- 日時
平成19年10月12日(金)14:00〜16:00
- 場所
国土交通省 11階特別会議室
- 出席者
<委員、臨時委員>(敬称略)
杉山武彦、松田英三、赤塚宏一、秋山昌廣、荒木幹夫、太田和博、河野真理子、南部鶴彦、藤澤洋二
<オブザーバー>
(社)日本物流団体連合会平山理事長、(社)日本船主協会中本理事長、(社)日本造船工業会寺門企画部部長、石油連盟波田野常務理事
<国土交通省>
春成誠海事局長ほか
- 主な議題
議題1.競争環境の整備について
議題2.地球規模での安全・環境問題への取り組みについて
議題3.税制改正要望の概要等について(報告)
- 議事概要
- 純粋な競争に任せると破滅的競争が発生し、消費者の利益にはならない。これは、規模の経済性が非常に大きい産業では、限界費用が低くなり、競争状態の場合、競争価格は必ず限界費用に張り付いてしまい、結局、全ての企業が共倒れとなってしまうという論理から、独禁法適用除外制度があった。最近20年の間に、独禁法適用除外であった代表例の通信・電力が対象からはずれ、時代の流れから遺物ということで一般論を展開するのは理解するが、海運について、独禁法適用除外を見直す際には、海運の特殊性を考えるべき。通信などにみられるイノベーションがあったのかどうかということ。海運は、今も昔も、大きな船を海に浮かべて貨物を運んでいることから、イノベーションはなく、規模の経済性が依然大きく働くのではないか。そのような場合、破滅的な競争となる恐れがある。米・欧州と違い、石油やガスなどのエネルギーの海上輸送への依存が強い我が国においては、このような産業が破滅的な競争に陥っていいのか。適用除外制度を進めるべきという一般論的な議論とは別に専門的な視点から考える必要があるのではないか。
- 独禁法適用除外制度について、現行制度廃止に伴い予想される影響例や、船社間協定の関係者からの問題意識については同感である。なお、EU域外に競争制限的行為に対して、EU競争法の域外適用の可能性があるので、慎重に検討をすべきである。
- 独禁法適用除外制度において、サーチャージの問題については、荷主サイドと協議をしながら、改善すべきところは措置が行われている。
- 独禁法適用除外制度について、これを維持することにどれだけの説得力を与えられるのか整理が必要。(資料5の13頁に掲げられている外航海運の特殊性は、)日本だけのことではなく、世界的に言えることから、米国及びEUが、それでもなお適用除外制度をなくすこととしている理由を十分に検討すべき。世界の趨勢に反して、我が国が適用除外制度を維持するのであれば、外航海運の特殊性というこれまでの正当化された条件をどう整理するのか十分に検討すべき。エネルギー輸送については適用除外制度を維持するが、コンテナ輸送については廃止するといった整理もあり得るかもしれない。日本の企業に競争力がついているのであれば、当該制度がなくても良いのではないのか。
- 独禁法適用除外制度について、EU及び米国の動向にはインパクトがある。EUの動きについては慎重に見ていく必要がある。EUは自由化路線であるが、フランスは慎重派で方向変換するかもしれない。また、米国は、民主党が政権を取れば、状況が変わるかもしれない。動向を見ておく必要がある。
- 独禁法適用除外制度について、公正取引委員会から国土交通省としての判断が求められているということは、国土交通省に挙証責任があるという認識の下に、検討をすべき。現行制度廃止に伴い予想される影響例について、現状及び将来について、データ分析を基に検討をすべき。
- マ・シ海峡の航行安全対策の日本の協力については、理解しているが、マ・シ海峡に限らず、ホルムズ海峡、インド洋などもある。また、セキュリティー対策も重要。ソマリアでの海賊対策において、フランスが海軍を派遣しているように、実行組織としては、軍であるとか、コースト・ガードになると考えるが、海賊対策についてこれら組織との連携ということも議論をすべきではないか。
- マ・シ海峡は重要な海上輸送路であるとともに、運航の難しい海峡であり、船舶を運航する立場からみると、マ・シ海峡の航行安全対策をできるだけ早く実施すべきである。分離通航帯内において速度を落として航行すると海賊が乗船してくるなどの問題がある。
- 安全・環境問題について、世界的なスタンダードを作って、儲けることは、EUのおはこだと考えるが、日本がこのようなことを行うのは大変な努力が必要なのではないか。
- トン数標準税制について、大企業減税という捉えられ方をされないよう、関係者に正しい認識をして頂くようにきちんと説明をしていく必要がある。
交通政策審議会海事分科会第6回国際海上輸送部会 資料 【PDF形式】
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