(5)モーダルシフト推進に対する社会的期待の強化
地球環境問題、道路交通混雑の悪化、トラックの人手不足問題等の事情に対応し、長距離幹線の物流をトラックから、より効率的な大量輸送機関である海運等にシフトさせるというモーダルシフトについては、近年の景気低迷の中で関心が一時的に低下しているかに見えるが、今後は、物流コストの削減、トラックに偏り過ぎた物流体系の是正等の観点から、その推進に対する社会的期待は着実に高まっていくものと考えられる。
(6)市場原理を活用した競争促進政策の進展
今後の経済政策は、産業の活性化、消費者利益の実現等を図るため、従来の産業保護的な政策から市場原理を活用した競争促進政策に転換していくこととし、その観点から規制緩和、個別法に基づく独占禁止法適用除外カルテル等制度の見直し等が進められることになっている。また、産業界においてもその認識が浸透しており、内航海運業においても自己責任原則に基づく事業経営が強く求められていくものと考えられる。