1日(木) 15時00分〜17時00分
場所:国土交通省中央合同庁舎第2号館会議室2・3(地下2階)
出席者:別添名簿参照
議案:
(1) |
不動産投資市場への長期安定資金の流入促進について
国際的な不動産投資市場の構築向けて
まちづくり・地域づくりに資する全国的な不動産投資市場の構築に向けて |
(2) |
その他 (今後の進め方等) |
配布資料:
資料1 |
今後のわが国不動産投資市場の成長戦略 |
資料2 |
不動産投資市場の現状について |
資料3 |
不動産投資市場の成長戦略 |
資料4 |
(参考資料)不動産証券化市場のトレンドについて |
資料5 |
今後の進め方について(予定) |
<議案(1)について、藤井土地・水資源局土地政策課土地市場企画室長から、資料1〜4を用いて説明後、ディスカッション。> |
(長期安定資金の流入促進について)
- 個人資金は約1,500兆円もの規模があり、日本人はリスクを取りたがらず預金に流れる傾向が強いため、今後、個人資金を不動産投資市場に呼び込むための検討が必要。
- 個人が多種多様な不動産証券化商品を個別に直接買うのは情報面で難しいところがあるので、個人資金を呼び込むためには、投資信託商品や不動産投資顧問業についての検討も必要。
(国際的な不動産投資市場の構築について)
- Jリートの海外不動産取得ができないのは、国際競争においてデメリットである。また、デベロッパーが海外で開発を行う場合、売却先の確保が重要であり、この点でもJリートの海外物件取得を可能とすることは有効である。
- リートによる海外不動産の取得ができないなどの制約が市場成長を妨げる要素になるので、市場の選択肢を増やし、市場の自律的な成長を促進すべきである。
- 海外不動産の鑑定についてはまだ人材が少ないが、ガイドラインの策定は重要だと考える。また、このような問題は本来鑑定業界から提案すべき問題であり、鑑定士が自覚を持つことが重要である。
- 市場規模が小さい頃は、海外投資家の資金を求めたため海外への情報発信が多かったが、市場規模が大きくなった現在、日本の投資家の資金が多くなり、海外への情報発信は少なくなった。しかし、証券化に関する日本の制度は、諸外国と比べてもしっかりした制度であり、その点を海外へ情報発信することが重要である。
- 市場をリサーチした情報のニーズは高く、特に英文で地方のマクロ経済的情報を発信していくことは有効である。
- 個別不動産の生データを情報発信するだけでなく、不動産投資への取組み等の情報発信も重要であり、当然、情報フォーマットの統一も重要である。
(全国的な不動産投資市場の構築について)
- 日本では、国全体でも地方においても「一極集中」の特性がある。従って、地域経済が活性化されていなければ、人材育成を行っただけでは結局その効果は中心部に集中してしまい、全国的な市場の底上げのための根本的な解決策にはなりにくいのではないか。
- 証券化は地方にとってはまだ人ごとだと感じている。国が証券化によって地方市場の底上げを図ろうとしているというメッセージを発信することは、社会的に意義がある。
- 不動産証券化を担う人材育成は、不動産投資の拡大だけでなく、地方の特色的な産業再生・育成につながる重要な契機になると考える。
- 地方の不動産鑑定士は、証券化に係る鑑定評価は不慣れだが、地方の不動産市況には詳しい。今後、人材育成によって、地方の不動産鑑定士が証券化業務に取り組むきっかけを与えることは重要である。
(鑑定評価とER)
- 不動産鑑定士によるエンジニアリングレポート(以下「ER」という。)の評価は、運用上実現が難しいのではないか。特に、PML等の適正性の判断を一律に行うことは難しい。ただ、ERの適正化は非常に意義があるので今後も検討すべきである。
- 証券化の業務は短時間で結果を出さなければならないものが多いため、不動産鑑定士がERの評価を行うことは重要であるが困難な面もある。
(その他)
- 不動産投資市場を単なる「場」としてだけ捉えるのではなく、産業政策的視点から市場全体をいかに拡大し、社会的効用を高めていくのかという視点で常に考えることが重要である。
- 各論も重要だが、証券化の進展によって、景気に左右されにくい資金調達が可能になったという点を評価すべきである。

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